電気機械式リレーを使用して現代のインターフェースの問題を解決

システムの統合における課題の1つは、既存のサブシステムと新しいサブシステム、あるいは異なるサブシステムとのインターフェース接続です。両側の入出力特性が標準的で既知の場合、Texas InstrumentsSN74AUP1T57DCKRのようなレベルシフタ/トランスレータICを使用すれば、入出力のデジタル信号レベルの違いに対応でき、簡単に問題を解決できることがあります(図1)。

図1:2つのインターフェースが標準的で明確に定義されている場合、SN74AUP1T57DCKRのようにすぐに入手可能なICを使用すれば、問題を迅速かつ簡単に解決できます。(画像提供:Texas Instruments)

課題は、新旧システム間の相互接続が容易に実装できない多くのシナリオがあることです。多くの場合、インターフェースの片側または両側の特性が不明であったり、定義が不十分であったりするため、標準コンポーネントを使用することは不可能です。

これは、私が2つの異なる状況で直面した問題でした。しかし、200年近い歴史を持つ電気機械式リレー(EMR)の現代版を使用し、それぞれのケースで簡単かつ適切に問題を解決することができました。1835年頃に発明されたEMRは、通常、アメリカの科学者ジョセフ・ヘンリーによる功績とされています。

リレーは、オプトカプラやソリッドステートリレー(SSR)の使用に比べると古臭く感じるかもしれませんが、その「昔ながらの」良さが非常に有益な場合も多くあります。このようなリレーは年間何億台も販売されており、その多くは交換用ですが、一方でかなりの割合が新しい設計に使用されています。

リレーの種類は、2A未満の接点電流用の小信号デバイス、大電流用のパワーリレー、および無線周波数(RF)リレーの3つの一般的なグループに分類されます。RFリレーは通常、メガヘルツからギガヘルツ帯の小信号を扱います。加えて、オーディオリレーや自動テスト機器(ATE)用リードリレーなど、他の製品ファミリもあります。さらに、リレーには、基本的な単極/単投(SPST)バージョンから始まり、複数の接点を備えたユニットまで、多くの接点構成があります。

正直に言うと、私は以下の多くの理由でEMRが大好きです。

  • 頑丈で高い信頼性を備えています。
  • ほぼ完璧なガルバニック(オーミック)絶縁を提供します。
  • 入力と出力の電流/電圧定格はほぼ独立しています。
  • 幅広いコイルと接点の定格で提供されています。
  • 通常、互換性のあるソケットピン配列バージョンがあり、配線やデバッグが簡単になります。
  • 多くの場合、有用であることが実証された、複数のノーマリオープン(NO)/ノーマリクローズ(NC)接点が付属しています。
  • アーマチュアの位置を視覚的に表示し、通電しているかどうかを示します。
  • 開閉時に、とても心地よい「カチッ」という音がします。

つまり、手間がかからず、柔軟で、洗練された問題解決策となります。信頼性に関しては、仕様の範囲内で使用される高品質のリレーは、何百万サイクルも、何十年も使用できます。

私が扱っていた「信号」は、「ドライ接点」と呼ばれることもある接点閉鎖であり、被駆動システムが2本のワイヤ間の基本的な連続接続を確認するものであったため、私の状況は比較的単純でした。私の問題と、単純なリレーがそれぞれをどのように解決したかに目を向けてみましょう。

課題その1:暖房制御システムをアップグレードする

私は、友人が暖房専用のシステム制御を、単純な温度駆動のオン/オフ機能を備えた基本的な仕組みの旧式サーモスタットから、より洗練されたスマートなWi-Fi対応ユニットにアップグレードするのを「ボランティア」で手伝いました。古いサーモスタット制御は、Honeywellの従来型T87Fに似ていました(図2)。T87Fは1960年代初頭に登場し、現在は販売されていませんが、非常に信頼性の高いバイメタルサーマルストリップと気密封止(ハーメチックシール)された水銀スイッチにより、数百万台が設置され、その多くが現在も使用されています。

図2:1960年代に発売され、数百万台設置されたT87F Honeywellサーモスタットの多くは、非常に信頼性の高いバイメタルサーマルストリップと気密封止(ハーメチックシール)された水銀スイッチにより、現在も使用されています。(画像提供:New York Historical Society)

既存のサーモスタットをざっと見たところ、ワイヤが2本しかありませんでした。それで、「これは難しそうだな」と思いました。特に、その出力アクションが単純な接点閉鎖であったからです。しかし、それは杞憂でした。スマートサーモスタットのドキュメントには、2線式から3線式の新しい、はるかにスマートなユニットに変更する際の配線について、可能性のある多くの構成とオプションが示されていました。

まず、新しいサーモスタットは24ボルトAC(VAC)トランス経由で電源を供給する必要があったため、暖房・換気・空調(HVAC)コントローラとサーモスタットの間に余分なリード線が必要でした。幸いなことに、3本目の未使用のリード線がすでに用意されていました(そうしてくださった方、ありがとうございます!)。ですから、その部分は問題ではありませんでした。

システムコントローラのベンダー(この場合はかなり新しいものだった)、暖房のみか暖房+ACか、新しいサーモスタットを既存のコントローラからガルバニック絶縁する方法をどうするかによって、新しい3線式システムを既存の2線式接点閉鎖に接続するためのさまざまな方法が示されていました。

