エネルギー効率の高い監視用PTZカメラICを使用した、より安全な世界のための設計方法

著者 Bill Schweber氏

DigiKeyの北米担当編集者の提供

ビデオ監視の利用は拡大し続けており、公共の街路、路地、集会場所に対してスマートな自動監視機能を備えた「スマートシティ」のさまざまな取り組みの一環として、人工知能(AI)の発展によって促進されています。また、オフィス、小売店、集合住宅のロビー、スーパーマーケット、博物館、建設現場、産業環境、倉庫など、閉ざされた場所における安全およびセキュリティ確保のためのビデオ監視の利用も増加しています。このような幅広い利用にAIベースの解析の要件が加わることで、設計者はコストを削減しつつ、システムの効率と性能を向上するために競い合うことになります。

これらの向上には、小型で低電力、高感度かつ高分解能の画像処理ICと、スマートかつ高精度のモーション制御システムの組み合わせが大きく貢献します。このようなアプローチの要素を使用することで、エネルギー効率の高い遠隔ビデオ監視を実現できます。これにより、カメラの視線外にある不明瞭な画像や出来事のために、誰かがエリアや敷地を実際に確認する必要性がさらに排除されます。

しかし、成長中の他のアプリケーション分野と同様に、克服すべきさまざまな技術的課題があります。その多くは、カメラのパン・チルト・ズーム(PTZ)用のエネルギー効率の高い電子サブシステムを使用すれば、直接対処できます。

この記事では、監視におけるPTZの役割に注目し、PTZ機能を制御するためのエネルギー効率の良い高精度・低電力モータおよびモーション制御エレクトロニクスが、ビデオ監視システムの実装にいかに重要であるかを説明します。そして、現在Analog Devices, Inc.の傘下にあるTRINAMIC Motion Control GmbHが提供するモーション制御ICのアプリケーションを紹介し、それらを考察します。また、評価ボードについても説明します。

PTZモーション制御で強化された効率的な監視

セキュリティ設備であれ、プロセス監視であれ、最新のビデオ監視システムは、単にカメラを対象ゾーンのある一定の方向に向けるだけのものではありません。むしろ、誤報を減らし、リソースの最適な展開を保証することで、キャプチャされた画像をAIがより効率的に使用します。また、電動PTZの採用により、カメラが左右にスキャン(パン)、上下に移動(チルト)することで、監視対象エリアを再定義できます(図1)。AIとPTZはいずれも、より効率的で、通常は環境に優しい監視へのアプローチに貢献します。PTZの場合、システム設計に応じて、モーションはカメラアセンブリによって自律的に導かれ、セキュリティシステムで遠隔制御されるか、または手動で操作される場合があります。

左右にパンする監視カメラの画像図1:左右のパン、上下のチルト、イン/アウトのズーム(PTZ)を備えた監視カメラは、静止型の固定カメラよりもはるかに多くの柔軟性を提供します。(画像提供:Aximmetry Technologies Ltd.)

このパン/チルトによるカメラの移動により、広角レンズと広い視野角(FOV)を使用してより大きな範囲を撮影できても、シーンの詳細が犠牲になって曲率の歪みが発生するという、トレードオフのジレンマを克服できます。また、PTZ機能は、1台のカメラで多数の固定カメラの役割を果たすことができるため、セキュリティシステムのコスト削減にもつながります。

カメラの動きは、さまざまな手法で指示できます。多くの場合、PTZ機能を備えた監視カメラは、ユーザーが監視したい位置を指定できる複数のプリセットポジションや、ポジションからポジションへの移動の予定されたシーケンスやタイミングもサポートします。これにより、ユーザー入力を必要とせずに、広域の遠隔監視を実現します。

エレクトロニクスとPTZモータのマッチング

モーション制御はPTZ実装の中核ですが、効果的なPTZシステムの重要な要素は、優れたモータ制御によるスムーズで高精度な追従です。設計者は、ブラシレスDCモータと、より困難でありながらしばしば有利となる高精度のステッピングモータの両方を検討でき、ADIのTrinamic技術とICを使用して必要なスムーズさや精度を実現することができます。

また、低電力で動作することも重要です。高度なPTZ制御機能を搭載した監視カメラの多くは、PoE(Power over Ethernet)対応デバイスとなっています。最新のPoE規格(IEEE 802.3bt-2018)は、Ethernetケーブル1本の接続で最大100Wまで対応します。

