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電源などの未来を拓くGaN技術

一般的に、半導体やトランジスタといえば、筆者はシリコンデバイスを思い浮かべます。しかし、代替技術が成熟するにつれて、特に電源の分野でこれは変わっていく可能性があります。GaN(窒化ガリウム)は、そうした代替技術の1つです。エンジニアは常に少しのものからより多くを絞り出そうとしますが、GaNを使用したシステムで特に大きな利点の1つとなるのが電力密度の向上です。GaNデバイスは、シリコンデバイスよりも小型パッケージで、より高速にスイッチングでき、かつより大きな電流を扱うことができます。優れもののように思いませんか。

ご想像のとおり、これらの利点は全くの無償というわけではありません。GaN FETは、ゲートへの印加電圧の高さに敏感であるため、適切なゲートドライバを使用することが重要です。たとえば、Texas InstrumentsLMG1210は、ゲート電圧を安全に5Vに安定化させるドライバです。同社のハーフブリッジドライバのリファレンス設計は、ドライバをEPCのエンハンスメントモードGaN FETおよびWurthのインダクタと組み合わせたものです。同社のソリューションは最大50MHzまで動作でき、PCBのフットプリントを小さく保ったまま、GaNの高速スイッチング機能を発揮します。

TIDA-01634のリファレンス設計のブロック図(画像提供:Texas Instruments)

DC/DCコンバータはGaN技術の主要なアプリケーションの1つですが、これは高効率かつサイズを小さくできるためです。効率の高さはどんな電源にも都合のよいことですが、GaNには他にさらに魅力的なアプリケーションもあります。たとえば、オーディオに関心があるなら、GaNを使用したD級アンプはシリコンを使用したものより歪みを小さくできます。あるいは、筆者の個人的な好みのアプリケーションでは、高分解能のLIDARドライバがあります。

(画像提供:EPC)

結局のところ、選択肢は多い方がよいものです。使用しているシリコンのパワー段がもうあまり良くないと感じたら、GaNは検討に値します。

著者について

Image of Taylor Roorda Digi-Key ElectronicsのアソシエートアプリケーションエンジニアであるTaylor Roorda氏は、2015年に組込みシステム、プログラム可能ロジック、および信号処理に主に関心を持つ分野に参加しました。ノースダコタ州立大学で電気工学の学士号を取得し、余暇にはギターを演奏したり、作曲したりしています。
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