JPY | USD

IoTデバイスの接続を維持するためのセルラー信号強度の測定

一般の人がセルラーシステムと聞いてまず思い浮かべるのは、スマートフォンであり、それが人と人とのつながりの維持や情報の検索にいかに役立つかということです。一方、デバイスのIoT(モノのインターネット)ネットワークの導入を検討しているエンジニアは、セルラーシステムをまったく別の角度から見ています。私たちは、信号の欠落、ミッションクリティカルな情報の遅延、干渉の可能性のある数多くの要因に注目しています。IoTネットワークが照明スイッチやスマートホームデバイスだけでなく、政府、地方自治体、および産業界によって制御される重要なシステムに接続することを考えるなら、こうした問題の発生は望ましくありません。こんなとき、システムの配備中に使用する小さなアナライザが、信号の損失によるインシデントの回避に大いに役立ちます。

図1:SNYPER-LTEM Graphyteは、従来の2G/3GおよびLTEネットワーク基地局からの信号強度、およびCat MおよびLTE Cat NB IoT帯域の信号を測定できます。(画像提供:Siretta)

確かに、Wi-FiやBluetoothなど、IoTデバイスをインターネットに接続するためのテクノロジは他にもいくつかありますが、セルラーネットワークを使用する理由としては次の4つが挙げられます。

  1. コスト:セルラーキャリアはネットワークに大規模な投資を行っており、キャリア間の激しい競争の結果、セルラーサービスのコスト効率は極めて良好である。
  2. 可用性:セルラーは現在、世界人口の90%以上に普及しており、米国の通信事業者は99%以上のLTEカバレッジを提供している。
  3. 範囲:セルラーネットワークは、Wi-FiやBluetoothなど、他のIoTテクノロジよりも広い範囲をカバーする。
  4. ライセンス帯域:周波数スペクトルのライセンス帯域で運用することで、干渉を最小限に抑えられる。

IoTシステムの設置を計画している場所で、セルラーネットワークの堅牢さと信号の強さを確保するためには、セルラー信号の強度レベルを測定する必要があります。Siretta SNYPERラインの信号アナライザは、実際の測定を行って、こうした謎を解明します。これらのハンドヘルド機器を使用することで、2G/GSM、3G/UMTS、4G/LTE、さらにはCat Mおよび狭帯域IoT(NB IoT)ネットワーク基地局からの信号をすばやく見つけ、その強度を測定できます。こうした情報を利用することで、自分のニーズに最適なネットワーク事業者はどこか、最大のパフォーマンスを得るためにアンテナをどこに配置したらよいかを決定できます。

従来のセルラーネットワークを介したIoT接続の場合、SNYPER-LTE Graphyteは4G/LTEおよび3G/UMTSバンドをカバーします。一方、IoT固有の帯域の場合、SNYPER-LTEM Graphyteは4G/LTE Cat M、LTE Cat NB IoT、および2G/GSMをカバーします(図1)。

IoTがトラフィックを動かし続ける

セルラーネットワークを使用して実際のデバイスを制御する具体例として、以下に示すトラフィック制御システムがあります。ここでは、セルラーモデムが信号機のコントロールボックスに接続され、トラフィック制御管理用にプログラムされたサーバと通信します。この接続を介して、サーバは、時間帯に応じて信号機のタイミングを設定でき、交通の流れをより効率化できます。

信号機がサーバと通信することもできます。たとえば、信号機にトラフィック監視機能がある場合、ネットワークを介してリアルタイムでトラフィック情報をサーバにストリーミングできます。これにより、システムはこの信号機と隣接する信号機のタイミングを調整して、トラフィックをよりスムーズに流すことができるようになります。一方、信号機はシステムが検出した問題を報告することもでき、修理担当者が直ちに現場に向かって問題を解決したり、交通の流れを維持することが可能になります(図2)。

図2:デバイスとシステムをセルラーネットワーク経由でインターネットに確実に接続するには、信号の強さを確認する必要があります。(画像提供:Siretta)