PTZシステムの設計者は、モータのタイプを3種類から選択でき、その選択によって使用する制御ICが決まります。選択肢は、従来のブラシ付きDCモータ、ブラシレスDC(BLDC)モータ、およびステッピングモータです(図2)。

3種類の基本的なDCモータの図図2:3種類の基本的なDCモータは、従来のブラシ付きモータ、ブラシレスモータ、ステッピングモータです。(画像提供:Analog Devices)

各モータの仕組みは、機能、性能、管理・制御の必要性においてトレードオフの関係にあります。

ブラシ付きDCモータは、最初に開発されたDCモータで、100年以上にわたって有効活用されてきました。設計はシンプルですが、制御が難しく、高精度の位置決めやストップ&ゴーの操作よりも、オープンエンドの自由動作の状況で効果を発揮します。また、ブラシの摩耗や信頼性に問題があり、許容できない電磁干渉(EMI)が発生する可能性もあります。玩具のような低価格の大衆向けアプリケーションや、医療用輸液ポンプのような一部のハイエンドアプリケーションではまだ使用されていますが、一般的にPTZ設計に有効な選択肢ではありません。

BLDCモータ(電子整流(EC)モータとも呼ばれる)は、位置センサを備えた閉ループ設計に適しており、速度制御にも使用できます(図3)。このモータは、高電力密度を備えつつ、高速・長寿命も実現します。

閉ループ配置で使用されることが多いBLDCモータの図図3:BLDCモータは、位置決め精度と高い速度のために閉ループ配置で使用されることが最も多く、シャフトに取り付けられた位置センサがサーボコントローラに必要なフィードバックを提供します。(画像提供:Analog Devices)

BLDCモータの制御では、モータのステータコイルを励磁する電流のタイミングが高精度である必要があります。性能と精度を高めるために、多くの場合、閉ループフィードバックが使用されます。このため、エンコーダを使用してローターの位置をセンシングしたり、フィールド指向制御(FOC)を実装する設計においてコイル電流をセンシングしたりすることが可能です(FOCについては後述)。

TrinamicのTMC4671-LAマルチフェーズサーボコントローラ/モータドライバは、このタスクに特化したICで、組み込みのBLDCモータ用FOCアルゴリズムがハードワイヤードされています(図4)。

TrinamicのTMC4671-LAサーボコントローラ/モータドライバの図(クリックして拡大)図4:BLDCモータ用に設計されたTrinamicのTMC4671-LAサーボコントローラ/モータドライバには、組み込みのFOCアルゴリズムがハードワイヤードされています。(画像提供:Analog Devices)

このドライバは、永久磁石同期モータ(PMSM)をはじめ、2相ステッピングモータ、DCモータ、ボイスコイルアクチュエータなど、他のタイプのモータにも使用できます。BLDCモータとPMSMの違いとして、BLDCモータが直流(DC)モータであるのに対し、PMSMは交流(AC)モータであることに注意してください。BLDCモータは、物理的な整流子アセンブリを備えていない電子整流DCモータです。対照的に、PMSMは永久磁石を使用して必要な界磁励起を提供するAC同期モータです。

TMC4671-LAは、マイクロコントローラとの通信に基本的なSPIインターフェースまたはUARTインターフェースを使用します。必要な制御機能をすべてハードウェアで実装し、エラー/フォールト状態の監視も行います。また、統合型A/Dコンバータ(ADC)、位置センサインターフェース、位置インターポレータなど、幅広いサーボアプリケーションに対応する完全なコントローラの実現に必要な機能も搭載しています。

これらのアルゴリズムは非常に高度なため、この機能はBLDCモータ制御の課題に対応する上で非常に重要となります。幸いなことに、ICが複雑な仕様に完全に対処しているため、これらの詳細は設計技術者やシステムマイクロコントローラにとって負担になりません(図5)。

リンクされた複数の機能ブロックを搭載して実行するTrinamic TMC4671-LAの図図5:TMC4671-LAは、FOCなどの複雑で高精度なBLDC制御機能に必要なリンクされた複数の機能ブロックを搭載および実行することで、設計者やホストプロセッサをこのタスクから解放します。(画像提供:Analog Devices)

制御ループ周波数は、多くのBLDCコントローラの20kHz周波数より5倍高い100kHzであるため、セトリング時間の短縮、トルク制御コマンドに対する応答性の向上、位置安定性の向上、過電流状態のリスク低減などの重要な利点が得られます。過電流状態は、モータドライバやモータにダメージを与える可能性があります。

