高品質なUSBケーブルが生む大きな違いを簡単なテストで証明

携帯電話の充電は、私たちの大多数とって日常活動の一部です。私と同じように、おそらくみなさんのUSBケーブルも充電器に差し込みっぱなしでしょう。私の身の回りにはたくさんのUSBケーブルが転がっています。これは今後もトリブルのように増殖すると思います。なにせ、充電式のガジェットを購入するたびに、フルサイズUSB~マイクロUSBケーブルが付属して来るのですから。

私は、高品質USBケーブルを繋いだ800mAの充電器を机の上に置いています。コーヒーカップの隣です。マイクロUSBは、Qualtek Electronics製の3021080-10 USB Aオス~マイクロUSBケーブルように、コネクタが直角型です。内部導体は、24AWGの電源とグランド、そしてデータ用の28AWGのツイストペアです。外皮の直径は4.5mmあります。

ある朝、私はいつもの卓上充電器用のケーブルを別の用途に使っていました。電話のバッテリ残量が55%だったので、スパゲッティ化したケーブルの束から1本のケーブルを引き抜き、それを電話の充電に使いました。ところが1時間後、残量は55%から65%に増えただけでした。結果、電話の充電に午後いっぱいかったのです!

さて、実験の時間です。私は「Ampere」という自分のAndroid用のアプリを見つけました。これは、プラグを抜いたときにバッテリ電流を表示し、差し込んだときには充電電流を表示するものです。私はお気に入りの丈夫なUSBケーブルを取り上げ、本来とは別の目的で電話を充電するのに使ってみました。表示された充電電流は正常な720mA(ミリアンペア)で、ACアダプタの定格容量とほぼ同じでした(図1)。

図1:良品ACアダプタと高品質USBケーブルの組み合わせは、正常な充電電流を供給します。ACアダプタの定格は800mAです。(画像提供:Bill Giovino)

携帯電話がバックグラウンドで不明なタスクを実行している間、充電電流が変動することが予想されましたが、充電電流が560mAを下回ることはありませんでした。

安っぽいノーブランドのUSBケーブルでは、たった50mAの充電電流しか得られませんでしたが(図2)、50mAから低下することはありませんでした。このケーブルは、電話とラップトップを繋いでデータ転送しようとしたときにも、接続問題を起こしたことがあります。

図2:同じ800mAのACアダプタを使用しても、低品質のUSBケーブルでは、50mAを超えることがない悲しい充電電流しか供給しませんでした。(画像提供:Bill Giovino)

ノーブランドのケーブルは、クリンパのゲージ計で見たところ約10AWG(図3)で、仕様によれば外皮径は2.588mmです。低品質ケーブルが非常にしなやかなのに比べ、高品質ケーブルには確かな堅さがあります。高品質USBケーブルは、細くて安価なケーブルに比べると太いワイヤを使用しているのが明らかです。

図3:低品質のノーブランドUSBケーブルの太さは10AWGです(赤い丸印に注目)。高品質のケーブルは明らかにそれよりも太いです。(画像提供:Bill Giovino)

携帯電話のほとんどは、大容量の充電器に接続されているかどうかを検出して、フル充電から低速トリクル充電まで充電電流を調整できます。私の持っている高品質のUSBケーブルはどれも同じように充電しますが、低品質ケーブルの場合は、同じ電流で充電するケーブルは1本もありません。これらのケーブルは、品質が一定しないから安価なのです。

品質に加えて革新性:リバーシブルなUSBケーブル!

この手のケーブルを使用したことがある人なら誰でもわかると思います。電話にプラグを差し込むのは少々やっかいですよね。USBケーブルに関するマーフィーの法則によれば、USBケーブルを初めてラップトップの側面ないし背面コネクタに差し込むときには、決してはまらないと書かれています。誰でも経験があるはずです。差し込んでみたが、はまらない。コネクタをひっくり返して差し込んでみても、まだはまらない。きちんとはまるまでに、それを3回も4回も繰り返す...。

解決策があります。Tripp LiteUR050-003-24GリバーシブルUSB Aオス~マイクロUSBケーブルは、非常に使いやすくできています。USB Aオス側を反転させることなく、どちら側でもコンピュータに差し込むことができます(素晴らしいアイデア!)。そしてまた、ケーブルも太く頑丈です。私はこれを2本入手します。

高品質のケーブルに数ドル余計に費やすことで、こんなに楽な思いができるなら、オンラインで格安ケーブルを探し求めるのは手間と時間の無駄です。

著者について

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Bill Giovino氏は、シラキュース大学のBSEEを持つエレクトロニクスエンジニアであり、設計エンジニアからフィールドアプリケーションエンジニア、そしてテクノロジマーケティングへの飛躍に成功した数少ない人の1人です。

Billは25年以上にわたり、STMicroelectronics、Intel、Maxim Integratedなどの多くの企業のために技術的および非技術的な聴衆の前で新技術の普及を楽しんできました。STMicroelectronicsでは、マイクロコントローラ業界での初期の成功を支えました。InfineonでBillは、同社初のマイクロコントローラ設計が米国の自動車業界で勝利するように周到に準備しました。Billは、CPU Technologiesのマーケティングコンサルタントとして、多くの企業が成果の低い製品を成功事例に変えるのを手助けしてきました。

Billは、最初のフルTCP/IPスタックをマイクロコントローラに搭載するなど、モノのインターネットの早期採用者でした。Billは「教育を通じての販売」というメッセージと、オンラインで製品を宣伝するための明確でよく書かれたコミュニケーションの重要性の高まりに専心しています。彼は人気のあるLinkedIn Semiconductorのセールスアンドマーケティンググループのモデレータであり、B2Eに対する知識が豊富です。

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