アナログI/Oシステムのリファレンス設計

ADIのアプリケーションは、Modbusマスターによって制御されるPLC/DCSシステムの開発のデモに焦点を当てており、主要コンポーネントの最新機能の使用方法を例示しています。シングルノードシステムはPLCとも呼ばれることがあり、一方、大規模なシステムはDCSとも呼ばれます。各ノードは、最大16のアナログフィールドデバイス、センサ、またはアクチュエータを、ハイウェイアドレス指定可能なリモートトランスデューサ（HART）互換またはアナログのみで制御でき、システムを拡張することで、最大16の個別ノードを含めることができます。このシステムは、計測器、アナログデータロギング、テストおよび測定など、汎用の高精度アナログデータ集録アプリケーションにも使用できます。

アナログ入力ボード
CN-0414は、4つの完全差動または8つのシングルエンド電圧および4つの電流信号を測定するように設計されています。回路の中心は、AD4111低電力、低ノイズの24ビット、Σ-Δアナログ/デジタルコンバータ（ADC）で、±10Vおよび20mAのアナログフロントエンドが統合されています。電圧入力は、最大±10Vの入力範囲をサポートします。AD4111には、5Vまたは3.3Vの単一電源で動作しながら、±10Vの電圧入力で断線検出を可能にする独自の機能が組み込まれています（以前のソリューションでは通常、±10Vを超える電源が必要でした）。

電流入力は、0A～24Aの入力範囲をサポートします。回路の入力インピーダンスは250Ω（AD4111内部では60Ω）で、すべての入力は絶縁グランドを基準としています。AD5700-1 HART準拠モデムをAD4111と連動させるには、電流入力の250Ω入力インピーダンスが必要です。

回路のアナログフロントエンド、AD4111、およびAD5700-1は、ADuM5411およびADuM3151を介して処理側から絶縁されており、ディスクリートトランスベースのソリューションよりも大幅にスペースを節約できます。CN-0414ボードは、産業用オートメーションシステムでは標準的な9.5V_DC～36V_DC電源から電力供給を受け、これによって顧客はシステムに簡単にレトロフィットできます。

アナログ出力ボード
CN-0418は、ダイナミックパワーコントロールを備えたAD5755-1デジタル/アナログコンバータ（DAC）に基づくクワッドチャネル電圧および電流出力ボードです。この回路は、4A～20Aの電流出力と、単極または双極の電圧出力（±10V）を提供します。このボードにはAD5700-1 HARTモデムも含まれており、HART接続を備えた完全なアナログ出力ソリューションを提供します。外部過渡保護回路も含まれており、これは過酷な産業環境にあるアプリケーションにとって重要です。

電流出力と電圧出力は別々のピンで使用できますが、一度にアクティブになるのは1つだけなので、両方の出力ピンを結合して1つの端子に接続できます。アナログ出力は短絡および開回路保護されています。AD5755-1には、DC/DCブーストコンバータ回路を使用したダイナミック電力制御が統合されており、電流出力モードでの消費電力を削減できます。4つの出力チャネルのそれぞれに対応する4つのCHARTピンがあります。HART信号はこれらのピンに結合でき、対応する出力が有効になっている場合はその出力に表示されます。

RS-485トランシーバボード
CN-0416は、絶縁型および非絶縁型RS-485トランシーバボードであり、複数のシステムまたはノード間で簡単に実装でき、特に長距離でのデータ伝送で効果を発揮します。この回路は、絶縁通信にADM2682E RS-485トランシーバを使用し、非絶縁RS-485通信にLTC2865を使用します。どちらも、全二重または半二重のいずれかの動作に設定でき、伝送ラインをオープンまたはターミネートします。回路にはオンボードのRJ-45ジャックがあり、ノードの物理的な配線を高速化するために一般的なCAT5 Ethernetケーブルを使用できます。終端抵抗は、デフォルトでCAT5ケーブルの特性インピーダンス100Ωに設定されていますが、標準のRS-485ケーブルインピーダンス120Ωをサポートするように構成できます。

ADM2682Eは最大16Mbpsのデータレートが可能で、差動電圧しきい値が調整された真のフェイルセーフレシーバ入力を備えています。iCouplerデータチャネルを使用して5kVの信号絶縁と、isoPower統合DC/DCコンバータを使用して5kVの電源絶縁を提供します。LTC2865は最大20Mbpsのデータレートが可能で、完全なフェイルセーフレシーバ入力を備えています。内部ウィンドウコンパレータは、差動入力電圧しきい値を調整する必要なしに、フェイルセーフ条件を決定します。