ステッピングモータは、BLDCモータの代替となるものです。このモータは、オープンループの位置決めや速度操作に適しており、低速から中速域で高いトルクを提供します(図6)。一般的に、同等の性能を備えたステッピングモータはBLDCモータよりも安価ですが、対処が必要な動作上の課題があります。

ホストからモータドライバへのパスがよりダイレクトになっているステッピングモータコントローラの図(クリックして拡大)図6:ステッピングモータコントローラは、BLDCモータコントローラに比べ、ホストからモータドライバおよびモータへのパスがよりダイレクトになっています。(画像提供:Analog Devices)

ステッピングモータコントローラの信号経路の流れは、一見するとBLDCモータコントローラよりもシンプルに見えます。これはある意味正しいのですが、高精度で効果的なステッピングモータコントローラは、そのモータのニーズを満たすために特定の機能を提供する必要があります。

2相ステッピングモータを対象としてシリアル通信インターフェースを備えた高性能コントローラおよびドライバICであるTMC5130AなどのICは、関連する問題を最小化または排除するよう設計されています(図7)。

高性能なコントローラおよびドライバICであるTrinamic TMC5130Aの図(クリックして拡大)図7:TMC5130Aは、2相ステッピングモータを対象としてシリアル通信インターフェースを備えた高性能コントローラおよびドライバICです。(画像提供:Analog Devices)

このデバイスは、自動ターゲット位置決め用の柔軟なランプジェネレータと、非常に高度なステッピングモータドライバを組み合わせています。また、最大2A(ピーク2.5A)のコイル電流を直接供給できる内部MOSFETを搭載し、フルステップあたり256マイクロステップの分解能を備えています。

しかし、TMC5130Aは基本的なステッピングモータの駆動にとどまらず、このタイプのモータの使用を決定する際に設計者が直面するいくつかの課題にも対処しています。最も顕著で目立つ2つの懸念点は、モータがステップを実行するときに発生する可聴ノイズと、モータ動作の「スムーズさ」です。これらの懸念点は、産業用アプリケーションなどでは問題にならないかもしれませんが、PTZ監視用途では問題となり、逆効果になる可能性もあります。

1つ目の課題に対し、TMC5130Aは、デューティサイクルに基づいて電流を変調する独自の電圧ベースのパルス幅変調(PWM)チョッパであるStealthChopを実装しています(図8)。この機能は低速から中速に最適化され、可聴ノイズを劇的に低減します。

電流駆動を変調するTMC5130AのStealthChop技術の画像図8:TMC5130AのStealthChop技術は、デューティサイクルに基づいて電流駆動を変調し、ステッピングモータの可聴ノイズを大幅に低減します。(画像提供:Analog Devices)

2つ目の課題に対し、TMC5130Aは、独自の電流チョッパ技術であるSpreadCycleを使用します。このサイクル毎で電流ベースの駆動チョッパ方式は、駆動位相の低速減衰を実装し、電気損失とトルクリップルを低減します。モータ電流をヒステリシスベースで目標電流に平均化するため、高速回転時でもモータ電流の正弦波が得られます(図9)。

SpreadCycleのサイクル毎で電流ベースのMOSFETチョッパ方式の図図9:TMC5130AにおけるSpreadCycleのサイクル毎で電流ベースのMOSFETチョッパ方式は、電気損失とトルクリップルを低減します。(画像提供:Analog Devices)

TMC5130Aのその他の独自機能としては、StallGuardモータストール検出とCoolStep動的適応型電流駆動があり、CoolStepはStallGuardを活用します。

StallGuardは、逆起電力(EMF)によるセンサレス負荷検出を行い、1フルステップでモータを停止させることにより、モータドライバとモータを保護することが可能です。さらなる利点として、アプリケーションの要件に合わせて感度を調整することもできます。CoolStepは、StallGuardの逆起電力の読み取り値に基づいて、モータ電流を調整します。低負荷時にはモータ電流を75%削減できるため、省電力と低発熱を実現することが可能です。

TMC5130Aでサポートされているように、単相ではなく2相のステッピングモータを駆動する場合は、同じ機能を多く備えたTMC5072が入手可能です(図10)。これは、独立した2つのコイルを1コイルあたり最大1.1A(ピーク1.5A)の電流で駆動できます。また、2つのドライバを並列接続し、1つのコイルに2.2A(ピーク3A)の電流を供給することも可能です。

