TRENCHSTOP™ IGBT7

Infineonは、化石燃料による電力から環境に優しい電力への切り替えを容易にするために、可変速度ドライブ用の「TRENCHSTOP™ IGBT7」を開発しました。チップ動作温度を最大+175°Cまで許容することにより、静電損失の低減、電力密度の向上、スイッチングのソフト化などが実現され、電力密度を大幅に向上させることができます。

すべてのスイッチにはドライバが必要であり、正しいドライバがあるかどうかで違いが生まれます。Infineonは、「TRENCHSTOP IGBT7」とともに、ローサイドドライバ、レベルシフトドライバ、絶縁型ドライバなどのゲートドライバIC「EiceDRIVER™」を提供しています。EiceDRIVERファミリは、0.1A～14Aまでの幅広い出力電流の選択肢と、DESAT、ミラークランプ、OCP、シャットダウン、内蔵ブートストラップダイオード、絶縁などの様々な保護機能を提供します。

特長

• TRENCHSTOP IGBT7は、過負荷状態でT_VJOP = +175℃の温度での動作が可能です。これは、大電流と温度が短時間だけ必要となる駆動アプリケーションの一般的な要件と一致します。

• TRENCHSTOP IGBT7は、IGBT4に比べてオン電圧を約20%低減しています。これにより、対象となるアプリケーション、特に中程度のスイッチング周波数で動作する産業用駆動アプリケーションでの損失を大幅に削減することができ、電力密度と耐久寿命の向上につながります。

• TRENCHSTOP IGBT7は、モータの絶縁要求やEMI制限に合わせて高い制御性を発揮し、最終的にコイル絶縁損傷の原因となるアーク放電の発生を防止します。この制御性は、ゲート抵抗（RG）の値の調整によってdV/dtを変化させるデバイスの能力に対応し、デザインインの段階で容易に実現することができます。

• エミッタ制御ダイオードEC7は、前世代のEC4と比較して順方向電圧を100mV低減しています。また、逆回復損失を低減し、スイッチング時のソフトさを向上させることで、インバータのEMI対策にも貢献しています。

• クラス最高のEconoDUAL™ 3モジュールは、従来のIGBT世代と比較して、同じフレームサイズで50%高い出力電流を提供します。高電力密度化により、IGBTモジュールの並列化を回避できるため、インバータの設計が容易になり、コスト削減につながります。

• Easy 1Bと2Bは、前世代のIGBT4とピン互換なので、プラグアンドプレイで交換が可能です。TRENCHSTOP IGBT4をIGBT7に交換した場合、同じ筐体と同じシステム冷却で出力電流は30%増加します。後者は、同じ出力電流で40%削減することができます。また、3つ目の選択肢は、より小型の筐体と11%以上の出力増を組み合わせて、フレームサイズの拡大を実現することです。

• 所定のdV/dt制限での伝導損失が大幅に減少します。さらに、ダイオードの損失が減少し、全体で15%の電力損失の減少につながりました。

• CGEとCGCは、IGBT7がd/dtを完全に制御できるようにし、スイッチング波形を最適化するためにバランスが取られています。CGEは、寄生ターンオン効果を回避するように設計されており、ターンオフ用のゼロ電圧供給が可能です（ユニポーラゲートドライバ電源）。