論理回路またはゲート設計向けのMOSFETの選択方法
MOS(金属酸化膜半導体)電界効果トランジスタまたはMOSFETは、一般的な高電圧/高電流の電圧駆動型スイッチングアプリケーションに最適な半導体です。MOSFETは、電流駆動型の先行製品であるBJT(バイポーラ接合トランジスタ)よりもはるかに人気があります。スイッチングスペクトラムの対極にあるロジックレベルのMOSFETは、主に優れた効率性と高速スイッチング機能により、プロセッサや他の小信号デバイスの構築において広く採用されています。
MOSFETの内部動作は構成においてBJTと明確に一線を画していますが、それでも導電が発生する場合に濃縮または空乏チャンネルを備えたNおよびP接合を使用します。MOSFETの構築および動作全般の説明については、eewikiにあるDigi-Key Electronicsの記事をご確認ください。
人気のある2N3904(NPN)または2N3906(PNP)などのように、BJTトランジスタを使用してTTLロジックを指定するマイクロコントローラブレッドボードまたはPCBプロジェクトは数多くあります。これらは、確かにベースのプリバイアスの有無にかかわらずうまく動作しますが、効率性が低く、CMOSの対応品よりも応答時間が遅くなる場合があります。
3.3Vまたは5Vロジックのどちらを使用する場合でも、これらの電圧とグランドの間に何が論理ハイ/ローであるかを判断する閾値があります。バッファとして機能するハイ/ロー間の幅広い電圧も必要です。これは、しばしば「不正な」領域と呼ばれ、予測不可能な出力を避けるため、ソリッドハイとソリッドロー間の転換点が急激にならないようにします(図1)。
ロジックレベルNチャンネルMOSFETを選択する際に考慮すべきパラメータ
ゲートソース間閾値電圧 - Vgs(th)(最小)およびVgs(th)(最大):最小閾値以下のゲート電圧はMOSFETをターンオフします。5Vロジックの一般的な最小ゲート電圧は、0.5V~1Vです。最大閾値以上のゲート電圧により、MOSFETがターンオンされます。最小/最大間のゲート閾値電圧は、MOSFETをターンオン/オフする場合があるため、回避する必要があります。最小値および最大値が、図1の不正な領域とほぼ一致することに注意してください。
図1
ドレインソース間オン抵抗 - Rds(on):ターンオンすると、ドレインとソース間に抵抗があります。ゲートソース間の電圧またはVgsが増加すると、この抵抗は減少します。Rds(on)の最小値が理想的な論理ハイ電圧値付近で発生し、高いVgs値により大幅に減少しないMOSFETを選択してください(図2を参照)。
図2
例:データシートによると、InfineonのIRLZ44 MOSFETのドレインソース間抵抗は、5Vで25ミリオーム、4Vで35ミリオーム、10Vで22ミリオームです。5VでのRds(on)値は、10VでのRds(on)値よりわずか3ミリオーム高いだけですが、4VでのRds(on)値よりも10ミリオーム低くなるため、Rds(on)に関しては優れた選択肢となります。
図3
入力容量 - Ciss:MOSFETのゲート、酸化被膜、および本体接続という組み合わせは、電圧がゲートに存在する場合に充電を開始する小型コンデンサとして機能します。充電には時間がかかるため、オン状態遅延が発生します。長い遅延を回避して突入電流を最小化できる入力容量の最も低いMOSFETを選択してください。この突入電流は、最初は非常に高くなる場合がありますが、コンデンサが充電を開始すると低くなります。理想的なこととして、オン状態遅延は非常に短いものの、電流供給量を制限したI/Oピンに損傷を与えるには十分のサージを発生させる可能性があります。
ピンとゲート間の電流制限抵抗器は、I/Oピンの過剰な消費電流を防止します。
マイクロコントローラの出力ピンに直接接続されたMOSFETを使用する場合、外付け抵抗を使用して、必要に応じてMOSFETゲートをハイまたはローにプルする必要があります。これにより、MCUの起動およびリセット中に、MOSFETからのフローティングゲートロジックや望ましくない出力を防止することができます。
上記のパラメータは、論理回路またはゲート設計向けのMOSFETを選択する際の初期値ですが、熱放散および他の性能パラメータに関する追加の考慮事項により微調整する必要があります。次回のプロジェクト設計では、恐れずにMOSFETを試してみてください。

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