モノのインターネット(IoT)の設計

(画像提供:Molex

モノのインターネット(IoT)の設計- 最初に考慮すべき4つの要素

IoT設計によってもっと多くのソリューションを顧客に提供しようと考えていますか?IoTの広大な世界に飛び込む前に、必ず深呼吸してください。IoTの開発に取り組み、それをコネクテッドシステムの方向に推進することに伴う課題は、決して容易ではありません。コネクテッド製品とそのインタラクションをIoTシステムへ展開する際、優れた全体設計を実現するために不可欠な役割を果たすコンポーネントは数多くあります。

IoT市場向け設計の開始準備をしていると、その複雑さを考えて圧倒されてしまうかもしれません。この業界は常に進化し続けているため、デバイスを設計する際には、さまざまな設計要件やプロトコルを考慮に入れる必要があります。そこで、CiscoのIoTエキスパートが、設計プロセスを開始する前に考慮すべきいくつかの要素を特定しました。

プロセスを開始する前に、次の4つの重要側面を調査してください。

  1. 範囲
  2. 無線周波数帯域
  3. 消費電力
  4. トポロジ

1.範囲のニーズを把握する

ワイヤレス通信にはさまざまなタイプがあり、短距離、中距離、長距離に分類されます。各カテゴリは、ニーズに応じた異なるカバレッジ領域に対応します。Bluetoothなどの短距離通信は、2台のデバイス間で100m未満の距離をカバーします。ZigbeeやWi-Fiは中距離に分類され、100m~1マイル未満の距離をカバーします。1マイル以上の距離をカバーするには、4Gなどの長距離通信技術が必要になります。

屋内使用率や屋外使用率も、デバイスの範囲ニーズに影響を与えます。使用環境に応じて機能に違いが生じ、デバイスが必要とする通信範囲に影響を与えることがあります。

したがって、IoTデバイスの設計においてニーズを特定する際には、次の2つのことを考えてください。

- 必要とするカバレッジ領域は?

- 屋内および屋外での展開を差別化する必要があるか?

2.無線周波数帯域 - 免許の要・不要

ワイヤレス接続を選択した場合、要免許の無線周波数帯域(RFB)または免許不要のRFBの選択が必要になります。要免許のRFBを選択した場合、その帯域の使用免許を受けた企業のみがそのRFBを使用できます(免許不要の帯域の場合は誰でも使用可)。結果として、免許不要の周波数帯域を使用する場合、ネットワーク干渉が大きな懸念事項になります。検討すべきこの2つの選択肢の間には、いくつかの重要な違いがあります。それらの違いについて説明します。

注:免許不要の無線帯域は、それに対して法律が存在しない、または施行されていないという意味ではありません。免許不要の帯域は法律により管理されていますが、要免許帯域のような保護は行われません。

3.デバイスの消費電力

ユーティリティコストは製品の商品化において重要な焦点であり、プラグインデバイスにとって消費電力は考慮すべき重要な要素になります。製品が正常に動作するために大量の電力を必要とする場合、コストに敏感な消費者は、余分な電力コストがかかるためその製品の購入をやめてしまうかもしれません。

また、電池駆動デバイスにもいくらか注意が必要です。電池交換が必要な頻度を考慮しなければなりません。デバイスが市場で成功するかしないかは、この点にかかっています。電池を頻繁に交換する必要があったり、電池の供給電力が小さすぎたりする場合、消費者はその製品を購入しないでしょう。

4.最適なトポロジ方式を選択する

デバイスがノードや他の接続部と特定の配列で接続できるようにする設計スキームは、ネットワークトポロジと呼ばれます。IoTをリードする主なトポロジには、スタートポロジ、ピアツーピア(P2P)トポロジ、メッシュトポロジという3つの方式があります。

スタートポロジ - このトポロジでは、各デバイスが中央のネットワークハブに接続されます。

ピアツーピアトポロジ - ピアツーピアの場合は、各デバイスが他のデバイスと相互接続され、独自のクライアントがデバイス自体にリンクされます。1台のデバイスが故障しても、ネットワークは切断されません。

メッシュトポロジ - メッシュトポロジは、デバイスが相互接続されているピアツーピアトポロジの高度な形態であり、ネットワーク内に複数のパスを作成します。

開発するIoT製品の性能を最適化するのにベストなシステムを選択するには、各トポロジ構造を検討してください。

MolexとDigi-Keyの製品を使用したIoT設計ソリューション

Molexは、IoTの世界で誰にも負けないリーダーシップを発揮するためのエンジニアリングリソースと業界の専門家を提供します。Digi-Keyは、コネクテッドホームの分野で遂げた進歩からも明らかなように、IoT市場に最適なソリューションを提供します。IoT設計にとって重要なアンテナ、センサ、フレックスアセンブリ、スイッチなどについては、Digi-KeyのMolex製品のページをご覧ください。また、Digi-Keyのマイクロ製品もご検討ください。FFC/FPCコネクタHDMIコネクタマイクロUSB製品、およびケーブルアセンブリは、Digi-Keyが提供する電気相互接続の広範な製品ラインのほんの一部にすぎません。また、Digi-Keyは自社のコア能力により、完全カスタム、セミカスタム、またはすぐに使用可能な電子製品を提供しています。

IoT市場が成長するにしたがって、多くのデバイスOEは、システム内のセンサやUSBポートの数を増やして、スマート技術に適応しようとしています。Digi-Keyは、このニーズに応えるためにMolexのUSBモジュールを提供しています。これらのUSBモジュールは、コンパクトで、試験生産および本生産用としてすぐに使用可能な認定キットを備えており、スペース制約の軽減、エンジニアリングコストの削減、および最終製品の市場投入までの時間短縮を実現します。Digi-Keyにアクセスして、次回のIoT設計用にMolexのUSBモジュールキットをぜひ入手してください。

ご請求があれば、無料IoTサンプルキット(PN: 9876516783-ND)を差し上げます(MolexおよびDigi-Keyの従業員は対象外となります)。サンプルキットのお申し込みは、molex@digikey.com宛に今すぐ電子メールをお送りください。数量限定でのご提供となります。

 

出典:

1 – サルゲロ、ゴンザロ他、『スマートオブジェクトの接続』『IoTの基礎:ネットワーク技術、プロトコル、およびモノのインターネットの使用事例』、デービット・ヘインズ、Cisco Press、2017年、95~148ページ。

著者について

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James Blankley氏は、2010年にMolexでインターンとして仕事を始め、その後、国際ビジネスとマーケティングの2学科を専攻しました。Molexで彼は、顧客サービスとリード管理などを経験しています。その過程で彼は、コネクテッドホームおよびその他の特定市場向けのマーケティングキャンペーンを作成して開始し、フィールドセールスのリードを作り出しました。現在は職務として、コネクテッドホームのグローバルマーケティングとアメリカ大陸での事業開発を担当しています。また、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)にも力を入れています。

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