7ピンSiC MOSFET

ROHM Semiconductorは、TO-263-7LSMDパッケージで利用できるようになったデバイスにより、同社のディスクリートSiC（シリコンカーバイド）MOSFETのポートフォリオを拡張します。TO-263-7Lパッケージが提供するSiC MOSFETのソース端子へのケルビン接続の利点を以下の図に示します。メインソースインダクタンス（L_S）は、ゲートドライブループとメイン電流パスによって共有されなくなりました。その結果、デバイスの切り替えが速くなり、切り替え損失が減少します。

TO-263-7L SMDパッケージとその寄生インダクタンス

ターンオン時には、ソース端子間の誘導電圧降下により実効ゲート電圧が低下し、di/dt遷移時間が長くなり、ターンオン損失が大きくなるため、3リードデバイスのスイッチング速度が制限されます。ゲートドライバへのケルビンソース接続を備えたSMDパッケージのデバイスでは、この期間が短くなるため、ターンオン損失が減少します。同様に、TO263-7Lパッケージの寄生インダクタンス効果が低減されているため、ターンオフ過渡ではるかに高いdi/dt速度を実現でき、TO-247パッケージよりもターンオフ損失が低くなります。

SiC MOSFETは非常に高いスイッチング速度を実現できるため、パワーエレクトロニクスコンバータのエネルギー損失が大幅に削減されますが、従来のパワー半導体パッケージの制限により、デバイスの潜在能力を常に最大限に活用できるとは限りませんでした。ROHMが提供するこの最新パッケージは、その制限を取り除くことを目的としています。