サーミスタを使用して正確に温度を検出する方法
DigiKeyの北米担当編集者の提供
2020-04-21
温度は最も幅広く測定される物理的変数であり、サーミスタはその測定に使用する最も一般的なセンサの1つです。サーミスタ(「サーマル」および「レジスタ」という語を組み合わせたもの)は、多くの異なる材料で製造されます。サーミスタの基本的な物理原則は簡単です。つまり、抵抗はある程度予測可能および再現可能な関係において温度とともに変化します。さらに、サーミスタは電気的には抵抗器と似ているため、一見測定が簡単なように思える場合があります。適切な回路インターフェースは、非常に簡単なトポロジのみを必要とします。
ただし、サーミスタを使用して、一貫性と正確さを維持しながら温度を測定することには、電圧または電流源駆動、単一および複数点較正、範囲とスパン、異なるサーミスタ材料の影響に関連した決定のマトリクスが関係します。この記事では、サーミスタの問題、ソリューションの選択肢、およびトレードオフについて説明します。Murata Electronicsのサンプルデバイスを利用して、動作原理、サンプル仕様およびそのアプリケーションを説明します。この記事では、Texas Instrumentsの新しいサーミスタファミリがどのようにサーミスタの短所に対処するかについても紹介します。
豊富な測定の選択肢
設計者には、サーミスタ、抵抗温度検出器(RTD)、ソリッドステート電流源、および熱電対など、多くの接触温度センサの選択肢があります。各温度センサには、温度範囲、直線性、精度、感度、消費電力、外部回路、インターフェースおよびコストなどの主なパラメータにわたる異なる属性の組み合わせがあります(表1)。これらのパラメータをめぐっては、センサごとに相対的な長所と短所があるため、「理想的な」温度センサというものは存在しません。
表1:接触温度センサの4つの最も一般的なタイプに関するこの比較は、それぞれの相対的な属性を示しています。サーミスタは感度が最も良く、直線性は乏しいですが、通常、相対的にシンプルな外部回路を必要とします。(表提供:DigiKey)
サーミスタは直線性がやや劣っており、多くの場合はユニットごとの較正が必要ですが、非常に幅広く使用されている温度センサです。電気的にはシンプルかつ基本的な2端子抵抗器に似ており、測定される抵抗は検出温度の単調関数です。サーミスタはその一般性により、ワイヤリードや面実装技術(SMT)などの多くのグレードおよびパッケージタイプで利用可能です。
サーミスタの特性とパラメータ
他のセンサと同様、サーミスタを選択または使用する際に、設計者が考慮する必要のある最上階層パラメータがあります。これらのパラメータの一部は非直感的か、従来のセンサの視点では相いれないように見えるかもしれませんが、適切に扱うことで細部まで管理できます。
サーミスタは2つの基本タイプで提供されます(図1)。1つ目のタイプは、通常は多結晶セラミックス製で、温度に応じて抵抗が減少する負温度係数(NTC)があります。2つ目のタイプは、正温度係数(PTC)サーミスタと呼ばれ、通常は半導体材料で製造されています。PTCには、その名が示すように、正温度係数があります。PTCおよびNTCデバイスの曲線は、相補的な「鏡像」ではないことに注意してください。つまり、それぞれに明確な曲率があります。
図1:NTCおよびPTCサーミスタには、正反対および非相補的な抵抗対温度曲線があり、どちらも非常に非線形です。左側の目盛は、相対的抵抗であり、絶対的抵抗ではないことに注意してください。(画像提供:Ametherm, Inc.)
