低電力、高性能な処理を実現するNXPのi.MX 8M Miniプロセッサ
現在のエレクトロニクス市場では、リアルタイム処理と高性能なアプリケーション処理を組み合わせながら消費電力も減らす設計が、スマートデバイスの設計者に強く求められています。
さらに、多様な設計要件に適する拡張可能なアプリケーション処理への増え続けるニーズを背景に、チップメーカーは異種マルチコア処理(HMP)デバイスを開発しています。このようなデバイスには、アプリケーションプロセッサコアと組み込みプロセッサコアの両方が統合されています。その一例としてご紹介するNXPのi.MX 8Mファミリは、1つのArm Cortex-M4組み込みプロセッサコアと最大4つのArm Cortex-A53アプリケーションプロセッサコアを統合しています。
その異種コアを補完するために、4Kビデオ処理ユニットや3Dグラフィックス処理ユニットなど幅広いマルチメディアリソースのセットがNXPのi.MX 8Mデバイスに統合されています。
前述のように、設計者は処理能力を向上させるだけでなく、消費電力を削減する必要があります。このジレンマを解決するために、NXPはi.MX 8M Miniプロセッサを開発しました。このプロセッサは、消費電力の削減と混合負荷の高性能処理を両立させています。消費電力を削減するために、開発者はNXPのi.MX 8M Miniの低電力動作モードへの自動またはプログラムによる切り替え機能を活用できます。また高性能化は、組み込み処理用Arm Cortex-M4と最大4つのアプリケーション処理用Arm Cortex-A53コアの組み合わせによって実現されます。その性能をさらに強化するために、包括的なセキュリティサブシステム、複数の接続およびI/Oオプションがデバイスに統合されています。
(画像提供: NXP)
NXPのi.MX 8M Miniプロセッサは、新たな産業用システムやモノのインターネット(IoT)システム用に設計されており、高性能、強力なセキュリティ、低電力への要求に総合的に応えます。
アプリケーション開発でエンジニアを支援し開発時間を短縮できるように、NXPはi.MX 8M Mini EVK(評価キット)および関連するリファレンス設計を提供しています。このキットでは、LPDDR4外部メモリおよびフラッシュ、USBなどのインタフェースを含む完全なシステムが提供されます。キットの接続オプションには、ギガビットEthernet、Wi-Fi、Bluetoothが含まれます。またNXPは、ビデオ(MINISASTOCSI)およびディスプレイ(MX8-DSI-OLED1)アプリケーション用のアドオンボードも提供しています。
NXPのi.MX 8M Mini評価キット(画像提供: NXP)
Embedded Linux®とEmbedded Android®オペレーティング環境のプレビルドイメージが利用可能なので、設計者はキットを使用してすぐにi.MX 8M Miniを評価しサンプルアプリケーションを実行できます。NXPは、独自のソフトウェアアプリケーションを作成する開発者向けに、無料のMCUXpressoソフトウェア開発キット(SDK)も提供しています。このSDKには、一般的な高性能組み込みアプリケーションの構築に必要な、フルセットのソフトウェアコンポーネントが含まれています。
NXPのi.MX 8Mとi.MX 8M Miniプロセッサの詳しい説明については、『マルチコアプロセッサを使用した低電力でメディアリッチなスマート製品の構築』を参照してください。
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