交換用オシロスコーププローブを簡単に選択する方法
私は以前、22人の技術者と専門家から成るテスト部門を指揮していましたが、そこには35台ほどのオシロスコープがありました。オシロスコープの故障で最も多かったのは、プローブの不具合でした。プローブピンの破損、コネクタの断線、ケーブルの損傷など、オシロスコーププローブで発生する事象には、文字通り終わりがありません。そのため、おそらく毎年3ダース以上のプローブを交換していました。
交換用プローブを見つけるための秘訣は、プローブの仕組みや仕様に関する知識以外にほとんどありません。ほとんどのオシロスコープには、チャンネルごとに1個のパッシブプローブが付属しているため、プローブは非常に一般的なテストアクセサリとなっています。パッシブプローブは、80年に及ぶ技術開発を具体化したものですが、基本的な考え方は非常にシンプルです。図1を参照すると、10:1のパッシブプローブは基本的に、オシロスコープの1MΩ入力終端に接続することを目的とした補償付きアッテネータです。オシロスコープへの1MΩ入力は、小さな並列容量を備えた1MΩの抵抗としてモデル化することができます。
図1:オシロスコープの1MΩ入力とともに動作する、10:1ハイインピーダンスパッシブプローブの回路モデル。(画像提供:Art Pini)
10:1の減衰は、図1に示すオシロスコープの入力(RIN)に9MΩの抵抗を直列に配置することで達成されます。この組み合わせにより、プローブ入力における低周波数信号が、オシロスコープの入力では10分の1に減衰されます。高周波数信号の場合は、オシロスコープの入力(Cin)のシャント容量が同軸ケーブルの静電容量に加えられ、入力信号のローパスフィルタとして機能します。
フラットな周波数応答を実現するためには、イコライゼーションが必要です。ローパスフィルタと同じ折点周波数を持つ直列ハイパスフィルタを追加すると、プローブとオシロスコープを組み合わせた周波数応答がフラットになります。これは、時定数RIN x CINを、Ro x(CSCOPE in+CCABLE+C COMP)の時定数と同じにすることで達成されます。オシロスコープの入力容量が微妙に変化するため、可変コンデンサCCOMPを追加して、ローパス部品の時定数を調整します。このコンデンサは、低周波補償を設定するために、各オシロスコープのマニュアルに記載されている指示に従って調整します。
交換用プローブを探す方法の例を見てみましょう。たとえば、Teledyne LeCroyのHDO4104Aという、1GHz、4チャンネルのオシロスコープの交換用プローブを探しているとします。このオシロスコープには通常、4本のPP018 500MHzプローブが同梱されています。オシロスコープについて必要な情報の1つは、データシートに記載されている入力容量(CSCOPE in)です。データシートでは入力容量が16pFとされていますが、明示的に記載されていない場合は、±20%の許容誤差を想定することができます。
まず、DigiKeyウェブサイトでオシロスコーププローブを検索します。検索結果の1つとして、図2に示すように「Test Leads - Oscilloscope Probes(テスト用リード線 - オシロスコーププローブ)」が表示されます。
図2:DigiKeyウェブサイトの「Test Leads - Oscilloscope Probes(テスト用リード線 - オシロスコーププローブ)」ページを使用して、検索条件(パッシブプローブ、10:1の減衰、500MHzの帯域幅、10MΩのプローブ入力抵抗)をハイライト表示させます。(画像提供:Art Pini)
この検索では、図3のように16個の製品が表示されます。
図3:検索結果には16個のプローブが表示され、そのうち最初の8個には在庫があります。その中には完全な代替品であるPP018も含まれていますが、適合する他メーカーのプローブもあります。(画像提供:Art Pini)
最初の8件の検索結果のうち、6件はTeledyne LeCroyのプローブで、オシロスコープに付属しているPP018プローブも含まれています。その他に、Cal Test ElectronicsのCT4203、Carlisle Interconnect TechnologiesのP500-010という、2社のメーカーのプローブがあります。他の選択肢を検討することは、常に良いことです。
各プローブのデータシートを見ながら、表1に示す主な仕様を比較してみましょう。
表1:8つの主なプローブ仕様を用いて、異なる3社のプローブ製品を比較しています。(表提供:Art Pini)
3社のプローブは、かなり厳密に一致しています。以前は記載されていなかった主な仕様として、補償範囲があります。これは、プローブが対応できるスコープの入力容量の範囲です。オシロスコープの入力容量は16pF ±20%のため、これらのプローブはすべてそれに対応できます。
2つ目の問題は、プローブチップの直径です。直径を2.5mmと小さくすることで、物理的に干渉することなく、プローブの間隔を狭めることができます。より大きな5mmのプローブチップは、さらに堅牢で、破損しにくくなります。これは、ユーザーのみが下すことのできるエンジニアリング上の決定です。
まとめ
オシロスコーププローブの損傷はすぐに見えない場合があるため、技術者は手入れの重要性を知っていますが、どんなに手をかけたプローブでも故障することがあります。たまたま、最も重要なテストの最中に故障することもよくあります。
この記事で示すように、DigiKeyの製品検索エンジンと、提供されている基本的な選択ガイドラインを使用すれば、交換品の入手は比較的簡単にできます。ここで選択した3種類のプローブは、プローブチップの直径以外に、最終的なエンジニアリング上の決定要因であるコストが主に異なります。
あるいは、隣のデスクから「借りる」という方法もあります。

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