明白な疑問点の1つは、特定のアプリケーションでPTCとNTCサーミスタのどちらを使用するかということです。その選択は、個別デバイスの仕様をアプリケーション要件に一致させることほど重要ではない場合もあります。一般的に、NTCデバイスのほうが高精度測定に向いています。対照的に、PTCサーミスタは、キュリー点と呼ばれる特定の温度で始まる抵抗の急速かつ明白な上昇により、一般的には電流制限またはスイッチングアプリケーションに使用されます。ただし、PTCデバイスの新しいクラスは、PTCデバイスの適用性を拡大しています。この点は後ほど詳しく取り上げます。
PTCおよびNTCデバイス間の選択が重要になるもう一つの状況があります。可変セットポイントを維持するためにサーミスタがアナログ閉ループフィードバック構成で直接使用されている場合、抵抗変化対温度の傾きは重要で、これは制御ループ構成の関数になります。
たとえば、サーミスタが、加熱エレメントへの電流を制御することにより温度セットポイントを維持するのに使用されるループの一部である場合、その抵抗は温度の上昇とともに増加して、ヒータへの電流の流れを抑制します。したがって、PTCサーミスタが適切な選択肢になります。もちろん、NTCデバイスが他の理由で好まれる場合、反転バッファとして構成されたオペアンプにより見掛けの傾きを反転させることができます。
歴史メモ:Hewlett-Packardの最初の民生用製品として1942年に特許取得された以前のModel 200Aオーディオ発振器は、負帰還ループで白熱電球フィラメントの大型PTCを使用して、アンプ出力振幅を安定化させていました。正式な意味ではサーミスタではありませんでしたが、このフィラメントはサーミスタのように機能しました。当時、この自己修正回路トポロジは大きなイノベーションでした。
主なサーミスタの性能パラメータには以下が含まれます:
• 25°Cでの公称抵抗値。最初に、サーミスタはベンダー選択ガイド上にあるその温度での公称値により分類されます。それらは、特定の構成を変化させることにより、その温度で多くの異なる抵抗値を使用して製造できます。サーミスタは、10オーム(Ω)~1メガオーム(MΩ)の公称値で入手可能です。ほとんどのアプリケーションでは、25°Cで定格が100Ω~10キロオーム(kΩ)のサーミスタを使用します。
• 温度係数のより詳細な説明としての感度。このパラメータは定数ではなく、温度自体の関数、およびサーミスタの構成物です。それを詳細に定義することはデータシート上の主な要素です。これも、範囲全体にわたって一定またはほぼ一定の温度係数(tempco)値を使用する他のセンサとは対照的に、サーミスタの選択と効果的な使用をより困難にしている要素の1つです。
低い感度の値は、温度測定の精度に影響を与える可能性があります。一般的に、抵抗の急激な非線形減少により、NTCサーミスタの感度は低温で非常に高くなります。しかし、高温ではその感度が大幅に低下します。これにより、高い抵抗許容差と組み合わせると、不正確な温度の読み取り値になる場合があります。ただし、サーミスタが広い範囲にわたって測定している場合、高感度はアナログフロントエンド(AFE)および関連のA/Dコンバータ(ADC)のオーバーレンジおよび飽和にもつながります。したがって、感度と範囲の間で管理する必要があるトレードオフというものがあります。
温度係数アルファ(αまたはA)は、特定の時点における抵抗(R)対温度の曲線の傾きとして定義され、式1を使用して計算されます。
式1
ここで、αは°Cあたりの%で表されます。
ただし、アルファ自体は定数ではなく、サーミスタが曲線上のどこにあるかを示す関数です。これをうまく特性化するため、業界は別の定数係数ベータ(βまたはB)を定義しました。これは、使用される材料の感度インデックスまたは定数と呼ばれます。定義されたサブレンジにおける温度の関数としてのRの概算を得るために、式2が使用されます。
式2
抵抗対温度の曲線をより正確にするためにβが使用されます。また、「3380 25/50」などの仕様は、25°C~50°Cの温度範囲における3380のβ定数を示しています。
• 他のパラメータとして熱時定数(TTC)があります。これは、サーミスタ値が以前の温度と新しい温度の差の63%に達するまでにかかる時間です。また、サーミスタを通過する電流による回避不可能な自己発熱に関連した熱放散定数(TDC)もあります。TDCはサーミスタ温度を1°C上昇させるのに必要な電力量で、mW/°Cで指定されます。一般的に、消費電力はできるだけ低く抑えて、自己発熱とその後の誤差を防ぐ必要があります。
