位置エンコーダとしてのBLDCホールセンサの使用 – パート1
ホール効果センサを使用したBLDCハブモータの分析および動作
以下は、ホールセンサの論理出力を解釈して位置、方向、速度を特定するのを支援するための情報です。論理出力はBLDCモータのモータ転流にも使用できますが、今回は説明を省略します。
概要
一部のBLDC(ブラシレスDC)モータは、外部回路にフィードバックを提供する3つの内部ホール効果センサを備えています。これにより、ステータ内の磁気コイルを高精度に制御することが可能になります。一部のタイプのBLDCコントローラは、ホール効果センサを使用せずに、モータが内蔵しているバックEMFを使用します。どちらの場合も、ホールセンサは高精度な位置センシングに使用できます。
BLDCモータは一般的に、電動のスケートボード、ホバーボード、スクーター、および小型自転車など、個人乗用車両で見ることができます。例としては、セルフバランスのホバーボードに搭載される直径10インチの単一シャフトハブモータが挙げられます(図1)。このタイプのモータはヘビーデューティアウトランナーBLDCであり、シャフトに実装されたステータはモータハウジングの回転中にも静止しています。
図1
BLDCの分析
この実験で使用されているBLDCハブモータは、27個の電磁ステータコイルと30個の永久磁石(15組の極ペア)を使用します(図2)。ほとんどの図では、U、V、Wとラベル付けされたホール効果センサがステータコイルの周りに等間隔(120度)で配置されています。この実験では、センサは互いに等間隔に配置されていますが、大部分はステータの一方の側に配置されています(図3)。
図2
図3
注: センサラベル(U、V、W)は、内部ワイヤカラーコードに基づいて割り当てられます。この実験では、センサのラベル付けは任意です。
BLDCにおける3のマジック
図3が示すように、ホールセンサはコイル面の中央に配置されています。2個のセンサの中心間の幅は3コイル分で、間隔は40度です。
コイル全体x2 + コイル半分x2 = 3コイル分の幅
360度/27コイルx3コイル分の幅= 40度
この構成は、センサの間隔が物理的に120度である場合と同様の出力値を生成します。磁石の3分の1が各センサを通過するため、各センサから10パルスが生成されます。合計すると、センサは120度ごとに30パルス、1回転ごとに90パルスを生成します。
9/27(コイル)= 10/30(磁石)= 120/360(度)= 30/90(パルス)= 1/3(回転)。これで計算が合いますね。
図4
注: パルスとは、ハイからローまたはその逆の出力遷移です。センサは1回転で合計90パルスを生成します。センサごとに計15個のハイパルスおよび15個のローパルス(15組の極ペア)を生成するため、バイナリの組み合わせは6つになります(90パルス/15ペア = 6)。詳細については、図4をご覧ください。
センサ値は、ハイからロー、ローからハイへの遷移が発生した直後に決定されます。各センサでは、1サイクル中にハイ遷移とロー遷移が1回ずつ発生します。合計で6回の遷移が発生し、バイナリの組み合わせは6つになります。30個の磁石に対して27個のコイルを配置することによりオフセットが発生するため、センサ出力が同時にすべてハイ(111)またはすべてロー(000)になることはありません。
まとめ
遷移後にどのセンサ出力矩形波を調べても、残りのセンサのうち1つはその後に遷移し、もう1つのセンサはその前に遷移しています(つまり、1つはハイ、もう1つはロー)。これが、値の読み取り時にどのセンサ出力の配列を使用しても問題ない理由です。影響を受けるのは、回転方向の計算だけです。
アニメーション図(図5)は、各遷移のセンサ出力、および10個の永久磁石と3個のセンサ付きコイル間の関係を示しています。センサの付いていない中間コイルは、簡略化のため省略されています。
図5
関連リソース:
位置エンコーダとしてのBLDCホールセンサの使用
パート2 – DigilentのAnalog Discovery 2アナライザを使用したBLDCホールセンサ出力の視覚化
パート3 – Teensy 3.5マイクロコントローラを使用した位置、方向、および距離の計算

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