NTC/PTCサーミスタの基礎
サーミスタとは何でしょうか?サーミスタという呼称を分解してみると、それが何か、その機能は何かがよく分かります。サーミスタは、サーマルとレジスタ(thermal resistor)が組み合わされた名称です。サーミスタは小型の電子デバイスで、温度(周囲温度を含む)の変化に反応してその抵抗値が変わります。
どのような仕組みで動作するのでしょう?サーミスタには主にNTCとPTCの2種類があります。それぞれ異なる材料で作られており、温度への反応の仕方も異なります。
NTC(負温度係数)サーミスタでは、温度が上昇すると抵抗値が下がります。電子回路に対して適切な定格を持つサーミスタを選択すれば、インライン突入電流リミッタとして使用するのに最適です。抵抗値が高い状態にあるサーミスタに突入電流が流入すると、サーミスタの温度が急上昇し、突入電流の急上昇後にサーミスタの抵抗値が、電力損失を低減させる値まで下がります。通常の回路電流がサーミスタを流れる間に、サーミスタは電力損失を低減させたままにするのに十分な高さの温度レベルに留まります。このためサーミスタは、電力損失が低減しない固定抵抗よりも理想的といえます。NTCサーミスタは、電子回路内の温度検出デバイスとしても使用されます。
PTC(正温度係数)サーミスタの場合、温度が上昇すると抵抗値が上がります。一般に、PTCサーミスタはインラインのリセッタブルヒューズとして使用されます。キュリー温度またはスイッチング温度を超えると抵抗値が急上昇する特性を持つPTCサーミスタは、過電流保護に使用するのに理想的です。キュリー温度またはスイッチング温度に達するまでは、温度の上昇とともに抵抗値が下がるNTCサーミスタと同様に機能するのも、PTCサーミスタ固有の特性です。
サーミスタを選ぶ前に知っておくべき点には、全体的な抵抗定格(通常は室温として25°Cで測定)、どの温度でどの抵抗値まで上昇させる必要があるか、またはどの程度の速度でどの抵抗値まで上昇させる必要があるか、その他、動作温度、抵抗許容差(精度)など各種の情報があります。これらの情報の多くは、メーカーの部品仕様に含まれるデータシートや温度係数を示すグラフに示されています。
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