たとえば、MurataのNCP15XH103J03RCは、0805、0603、および0402パッケージで使用可能なチップスケールSMTサーミスタで、わずか1.0 × 0.5mmという最小寸法を備えています。重要なβパラメータは各サイズにおいて同じ値です。表2には、この10kΩ/25°Cデバイスの主なパラメータがまとめられており、異なる範囲でのβが示されています。また、図2の関連チャートでは、この情報を温度と対比しています。
表2:MurataのNCP15XH103J03RCなどのサーミスタを評価する際の最も重要な仕様には、25°Cでの公称抵抗値、許容差、および主要な温度でのB値が含まれます。(表提供:Murata Electronics)
図2:このグラフは、MurataのNCP15XH103J03RCにおけるβ (B)、温度、およびR/R25係数の関連性を-20°C~+120°Cの範囲で示しています。(画像提供:Murata Electronics)
サーミスタの場合は、ほとんどのコンポーネントと同様に、当初どれほどシンプルに見えても、または端子がどれほど少なくても、他の多くの考慮すべき1次、2次、および3次レベルの仕様があることに注意してください。サーミスタにとって、これらの多くはさまざまな仕様の初期許容差およびそれらの仕様の温度係数と関連しています。
サーミスタの駆動と検出
サーミスタは抵抗ベースのセンサであるため、サーミスタを駆動したり、その抵抗を検出したりすることは原理上非常に簡単です。熱電対などの電圧ソーシング温度センサとは異なり、サーミスタにはその抵抗を測定するための適度な電圧または電流励起が必要です。最もシンプルなアプローチは、基本的な定電圧源や分圧器回路を使用することです(図3)。式3を使用して、出力電圧(VTEMP)を計算できます。
式3
図3:VTEMPに対応するサーミスタ抵抗を測定するために原理上必要となるのは、シンプルな電圧源および抵抗分圧器の配列だけです。(画像提供:Texas Instruments)
もちろん実際には、多くの場合、より良い方法としてレシオメトリックまたはブリッジトポロジを使用して、電源およびバイアス抵抗の変動の効果を最小化します。
抵抗および抵抗の変化を測定する場合に多くの設計で好まれる代替的な配列は、定電流源を使用することです(図4)。ここでは、式4を使用して、VTEMPを計算できます。
式4
図4:電流源は、性能と電圧読み取りの制御が向上したため、しばしば電圧源や分圧器の代わりに使用されます。(画像提供:Texas Instruments)
これにより、サーミスタ全体にわたる電圧の感度に対して優れた直線性とより良い制御が確立されます。
次の問題は、サーミスタ全体にわたって検出される電圧を処理するAFEに関連しています。閾値化およびスイッチドアプリケーションでは、コンパレータを通してルーティングされ、出力を高から低(またはその逆)へ移行できます。
よくあることですが、実際の温度値が必要な場合、状況はより複雑になります。そこで、サーミスタの非線形動作の較正と修正の問題に対処する必要があります。NTCとほとんどのPTCサーミスタの出力は、ある程度予測可能で高度に非線形であり、特定のサーミスタタイプにおける抵抗と温度の関係を定義するベンダー提供の曲線によって特徴付けられます。
設計者には、抵抗を表す電圧読み取り値を正確な温度値に変換するためのいくつかの選択肢があります。
• 設計者は、複数のサーミスタの段階的アレイを使用できます。これにより、各サーミスタが温度範囲全体の小さなゾーンをカバーして、区分線形近似を作成します。さらに、各サーミスタに抵抗器を追加することにより、各サーミスタの直線性がある程度向上しますが、部品コスト、基板スペース、在庫管理、および電源に関して負担が生じます(図5)。
図5:サーミスタを駆動させるために電圧源と電流源のどちらを使用しても、並列抵抗器の追加により直線性が向上しますが、その分コンポーネントBOMおよび電源使用上の負担が生じます。(画像提供:Texas Instruments)
• ソフトウェアで区分線形近似を実装できます。そこでは、全体の範囲が多くのより小さな範囲に分割されます。次に、ソフトウェアは適切な係数が指定されたシンプルな線形式を使用して、各セグメントに対する読み取りを線形化および修正します。このアプローチは、適度なメモリニーズに加えて適度な量のプロセッサリソースと時間も必要とします。
• 抵抗対実温度を列挙するルックアップテーブル(LUT)を構築できます。これは、最小限のプロセッサリソースと時間を使用しますが、ルックアップテーブルの粒度に比例したより多くのメモリを使用します。補間により、適度の計算コストでメモリ要件を低減することができます。
• 最後に、システムは複雑な曲線あてはめ式を使用できます。この式は、最小限のメモリとはいえ、かなりの処理リソースを使用します。
