EMCとEMIとは何か?

電磁両立性(EMC)と電磁干渉(EMI)は、電子/電気製品の規制試験やコンプライアンスについて議論する際によく言及される言葉です。

電磁両立性と電磁干渉は、非常に重要な設計上の考慮事項です。製品開発の初期段階でこれらを考慮しなかった場合は、後になって製品の再設計が必要になったり、政府機関の認証に合格できず、問題が解決するまで製品を販売できなくなったりするなど、時間やコストがかかってしまいます。

EMIとは?

電磁干渉(EMI)とは、デバイスの性能に影響を与える電磁妨害によって引き起こされる干渉のことです。EMIの発生源は、激しい雷雨や太陽放射などの環境によるものもありますが、通常は他の電子デバイスや電気システムによるものが多いです。干渉が無線周波数のスペクトルにある場合は、無線周波数干渉またはRFIとも呼ばれます。

電磁干渉はしばしば望ましくないノイズとして現れ、電気/電子/RFシステムの機能低下につながることがあります。EMIには、以下4つのタイプがあります。

  • 伝導EMI 電線を介して流れるEMIで、EMIの発生源に物理的に接触することで発生します。
  • コモンモードEMI1つ以上の導体を同じ方向に流れる高周波数のEMIです。
  • 差動モードEMI隣接する電線を逆方向に流れる低周波数のEMIです。
  • 放射EMI最も一般的なタイプのEMIで、電磁場の放射によって発生します。放射EMIの代表的なものとしては、AM/FMラジオ受信機の静電ノイズやTVモニタのスノーノイズなどがあります。

EMIの一般的な発生源は、以下の通りです。

  • 発電機、電源、電圧レギュレータ、スイッチおよびリレー、バッテリチャージャ、高圧送電線などの発電装置および周辺機器。
  • 発振器、計算機、ラジオ、レーダ、ソナー機器など、高周波数で動作する装置。
  • モータや点火装置など、高電圧と高周波の両方を使用する機械。

EMCとは?

電磁両立性(EMC)とは、あるデバイスがその共通の動作環境において意図した通りに動作し、それと同時に、同じ環境内の他の装置の意図された動作に影響を与えない能力を示す指標です。

電気/電子/RFデバイスの電磁両立性には、以下2つの側面があります。

  • 電磁放射があっても正常に動作する能力。
  • 周辺にある他の機器の動作に影響を与えるような追加のEMIを発生させない能力。

EMC試験には費用がかかりますが、設計が適切に機能し、破壊的な電磁干渉を発生させないことを保証するためには不可欠です。

設計者への支援

設計がEMI/EMC試験に確実に合格するためには、どうすればいいのでしょうか?F3 Wirelessは、1つの選択肢です。同社が提供する回路図レビューサービスは、設計者が設計に関連した潜在的なリスクを理解し、意図しないRFスプリアス発射やレシーバ干渉を軽減するためのソリューションを提供するのに役立ちます。これにより、製品開発プロセスの後半で多くの時間と費用を節約し、市場投入までの時間を短縮し、製品を意図したとおりに機能させることができます。これらは、設計者が真剣に考慮すべきことです。

著者について

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2015年以来、DigiKeyに在籍するKelsie McMillinは、DigiKeyの戦略的プログラムのパートナーシップマーケティングマネージャを務めており、IoTに関連するすべての製品およびサービスに関わっています。彼女はDigiKey奨学金プログラムを通じて、ノースランドコミュニティ&テクニカルカレッジのエレクトロニクステクノロジ&自動化システムで応用科学の準学士号を取得しています。余暇には家族と「アドベンチャー」を楽しんでいます。

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