AD3552Rシリーズ DAC

ADIのAD3552Rシリーズは、複数の出力電圧スパン範囲を生成するように設計された、低ドリフトの超高速、16ビット精度の電流出力D/Aコンバータ（DAC）です。高精度な性能とレイテンシの低減、セトリング時間の短縮、更新の高速化を両立しています。これにより、制御ループの帯域幅の拡大、制御アプリケーションのシステム時間の短縮、より複雑なアルゴリズムの実行、より高速で高精度な刺激信号の生成が可能になります。

このデバイスには、出力電圧をスケーリングするのに必要な外部トランスインピーダンスアンプ（TIA）用の3つのドリフト補償フィードバック抵抗が組み込まれています。オフセットおよびゲイン調整レジスタにより、0V～2.5V、0V～5V、0V～10V、−5V～+5V、−10V～+10Vなど、複数の出力スパン範囲、およびカスタム中間範囲をフル16ビット分解能で生成できます。

DACは、最大速度の場合は高速モードで、最大精度の場合は高精度モードで動作します。

SPIは、シングルSPI（クラシックSPI）モード、デュアルSPIモード、同期デュアルSPIモード、クアッドSPIモードがあり、シングルデータレート（SDR）またはダブルデータレート（DDR）で、ロジックレベルは1.2V～1.8Vでの構成が可能です。巡回冗長検査（CRC）を有効にすると、デバイスの堅牢性を高めることができます。また、V_REF障害やメモリマップの破損を検出するために、複数のエラーチェッカーが内蔵されています。

EVAL-AD3552RFMCxZは、AD3552R超高速16ビット高精度DAC用の評価ボードです。このボードには、高帯域幅と高速化に最適化された「EVAL-AD3552RFMC1Z」と、精度に最適化された「EVALAD3552RFMC2Z」の2つのバリエーションが用意されています。ボード間の唯一の違いは、トランスインピーダンスアンプとそれに対応するフィードバックコンデンサだけです。

このボードでは、DACのすべての出力範囲、波形生成、電源とリファレンスのオプションをテストできます。

EVAL-AD3552RFMCxZボードは、システム実証プラットフォーム（SDP-H1ボード）を介してPCのUSBポートに接続します。また、P5位置のピンヘッダコネクタを使用して、別のコントローラボードに接続することもできます。