たとえば、NTCサーミスタの読み取りの修正は、式5に示す従来のSteinhart-Hart式(サーミスタのR-T曲線を正確に表す曲線あてはめ式)を使用して実行できます。
式5
ここでのTはケルビン単位の温度、Rは計算された抵抗値、A、B、Cは設計者が決定またはサーミスタベンダーが提供する計算された係数を表します。そのため、「3点較正」と呼ばれています。
上記から、さまざまな修正アプローチに回路と部品、必要なメモリ、処理リソース間のトレードオフが必要なことは明白です。
サーミスタの抵抗範囲の選択
対象となる温度範囲に対して最適な抵抗を備えたサーミスタを選択することは、これらのデバイスを使用する際の課題の1つです。ある意味では、これはシャント抵抗電流検出のために抵抗器をサイジングすることに似ていますが、別の面では非常に異なっています。
その目的は、回路が過負荷なしで許容できる最大の電圧降下になるような抵抗デバイスを選択することです。これにより、ダイナミックレンジ、有効分解能、および信号対ノイズ比(SNR)を最大化します。固定抵抗器を備えた電流シャントでは、電流対電圧の関係が線形であることは明らかです。ただし、より大きな値の抵抗器を使用してこの範囲に対応しても、特定の電流レベルで自己発熱が増加します。これは、電力の浪費を表しており、さらなるセンサの自己発熱も誘発します。
それでも、このシャント抵抗器/サーミスタの類似性には違いもあります。電流検出シャントの場合、抵抗は既知ですが、電流は不明です。サーミスタの場合、状況はその逆です。電流源からの電流または電圧源からの電圧は既知ですが、抵抗は不明な変数です。サーミスタの抵抗は非線形関数であるため、突然かつ劇的に増大する場合があります。これにより、全体の電圧も上昇し、許容値を超える可能性があります。これは、PTCサーミスタがキュリー点温度に近づく場合に特に当てはまります。つまり、サーミスタの配列は、電流検出シャント抵抗器の設計ほど明確に制限されているわけではありません。
許容差と感度ドリフトも要因になります。サーミスタにはさまざまなパラメータの公称値と比較してより大きな許容差があるため、どのようなモデルにも二乗平均平方根(rms)と最悪ケース仕様の両方による分析を含めることにより、性能が回路機能と誤差限界の範囲内にとどまるようにする必要があります。
長年の問題を克服する新しいPTCサーミスタ
サーミスタを使用する場合、設計者は相反する問題を考慮する必要があります。一方では、サーミスタは安価で、シンプルなインターフェース回路を持ち、小型です。これらはすべて配置と応答性にとって有益です。他方では、サーミスタが貴重なデザインインの労力を消費し、ほとんどの設計において十分な読み取りを実現するためにプロセッサリソースが必要になるということから、サーミスタの較正と精度の問題がその使用を妨げる可能性があります。これらの問題を解決するためのアプローチの実行の堅牢性に応じて、誤差は±2˚Cからその2倍の値まで容易に変動します。
この誤差は幅広いアプリケーションで許容できますが、この誤差を許容できないアプリケーションも多くあります。一歩引いて見ると、サーミスタの使用の基本的課題は、高度に非線形の温度感度、固有の許容差、および仕様ドリフトです。多くの場合は、この組み合わせにより、モデリング分析において難しいトレードオフや妥協を余儀なくされます。
TMP6131DYARに代表されるTexas InstrumentsのシリコンベースPTCサーミスタの新しいファミリは、これらの懸念の多くを大幅に最小化します。このファミリは全温度範囲で直線性と一貫した感度を提供するため、サーミスタの適用性を拡大します(図6)。
図6:Texas InstrumentsのシリコンベースのTMP6131DYAR線形PTCサーミスタは、全温度範囲にわたって直線性と一貫した感度を提供します。(画像提供:Texas Instruments)
この±1%、10kΩ(25°C)のサーミスタは、高速応答用の小型サーマルマスを備えた0402および0603パッケージオプションで提供されます。小型サイズにもかかわらず、その低電力動作により自己発熱が最小化されます。TMP6131DYARは-40°C~+125°Cの範囲向けに設計されているため、大多数のアプリケーションに適合します。車載用認定デバイスグレードでも利用可能です。なぜなら、すべてのEV/HEV/ICE車両には検出および監視する必要のある多くの「隠された」温度点があるからです。
また、これらのシリコンベースのリニアサーミスタは、材料組成および一貫した抵抗感度の結果として、さらに安定した抵抗許容差を備えています。たとえば、一般的なNTCサーミスタは、25°Cから離れる場合、その温度においてデータシートに記載されている値よりも抵抗許容差がさらに大きくなります。場合によっては、抵抗許容差は25°Cでの±1%から-40°Cおよび150°Cで±4%以上に増加します。
