新しいINA228デジタル電力監視デバイスを用いて、BattLab-Oneでナノアンペアの電流測定

このブログの執筆時点で、私が使用しているパワープロファイリングデバイス、BattLab-Oneの電流センシング範囲は、10μAから500mAです。この範囲には多くのマイクロプロセッサが該当しますが、最近の超低電力マイクロプロセッサは、スリープモード時にナノアンペア(nA)範囲で動作します。デジタル電力監視ソリューションを使用してナノアンペア範囲の電流を測定することは難しいとされています。

BattLab-Oneは、Texas Instruments(TI)のINA233をベースにしています。この電流センス専用デバイスは、電流、バス電圧(電源レールよりもかなり高い)、および電力を測定し、I2C(またはSPI)経由でサンプルデータを送信します。

私がINA233を選んだ理由は、最大10μVのオフセット電圧、16ビットのA/Dコンバータ(ADC)、プログラム可能なサンプル平均化とサンプルレート、I2C通信機能など、いくつかあります。残念ながら、INA233の8μAというバイアス電流では、低域での電流センシング機能が10μAに制限されます。これまでのところ、ほとんどのバイアス電流誤差を較正できていますが、8μAでは、ナノアンペア範囲で動作する最新の超低電力マイクロプロセッサのスリープモードを捉えようとしても制限されます。

幸いにも、TIはデジタル電力監視製品のラインアップに、新たにINA228を加えました(図1)。INA228はINA233とピン互換で、入力バイアス電流が最大2.5nAと大幅に強化されています。何と、わずか2.5nAの入力バイアス電流です!つまり、最大2.5%の潜在誤差で100nAのスリープ電流を測定できるのです!

図1:Texas InstrumentsのINA228は、最大入力バイアス電流がINA233の8μAに対して2.5nAであり、さらに16ビットADCから20ビットADCに進化しています。(画像提供:Texas Instruments)

また、INA228では20ビットADCにアップグレードされ、INA233と同じI2C(およびSPIバージョン)の通信を備えています。さらに、INA228ではオフセット電圧が最大1μVまで低下しています。

Texas instrumentsが提供する電力監視ソリューションのもう1つの大きな特長は、電源レール電圧とADCのコモンモード電圧入力が分離されている点です。さらにINA228では、ADCへの入力が±40.96mVの範囲であり、プログラム可能な範囲は最大±163.84mVです。そのため、より小さな検出抵抗器を使用できるという利点が加わり、電流センシングにともなう電圧降下が少なくなります。

INA228によって、使用する電流センシングの範囲を100nAまで拡張できるようになり、入力バイアス電流とオフセット電圧による最大全誤差を10%未満に抑えられます。表1に、新しいBattLab-One+製品のINA228対応設計パラメータを示します。

表1:新しいBattLab-One+製品の設計パラメータには、高い電流範囲や低いバイアス誤差など、いくつかの特長が見られます。(画像提供:ダグ・ピーターズ氏)

タダで得られる収穫はない

世の中すべてが順調に進み、INA233をINA228に置き換えるだけで問題がすべて解決!とはいきません。上述のように、INA233のADCは16ビットですがINA228は20ビットです。お気づきのように、すべてのファームウェアは、INA233のサンプルあたり2バイトのデータに基づいています。INA228で使うのは3バイトです。影響はそれほど大きくありませんが、既存のユーザーがより高い帯域幅の電流センシング範囲を得るには、新しいINA228とファームウェア更新の両方が必要になります。(または、数か月ほどで新しいBattLab-One+が発売されれば、それを購入できます!)

安易に得られる収穫はない、ということです。

結論

Texas Instrumentsのデジタル電流センシング製品を使った設計では、ものごとが非常にシンプルになることに間違いはありません。ここで述べたように、TIが電源監視ソリューションを強化したことにより、BattLab-Oneを無理なくアップグレードできるようになりました。今回は、INA233からINA228への置き換えがそれを可能にしたのです。

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