TMC5130Aのデュアルドライバ版であるTrinamic TMC5072の図(クリックして拡大)図10:TMC5072は、TMC5130Aのデュアルドライバ版で、独立した2つの出力を並列に使用することができます。(画像提供:Analog Devices)

シナリオを変えるFOC

もうひとつ、モータからの位置フィードバックの問題もあります。ステッピングモータはフィードバックを必要としませんが、多くの場合、高精度の制御を保証するためにフィードバックを追加します。一方、BLDC設計にはフィードバックが必要となります。フィードバックは一般的に、エンコーダ(通常、ホール効果センサや光学式エンコーダに基づく)を使用して実装されますが、更新速度や分解能、システムに加わる処理負荷などによって制限されます。

BLDCモータには、もう1つの制御オプションがあります。フィールド指向制御(FOC)(別名ベクトル制御(VC))は、フィードバックの更新速度や分解能、エンコーダのコストや取り付けの問題などを解決するために考案されました。

簡単に説明すると、FOCは、磁界の向きとモータローターの位置を利用したモータの電流安定化方式です。これは、電気モータのローターに2つの力成分が作用するという「単純な」観察に基づいています。ID(直接)と呼ばれる成分は半径方向に引っ張るだけで、IQ(直交)と呼ばれる成分は接線方向に引っ張ることでトルクを加えます(図11)。

直交する2つの力がローターに作用している図図11:FOCの原理は、ローターにはローター軸の半径方向と接線方向に直交する2つの力が作用している、という観察から生まれました。(画像提供:Analog Devices)

理想的なFOCは、電流の閉ループ制御を提供し、直流電流(ID)を含まない純粋なトルク発生電流(IQ)を実現します。そして、モータが目標のトルク量を提供できるように、駆動電流の強さを調整します。FOCが持つ多くの機能の1つは、有効電力を最大化し、アイドル電力を最小化することです。

FOCは、電気モータを制御するためのエネルギー効率の高いアプローチです。モータの高ダイナミクスや高速回転の条件にうまく対応し、閉ループ制御によって本質的な安全機能が向上します。また、標準的な抵抗ベースの電流センシングを使用して、ステータのコイルを流れる電流の大きさと位相、およびローターの角度を測定します。そして、測定したローターの角度を磁気軸に合わせて調整します。ローターの角度はホールセンサや位置エンコーダを使用して測定されるため、ローターからの磁場の方向は知られています。

しかし、FOCの観察から完全なモータ制御方式に至るまでには、長く、非常に複雑な道のりがあります。FOCには、モータの極ペア数、1回転あたりのエンコーダパルス数、ローターの磁気軸に対するエンコーダの向き、エンコーダのカウント方向などの静的パラメータと、相電流やローターの向きなどの動的パラメータに関する知識が必要となります。

さらに、相電流の閉ループ制御に使用される2つのPIコントローラの比例・積分(P、I)パラメータの調整は、モータの電気パラメータに依存します。これらのパラメータには、抵抗、インダクタンス、モータの逆起電力定数(モータのトルク定数でもある)、電源電圧などがあります。

FOCを適用する際に設計者が直面する課題は、すべてのパラメータにおける自由度の高さです。FOCのフローチャートやソースコードも広く公開されていますが、それを実装するために必要な実際の「出荷可能な」コードは、複雑で高度なものとなります。これには、クラーク変換、パーク変換、逆パーク変換、逆クラーク変換など、複数の座標変換をマトリクス乗算のセットとして定式化し、計算と演算を集中的に繰り返すことが含まれます。FOCのチュートリアルは、定性的なものや式を使用しない簡単なものから高度に数学的なものまで、オンラインで数多く提供されていますが、TMC4671のデータシートはその中間に位置し、一読の価値があります。

ファームウェアでFOCを実装しようとすると、CPUの相当な計算能力とリソースが必要になるため、設計者にはプロセッサの選択に関して制約があります。しかし、TMC4671を使用することで、マイクロプロセッサやローエンドマイクロコントローラから幅広く選択でき、割り込み処理やダイレクトメモリアクセスといった符号化の問題からも解放されます。必要なのは、TMC4671のSPI(またはUART)通信ポートへの接続だけです。これは、プログラミングやソフトウェアの設計が、ターゲットパラメータの初期化と設定にとどまるためです。