1つのオプションは光アイソレータまたはSSRでしたが、電圧と電流のレベルや、SSR出力にはわずかな電圧降下があるため、「オン」になっているSSR出力が真の接点閉鎖のように見えるかどうかについて、確信が持てませんでした。より簡単で心配の少ない選択肢は、IDECRY2S-UAC24Vのような絶縁用リレーを使用することでした。この汎用の双極双投(DPDT)リレーは、24VACのコイルと3Aの接点を持ち、基本的な変換/絶縁回路を備えています(図3)。明らかに、この状況ではスイッチングスピードは問題ではありませんでした。

図3:最新のスマートサーモスタットと新しいシンプルな2線式暖房システムコントローラをインターフェース接続するという私の問題は、24VACのコイルを持つリレーで解決しました。(画像提供:Bill Schweber氏)

朗報として、一度目ですべてうまくいきました。それに勝るものはありません。

課題その2:セキュリティシステムのダイヤラを固定電話から携帯電話に更新する

私は別の友人から、時代遅れになったホームセキュリティシステムの固定電話ダイヤラを最新のワイヤレスセルラーユニットに交換するのを手伝うように頼まれました。単純な2線式閉鎖が新旧のユニットを作動させたので、私はこれがドロップイン置き換えになることを期待しましたが、そうはなりませんでした。

以前のダイヤラは「開」から「閉」への接点ペアの遷移がトリガとして必要でしたが、新しいダイヤラのマニュアルには、グランドから「開回路」への遷移がトリガとして必要と記載されていました。残念ながら、「開回路」は、「浮動」(真にオープン)という意味なのか、それともオープンコレクタ出力でラインを切断すれば十分なのか、時として曖昧になる用語の1つです。

この課題に加えて、ダイヤラを駆動するアラーム制御ユニットの出力ピンに関するドキュメントは、その電気的性質について不明瞭でした。オープンコレクタ構造であったかもしれないし、そうでなかったかもしれません。したがって、制御ユニットの出力が、少なくともダイヤラの入力ニーズと電気的に互換性がある可能性があるかどうか、確かなことは言えませんでした。

私はそれについてしばらく考え、問題を次のようにまとめました。私が持っていたのは、不明瞭な構造でハイからローに向かう出力で、私が望んでいたのは、それがグランドからオープンに向かうDC信号のように見えることでした。

ここでもEMRの出番となります。この場合、5VDCコイルと1A接点を備えたKEMETUA2-5NU汎用DPDTリレーと同様のものが、これらの問題に対処するための柔軟でリスクのない方法だと思われました。電源レールと制御ユニットのアクティブ出力間にコイルを接続し、NCモードの非通電リレー接点を使用してダイヤラの入力を真のグランドに接続しました(図4)。制御ユニットの出力がロー(プルダウン)になると、コイルに通電し、NCリレー接点を開き、ダイヤラ入力に真の開回路を提供します。

図4:低電圧DCリレーは、アラームシステムトリガの定義が不十分な出力と新しいワイヤレスダイヤラの間の変換と信号の反転を実現しました。(画像提供:Bill Schweber氏)

問題が解決しました!このリレーはレベルシフタと信号インバータとして機能するだけでなく、ガルバニック絶縁をもたらしてくれたのです。

まとめ

これら2つのEMRソリューションは、シンプルながらも洗練された、効果的な問題解決策です。メリットしかないでしょう。教訓は、シンプルさ、機能性、柔軟性を提供することができる実証済みコンポーネントの検討をためらわないことです。私としては、これからもボランティアで手伝い続けるつもりです。予測不可能で、時にはフラストレーションもたまりますが、最終的にはやりがいがあります。

著者について

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エレクトロニクスエンジニアであるBill Schweber氏はこれまで電子通信システムに関する3冊の書籍を執筆しており、また、発表した技術記事、コラム、製品機能説明の数は数百におよびます。これまで、EE Timesでは複数のトピック固有のサイトを統括するテクニカルウェブサイトマネージャとして、またEDNではエグゼクティブエディターおよびアナログエディターの業務を経験してきました。

Analog Devices, Inc.(アナログおよびミックスドシグナルICの大手ベンダー)ではマーケティングコミュニケーション(広報)を担当し、その職務を通じて、企業の製品、ストーリー、メッセージをメディアに発信する役割と、自らもそれらを受け取るという技術PR業務の両面を経験することになりました。

広報の業務に携わる以前は、高い評価を得ている同社の技術ジャーナルの編集委員を務め、また、製品マーケティングおよびアプリケーションエンジニアチームの一員でした。それ以前は、Instron Corp.において材料試験装置の制御に関するハンズオンのアナログおよび電源回路設計およびシステム統合に従事していました。

同氏はMSEE(マサチューセッツ大学)およびBSEE(コロンビア大学)を取得した登録高級技術者であり、アマチュア無線の上級クラスライセンスを持っています。同氏はまた、MOSFETの基礎、ADC選定およびLED駆動などのさまざまな技術トピックのオンラインコースを主宰しており、またそれらについての書籍を計画および執筆しています。

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