対照的に、これらのシリコンベースのリニアサーミスタは感度の値がより一貫しているため、温度範囲全体で安定した測定を実現できます。図7では、この特性がTMP6131DYARの非常に直線的なRT曲線により示されています。
図7:他のPTCサーミスタとは大きく異なり、TMP6131DYARの温度対抵抗曲線はほぼ直線的です。(画像提供:Texas Instruments)
このより直線的な動作の付加的な利点として、これらのシリコンベースのサーミスタのさらなる較正において性能強化を実現するために、Steinhart-Hart式の複雑さが不要になります。よりシンプルな4次多項式回帰方程式(図6)を使用して較正を実行できるのです。これにより、処理負荷が大幅に軽減されます。
式6
ここでのTは温度(摂氏)、Rは計算された抵抗値、A(0-4)は提供された多項式係数を表します。
これらのシリコンベースPTCデバイスと比較した従来のNTCサーミスタの相対的な属性が表3に示されています。
表3:比較されているTIシリコンベースPTCサーミスタの属性は、従来のNTCサーミスタに勝る明白な利点を示しています。(表提供:Texas Instruments)
TMP6131DYARの稼働を開始する
サーミスタの回路での接続は比較的簡単ですが、アプリケーションの目標に合わせて性能を微調整するために評価が必要です。このプロセスを加速化するために、Texas Instrumentsは、TTMP6131DYAR用のプロトタイプ評価モジュール(EVM)であるTMP6EVMを提供しています(図8)。詳細なユーザーガイドでは、評価ボードの特性、動作、および使用方法が説明されています。この評価ボードには、マルチラインLCDディスプレイも搭載されているため、セットアップおよび評価モード中にユーザーに対するメッセージを簡単に表示できます。
図8:TMP6131DYARなどのサーミスタ用のTMP6EVM評価モジュールにより、特定の対象アプリケーションでのサーミスタの採用が容易になります。(画像提供:Texas Instruments)
図9ではEVMのブロック図が、EVMの提供内容を明確に示しています。
図9:TMP6EVM評価モジュールのブロック図は、デバイスと対話するためのLCDなどの自己完結型設計を示しています。(画像提供:Texas Instruments)
評価ボードに加えて、TIは完全な抵抗対温度表(R-T表)計算、温度を導き出す他の有用な方法、およびCコード例を提供するダウンロード可能なThermistor Design Toolも用意しています。
結論
サーミスタは、接続の簡単な汎用性の高い温度測定用センサとして幅広く使用されています。ただし、サーミスタ固有の非線形性、許容差およびドリフトにより、設計者はデータシートの注意深い調査、実行可能な範囲の決定、性能および誤差限界のモデリング、較正スキームの実装を要求されます。
しかし、Texas InstrumentsのTMP6131DYARなどのデバイスは、広範に使用される-40°C~+125°Cの範囲でシリコンベースのPTCソリューションを提供し、十分な直線性と厳密な許容差を実現します。これにより、従来のNTCまたはPTCサーミスタの選択と展開に関連した多くの課題を最小化します。
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参照資料:
- Texas Instruments, “Temperature sensing with thermistors”
- Texas Instruments, “Improving temperature measurement accuracy in battery monitoring systems”
- Ametherm, Inc., “NTC Thermistor Beta”
- Ametherm, Inc., “The Secret To Successful Thermistor Beta Calculations”
- AVX/Kyocera, “TPCNTC/PTC Thermistors”
- TDK, “NTC Thermistors: General technical information”
- Bureau International des Poids et Mesures, “Guide on Secondary Thermometry: Thermistor Thermometry”
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