ドライバを忘れずに

ステッピングモータ用のTMC5130AやTMC5072などのモータ制御ICには、2A駆動程度のモータゲートドライバ機能が搭載されていますが、BLDCモータ用のTMC4671-LAなどのICには搭載されていません。このような状況では、TMC6100-LA-TハーフブリッジゲートドライバICなどのデバイスがその必要な機能を追加します(図12)。このトリプルハーフブリッジMOSFETゲートドライバは、7 × 7mmのQFNパッケージで提供され、最大1.5Aの駆動電流を供給します。また、最大100Aのコイル電流を処理する外部MOSFETの駆動に適しています。

TrinamicのTMC6100-LA-TハーフブリッジゲートドライバICの図(クリックして拡大)図12:TMC6100-LA-TハーフブリッジゲートドライバICは、最大1.5Aの駆動電流を供給し、最大100Aのコイル電流を供給する外部MOSFETの駆動に適しています。(画像提供:Analog Devices)

TMC6100-LA-Tは、システム内で設定を最適化するために駆動電流のソフトウェア制御機能を備えています。また、短絡検出や過温度閾値などのプログラム可能な安全機能も搭載し、診断用のSPIインターフェースとともに、堅牢で信頼性の高い設計をサポートします。

Trinamicは、市場投入までの時間をさらに短縮し、パラメータの最適化やドライバのチューニングを容易にするために、TMC6100-EVALユニバーサル評価ボードを提供しています(図13)。このユニットは、ハードウェアの便利なハンドリングと、評価のためのユーザーフレンドリーなソフトウェアツールを提供します。このシステムは、ベースボード、複数のテストポイントを備えたコネクタボード、TMC6100-EVALという3つの部品と、TMC4671-EVAL FOCコントローラで構成されています。

TrinamicのTMC6100-EVALユニバーサル評価ボードの画像図13:TMC6100-EVALユニバーサル評価ボードにより、ドライバパラメータの最適化および、モータや負荷の状況に合わせたドライバのチューニングを容易に行うことができます。(画像提供:Analog Devices)

まとめ

監視・セキュリティ用ビデオカメラは、物理的な移動とそれに伴うエネルギー消費を削減するための強力なツールです。多くの場合、それらのカメラはPoEを利用し、モータ駆動のPTZ制御で強化されますが、この制御機能は複雑です。上述したように、TrinamicのICは、効果的なモータ制御に必要なさまざまな機能を統合し、必要に応じてゲートドライバを使用することで、PTZに使用されるブラシレスDCモータやステッピングDCモータのスムーズで高精度な動きと位置決めを実現します。

Trinamicは、アプリケーションのニーズに合わせた効率的で高精度なモータ制御システムの実装を加速させる幅広いソリューションを技術者に提供しています。これらの製品は、ハードウェアの課題に対処し、全体の設計やソフトウェアの複雑さを最小限に抑えます。

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著者について

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Bill Schweber氏

エレクトロニクスエンジニアであるBill Schweber氏はこれまで電子通信システムに関する3冊の書籍を執筆しており、また、発表した技術記事、コラム、製品機能説明の数は数百におよびます。これまで、EE Timesでは複数のトピック固有のサイトを統括するテクニカルウェブサイトマネージャとして、またEDNではエグゼクティブエディターおよびアナログエディターの業務を経験してきました。

Analog Devices, Inc.(アナログおよびミックスドシグナルICの大手ベンダー)ではマーケティングコミュニケーション(広報)を担当し、その職務を通じて、企業の製品、ストーリー、メッセージをメディアに発信する役割と、自らもそれらを受け取るという技術PR業務の両面を経験することになりました。

広報の業務に携わる以前は、高い評価を得ている同社の技術ジャーナルの編集委員を務め、また、製品マーケティングおよびアプリケーションエンジニアチームの一員でした。それ以前は、Instron Corp.において材料試験装置の制御に関するハンズオンのアナログおよび電源回路設計およびシステム統合に従事していました。

同氏はMSEE(マサチューセッツ大学)およびBSEE(コロンビア大学)を取得した登録高級技術者であり、アマチュア無線の上級クラスライセンスを持っています。同氏はまた、MOSFETの基礎、ADC選定およびLED駆動などのさまざまな技術トピックのオンラインコースを主宰しており、またそれらについての書籍を計画および執筆しています。

出版者について

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