DigiKeyとNI、エンジニアリングの向上に貢献

ほとんどの電気/電子技術者は、新しいプロジェクトの部品を購入する際、それが単一のプロトタイプ用であれ、後の生産用であれ、DigiKeyを最初に利用する会社の1つとして知っています。プロジェクトがどの段階にあるかにかかわらず、DigiKeyを頼りにできるという感覚が常にあります。

同様に、エンジニアや企業は、National Instruments(現在のNI)が常に最先端の設計をサポートしていることを知っています。創業以来、NIはデータ収集およびテスト/計測技術の最先端を走ってきました。NIは、自動テスト装置(ATE)と仮想計装ソフトウェアの製造において、瞬く間に世界のリーダーとなりました。一般的なアプリケーションには、データ収集、計測器制御、マシンビジョンなどがあります。自動車、航空宇宙/防衛、産業機械、半導体製造、医療機器などの多様な産業が、NIのソフトウェア接続アプローチを利用して成功を収めています。

今日、NIはソフトウェア無線(SDR)、5G、「ビッグアナログデータ」などの分野で革新的な存在です。実際、NIは、エンジニアが故障を発見して設計を改善するのに役立つ膨大な量の取得データを管理してきた歴史から、「ビッグアナログデータ」という言葉を造語したと言えるでしょう。

これらはすべて、DigiKeyが扱うメーカーにNIが加わったというエキサイティングなニュースの前置きにすぎません。DigiKeyは、NIのテスト/計測ソリューション、ならびにケーブルアセンブリコネクタおよび相互接続製品のディストリビュータとなりました。

DigiKeyとNI、エンジニアリングで希望を実現

これがエキサイティングな理由は、両社がエンジニアリングとエンジニアに焦点を当てており、どちらか一方を当たり前と思ったり、エンジニアの行動が人々の生活を変えることを忘れたりしないからです。たとえば、DigiKeyは、COVID-19パンデミックの初期に、ミネソタ大学と協力して、患者の呼吸を助けるために迅速にかつ低コストで製造できるシンプルで基本的な人工呼吸器を迅速に設計して利用できるようにしました

NIは、エンジニアリングの力と個人的な現実の両方を強調し、Washington Post Brand Studio(WP BrandStudio)と協力して「希望を叶えるエンジニアリング(Engineering Hope)」という名前で一連のストーリーを語っています。特に心に響くストーリーの1つは、NIのエンジニアであるDavid Yi氏とNIの顧客企業の1つであるBerlin Heartに焦点を当てています。このストーリーには、研究開発部門のOliver Peters氏とテスト部門のMatti Elsner氏というBerlin Heartの2人のエンジニアも関わっています。 

DavidがNIに入社したとき、彼が最初にサポートした顧客の1つがBerlin Heartでした。その時は、David、Oliver、Mattiの3人には、彼らがやっている仕事が彼らの人生に劇的な影響を与えるとは思いもしませんでした。

2014年、Davidと妻の間に女児のElenaちゃんが誕生しました(図1)。生後わずか5か月のElenaちゃんが突然倒れてしまうまでは、何もかもが正常に見えました。両親は救急隊員が到着して彼女を地元の病院に搬送するまで心肺蘇生をしなければなりませんでした。地元の病院からElenaちゃんはベルリンの心臓センターに飛行機で搬送されました。

図1:Elenaちゃんは2014年に世界に迎えられましたが、わずか5か月後に重篤な心臓病と診断され、自力で回復する見込みはほとんどありませんでした。(画像提供:NI)

Elenaちゃんは重篤な心臓病を患っており、自力で回復する見込みはほとんどないことが判明しました。Elenaちゃんの心臓が発達するまで長く延命させるには、心臓に直接接続された外部装置を使用する必要がありました。使用されたシステムは、Berlin HeartのEXCOR Pediatricと呼ばれるものでした。これはOliver Peters氏によって設計され、Matti Elsner氏によってテストされました。

次世代への希望(Hope for the Next Generation)というビデオの中でDavidが言っているように、愛する人の命を維持できるものが機械だけならば、その機械ができる限り誤作動を起こさないようにしておきたいでしょう。彼は個人的な経験を通じて、EXCORと同じくらい重要なデバイスの品質と信頼性が極めて大切であることを学びました。このことは、彼の日々の仕事に違った視点を与えてくれたのです。

最初のNI製品

Davidのストーリーは注目に値しますが、このような話はしばしば繰り返されています。病院のベッドの横や航空機の中で、自分が設計に携わったものに気付いたエンジニアは何人いるでしょうか。きっと多いことでしょう。特に、NIのように品質と信頼性の高さで知られている会社であればなおさらです。

DigiKeyの最初のNI製品は、その信頼性と品質を証明しています。たとえば、779640-01 USB-6525データ収集カードモジュールは、小型でポータブルなデジタルI/Oデバイスです(図2)。このモジュールは、8つのチャンネル間光絶縁入力(±60V DC)、8つのチャンネル間光絶縁ソリッドステートリレー出力(60V DC/30Vrmsmax)、32ビットイベントカウンタ、フルスピードUSB 12メガビット/秒(Mbit/s)バスインターフェース、および組み込みの取り外し可能なコネクタを備えており、簡単に接続することができます。

図2:NIの779640-01 USB-6525データ収集モジュールは、8つのチャンネル間光絶縁入力と8つのチャンネル間光絶縁ソリッドステートリレー出力を備えています。(画像提供:NI)

同様に、NIの汎用インターフェースバス(GPIB)と通信製品には、PCleカードでアナライザとIEEE-488コントローラのユニークな組み合わせを提供する780936-01 PCIe-GPIB+計測器制御デバイスのようなモジュールがあります(図3)。

図3:NIの780936-01 PCIe-GPIB+計測器制御デバイスは、PCleカードでアナライザとIEEE-488コントローラのユニークな組み合わせを提供します。(画像提供:NI)

コンピュータのPCIeスロットに接続することで、このデバイスは、GPIBを介して簡単に計測器をシステムに統合することができ、ユーザーはGPIB関連のソフトウェアとハードウェアの問題をトラブルシューティングすることができます。

まとめ

DigiKeyとNIは、品質と信頼性に関する共通の価値観を持ち、エンジニアの成功を支援する役割についての考え方も共有しています。David Yi氏、Oliver Peters氏、Matti Elsner氏が証明しているように、これらの属性は、人命を救うミッションクリティカルなシステムや安全性が重視されるシステムにとって重要です。これらのシステムを設計するエンジニアにとって、NIは高品質で信頼性の高い接続テスト製品とシステムを提供することで知られています。DigiKeyは、ディストリビュータとしてNIをサポートできることを誇りに思っています。両社が協力していくことを楽しみにしています。

著者について

Image of Max Maxfield

Clive "Max" Maxfield received his BSc in Control Engineering in 1980 from Sheffield Hallam University, England and began his career as a designer of central processing units (CPUs) for mainframe computers. Over the years, Max has designed everything from silicon chips to circuit boards and from brainwave amplifiers to steampunk Prognostication Engines (don't ask). He has also been at the forefront of Electronic Design Automation (EDA) for more than 30 years.

Max is the author and/or co-author of a number of books, including Designus Maximus Unleashed (banned in Alabama), Bebop to the Boolean Boogie (An Unconventional Guide to Electronics), EDA: Where Electronics Begins, FPGAs: Instant Access, and How Computers Do Math. Check out his “Max’s Cool Beans” blog at www.CliveMaxfield.com

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