堅牢なトレーサビリティソリューションの導入に対する課題に対処する方法
多くの場合、サプライチェーン全体にわたって個々の部品や製品のトレーサビリティを確保することは不可能です。たとえ可能な場合でも、困難な課題となります。製造システムまたはサプライチェーンシステムの設計や導入に携わる場合、規制要求、規格要件、法的義務に直面することがあります。これらすべてにより、消費財、自動車、医療用機器の製造および、食品、飲料、生物医学製品、医薬品の製造や梱包など、さまざまな産業で堅牢なトレーサビリティソリューションを展開する必要が生じます。
トレーサビリティには、個々の部品や製品に対し、迅速かつ自動的な読み取りが可能な1次元(1D)および2次元(2D)バーコードのような固有の識別子を付けることが含まれます。トレーサビリティの向上は、医薬品サプライチェーン安全保障法(DSCSA)や米国食品医薬品局(FDA)が義務付ける機器固有識別子(UDI)のような規制規格や法的要件への対応に加え、生産性と品質の向上につながる可能性があります。残念なことに、現在の高速生産環境と梱包ラインでは、製品が現場にある時にトレーサビリティマーキングが破損する可能性があります。そのため、破損したマーキングも素早く正確に読み取るための信頼性の高い方法が必要とされています。
このブログでは、トレーサビリティの要件と、堅牢なソリューションを実装するための課題について解説します。そして、それらのソリューションをサポートするために、破損したバーコードの迅速な読み取りが可能なOmronの高性能な1次元および2次元バーコードリーダを紹介します。
バーコードリーダの要件とオプション
バーコードの形式は、トレーサビリティに関連するほぼすべてのニーズに対応しています。たとえば、自動車業界のサプライチェーンでは、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が要求するリコールを実施する可能性があります。この場合、全米自動車産業協会(AIAG)がトレーサビリティガイドラインを公開しています。
トレーサビリティの必要性を示すその他の例としては、FDAのDSCSAが挙げられます。これは、流通網全体を通して特定の処方薬を特定し追跡するために、パッケージレベルで製品の相互運用可能な電子追跡を実現する手順を説明したものです。また、医療機器の製造から流通、患者による使用までのトレーサビリティを可能にするUDIもあります。要件に応じて、1次元リニアバーコード、スタック型シンボル、2次元など、さまざまなバーコード形式を選択することができます(図1)。
図1:バーコードの形式とスタイルの例(ノンスケール)。(画像提供:Omron)
グレードの作成と規格の準拠
もちろん、すべてのバーコードが同じように作成(印刷)されるわけではありません。特定のバーコードが適切に印刷されているかどうかを判断する際に考慮すべき、業界固有の規格や国際規格があります。それらの規格に含まれるいくつかの要素は、次の通りです。
- 白色部分と黒色部分のコントラスト比
- 黒色バーの反射率
- バーとスペースの間のエッジコントラストの変化
- バーコード全体の黒色印刷の濃度の変化または変調
- 白色のスペースに黒色の点、黒色のバーに白色のマークといった欠陥
- さなざまなバーやスペースの異なる幅の正確な印刷
バーコード印刷の品質を数値化するための試験規格が用意されています。ISO規格では、バーコードに0から4.0までの品質グレードが付与されています。最高グレードのバーコードが4.0、1.5は一般的に許容範囲の下限、0は使用不可です。1Dおよび2Dの印刷品質とシンボル規格の例として、以下のものがあります。
- ISO/IEC 15416、1D印刷品質規格
- ISO/IEC 15415、2D印刷品質規格
- ISO/IEC 15434、シンボルのデータフォーマット規則
- ISO/IEC 16022、国際シンボル仕様
- ISO/IEC 29158:2020、ダイレクトパーツマーク品質ガイドライン
- AIAG B-4 部品の識別と追跡
- 臨床・検査標準協会、AUTO2-A2 検体容器識別のためのバーコード
- 電子工業会、CEA-706 コンポーネントマーキング
- 米国国防総省、IUID MIL-STD-130 恒久的かつ固有の品目識別子
バーコード読み取りにおける難点
使用するバーコードのスタイルや初期のグレードに関係なく、読み取りの問題が発生することがあります。高品質のインクを使用して正確に印刷しても、過酷な環境や取り扱いミスにより、バーコードの経時劣化が発生する可能性があります(図2)。
図2:一部のバーコードリーダでデコード可能な破損バーコードの例。(画像提供:Omron)
バーコードの鮮明度が低いだけでなく、照明の変化で読み取りが困難になることもあります。このような問題に対処する場合、OmronのX-Modeのような高度なデコーディングアルゴリズムを備えたリーダを使用すると、複数のスキャンラインから不連続なシンボルデータを再構築して、情報を取り出すことができるようになります。
信頼性の高いバーコードリーダ
OmronのモデルV430-F000L12M-SRXは、X-Modeデコーディングアルゴリズムを搭載しています。また、オートフォーカス(75~1200mm)、1.2MPイメージセンサ、23~417mmの広い視野角(FoV)、赤色LED照明を備えています(図3)。LEDの代替構成も用意されています。
図3:V430-F000L12M-SRXバーコードリーダは、X-Modeアルゴリズムを採用し、広角FoVレンズ、赤色LED照明、1.2MPセンサを搭載しています。(画像提供:Omron)
難易度の低いアプリケーションには、OmronのV430-F000W12M-SRPなど、X-Modeアルゴリズムを採用していないリーダを選択することができます。他のモデルは0.3~5MPのセンサを搭載しており、いずれも本体内の結露を抑えるために前面二重窓構造になっています。モデルに応じて、Ethernet/IP、Ethernet TCP/IP、PROFINETなどの接続オプションがあります。
まとめ
正しいバーコード形式を選択することは、規制要求、規格要件、製品リコールなどの法的必要性を満たす堅牢なトレーサビリティソリューションを導入するための第一歩に過ぎません。バーコードの読み取りが困難になる要因は数多くあるため、特定の動作条件に最適化された高性能なバーコードリーダが必要です。
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