貴社のエレクトロニクスエンジニアに贈るホリデーギフトをすばらしくするためのヒント
エレクトロニクスエンジニアは、ガジェットが大好きです。しかし、費用対効果を考え、仕事をするために最低限必要なツールだけを購入している私のようエレクトロニクスエンジニアも貴社にはおられるのではないでしょうか。しかし、どうしても必要な物と、製作を行いやすくするために揃えられれば理想的となる物をどうやって見分ければいいのでしょうか。本稿では、貴社のエレクトロニクスエンジニアにぴったりの贈り物を見つけるのに役立つかもしれないヒントをいくつかご紹介します。
専用のツールで試作が簡単に
エレクトロニクスの設計に熱心なエンジニアなら、作業するラボには数台のマルチメータがあるはずです。私自身は5台持っています(なぜそんなに持っているかは別のブログで説明します)。マルチメータはその名の通り、電圧(V)、電流(量)(I)、抵抗(R)、容量(C)、場合によっては温度(T)など、多くの電子特性を測定できる機器です。
ほとんどのマルチメータは電圧と電流に関しては極めて正確ですが、容量と抵抗の測定では精度に欠け、分解能が低くなる嫌いがあります。インダクタンス(L)は、一般的にはマルチメータにない測定対象特性です。LCRメータは、一般的なマルチメータを超える精度でインダクタンス、容量、抵抗を測定することができます。また、B&K Precisionのモデル878Bのようなメータは、様々な周波数の成分を測定する機能を備えていますが、これもほとんどのマルチメータにはないものです(図1)。優れたLCRメータは、貴社のエンジニアにとって、使い始めると、なしでは生きていけなくなるツールとなるはずです。
図1:878Bは、様々な周波数のインダクタンス、抵抗、容量を正確に測定します。(画像提供:B&K Precision Corporation)
設計中、試作中、あるいは故障した製品のトラブルシューティング中に、私は部品箱から各種の抵抗やコンデンサを探し出すのにかなりの時間を費やしたものです。現在では、REED Instrumentsのディケードボックス(抵抗版のR5408や、容量版のR5406など(図2))のおかげで、いくつかのスイッチを切り替えるだけで、標準値の抵抗や容量を持つ回路をテストできるようになりました。この機能は、テスト対象の回路の抵抗や容量に必要な値をダイヤル操作で素早く設定できるので、非常に便利です。
このREEDのディケードボックスは、抵抗や容量を回路から切り離すための接地端子も備えており、安全面でも優れています。
図2:ディケード抵抗ボックスR5408(左)とディケード容量ボックスR5406(右)は、標準値の抵抗と容量をダイヤル操作で簡単に設定することができます。(画像提供:REED Instruments)
必需品の拡大鏡
私も年齢を重ねただけでなく手がける部品が小さくなったため、作業の拡大が必要になってきました。私は1ミリ未満の部品を扱うことが多いので、ラボに入るたびに、すぐにヘッドバンド型拡大鏡(例:図3のAven Tools製OPTIVISOR)を取ろうと手を伸ばすようになりました。倍率が複数あるほか、手元の作業を照らすのに便利な照明付きバージョンもあります。もし、貴社のエンジニアが40歳を超えているのであれば(私の場合は、40歳をかなり超えています!)、視力が蘇ったことに感謝してくれるでしょう。
図3:ヘッドバンド型拡大鏡OPTIVISOR 2-1/2Xは、扱う部品が小さくなるとともに目も老化してきた場合の必需品です。(画像提供:Aven Tools)
こうした1ミリ未満の部品でピンのはんだ接合部をトラブルシューティングするには、Aven ToolsのSPZV50-209-550-PCL(図4)のような双眼(あるいは三眼)顕微鏡を使ってさらに拡大を行う必要があります。顕微鏡がなければ、私は自分が作る製品や試作品を決してトラブルシューティングできないでしょう。
図4:リングライト付き関節型三眼顕微鏡SPZV50-209-550-PCLは、部品を立体的に見ることができるだけでなく、カメラ用の第3の覗き窓が付いており、近くのディスプレイで製作対象を見たり、写真を撮ったりすることができます。(画像提供:Aven Tools)
双眼顕微鏡は部品を立体的に見ることができ、三眼顕微鏡はデジタルカメラ用の第3の覗き窓が追加されており、コンピュータで製作対象を見ることができます。これらのツールは、今日の微細な部品をトラブルシューティングしようとするエンジニアにとって必要不可欠なものです。
私の経験では、関節型アームの機能が非常に役立つことが分かっています。これにより、製作対象を私の活動範囲に移動することで部品を押しつぶしてしまう危険を冒すのではなく、むしろ私の活動範囲を製作対象に移すことが可能です。顕微鏡を購入する場合は、見ようとする製造対象を照らすリングライトを必ず用意してください。これは非常に重要です。顕微鏡を提供してあげることで、貴社のエンジニアが喜ぶ顔を見ることができるでしょう。
微細な部品を動かすにはピンセットが最適
最後にもうひとつ、ヒントをご紹介します。前述の拡大ツールによって表示の問題は解決されますが、プリント回路基板(PCボード)上であちこちにこれらすべての1mm未満の部品を動かすのは依然として大変な作業です。このようなときに、Aven Toolsの18800BTK Blutekセットのような優れたピンセットのセットが非常に役立ちます(図5)。先端のサイズと角度のバリエーションが豊富なので、ほぼすべてのシーンで活躍します。
図5:Blutekのピンセットのセット18800BTKは、先端のサイズと角度のバリエーションが豊富なので、基板上で1ミリ未満の部品を動かすのに便利です。(画像提供:Aven Tools)
まとめ
貴社のエレクトロニクスエンジニアが私のようなエンジニアであれば、ラボに必要最低限のツールは揃えているでしょうが、設計やトラブルシューティングをより簡単にするためのツールはなかなか揃えようとしていないのではないでしょうか。紹介したツールをプレゼントしてあげて、「もっと前に手に入れておけばよかった!」と是非、思わせてあげてください。
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