鍵は信号の強さ

セルラーネットワークはほぼどこにでも存在していますが、問題がないわけではありません。通話の中断は、ほぼ毎日発生しています。ただし、数フィート移動すれば、有効な信号を再び拾うことができます。しかし残念ながら、信号機は歩くことができません。したがって、このようなシステムをインストールする際には、安定した通信を維持できるだけの十分な信号強度があることを確認する必要があります。信号が断続的で信号レベルが低いと、システムのパフォーマンスが低下し、応答時間が遅くなり、信頼性の問題が発生します。一部のセルラーモデムは信号強度を表示できますが、報告の対象となるのは使用可能な接続だけです。しかし、これだけでは、使用するサービスプロバイダやアンテナの設置場所を決定することはできません。

Siretta SNYPERのセルラー信号強度アナライザは、必要な各種情報を提供します。また、このハンドヘルド機器はネットワークに依存しません。つまり、特定の場所において利用可能なすべてのネットワークの信号強度を測定および分析できるという意味であり、そのために、ネットワークごとに異なるSIMをわざわざ購入する必要もありません。図3は、SNYPERを使用して携帯サイト調査を実行する方法を示しています。

図3:Siretta SNYPERは、さまざまな基地局からの信号強度を測定し、アプリケーションに最適なネットワークをすばやく決定するのに役立ちます。(画像提供:Digi-Key Electronics)

SNYPERは、エリア内のすべての基地局の信号強度を測定し、それぞれの相対的な信号強度や使用可能なセル数などの要約情報を提供します。こうした情報により、エリア内のアプリケーションに使用する最適なネットワークをすばやく決定し、セカンダリバックアップネットワークに関してどのようなオプションがあるかを判断できます。

一部のモデルはUSB大容量ストレージを提供し、最大50件のネットワーク調査結果をそっくりユニットに直接保存できます。この機能は、メンテナンスエンジニアやシステムのインストール担当者にとって非常に貴重なツールです。これにより、彼らは一日中現場に留まったり、サイトからサイトへ移動したり、複数の調査を実行したりすることが可能となり、生産性は大幅に向上します。

Siretta SNYPERは、最大の信号強度が得られる場所へのアンテナの配置を可能にします。具体的には、アンテナをセルラーモデムからさらに遠ざけたり、壁やポールに取り付けることによってアンテナをより高い位置に配置したりすることを意味します。

状況によっては、八木アンテナなどの指向性アンテナを使用することで、信号強度を向上させることも可能です。もちろん、八木アンテナを使用するにしても、それをどの方向に向けたらよいかを判断する必要があります。指向性アンテナを備えたSNYPERならば、信号強度を測定できるだけでなく、エリア内のネットワーク基地局の位置も特定できます。こうした情報を使用することで、八木アンテナを正しい向きに設置することが可能になります。

まとめ

RFの専門家ではない多くのエンジニアにとって、信号強度の測定は未知の特殊技能のようなものです。Siretta SNYPERは、一般的には謎の多いプロセスをわかりやすく説明し、2G、3G、4Gの信号強度を迅速かつ正確に測定し、アプリケーションに適したセルラーネットワークを選択し、アンテナを適切な向きに設置することを可能にします。その最終的な成果として、ここでは、自動車運転者が最も感謝することになる、信頼性の高いIoT機能を備えた信号機を紹介しました。

著者について

Image of Dan Romanchik

Dan Romanchik is an electronics engineer, freelance writer, and well-known amateur radio operator. He has written for many high-tech companies, and his articles have appeared in IEEE Spectrum, Electronic Design, Electronic Components, and Machine Design. Before becoming a freelance writer, he was Senior Technical Editor for Test&Measurement World, where he covered nearly every aspect of electronics test and measurement. Prior to that he was test engineering manager for a division of a large telecom company.

He is the author of five amateur radio books, including three that make up the “No Nonsense” series of amateur radio license study guides, the CW Geek’s Guide to Having Fun with Morse Code, and 21 Things to Do After You Get Your Amateur Radio License. He teaches amateur radio classes, both in person and online, and regularly gives presentations to amateur radio clubs on a variety of topics. He blogs about amateur radio on his website, KB6NU.Com.

Dan has a BEEE from the University of Detroit and an Amateur Extra Class amateur radio license (callsign KB6NU). He is a member of the Institute for Electrical and Electronics Engineers (IEEE) and the Association for Computing Machinery (ACM).

More posts by Dan Romanchik