TDK-Lambda 3相電源、DINレールアプリケーションに多くの選択肢を提供

DINレール電源は、産業、オートメーション、ビルディングアプリケーションのさまざまなデバイスやシステムに電力を供給するための、小型で信頼性が高く、設置が容易なソリューションを提供します。特定の用途に適したDINレール電源の選択は、軽視すべきではありません。考慮すべき要素は数多くあり、入力電圧や出力電力から効率やワイヤ接続オプションまで多岐にわたります。TDK-Lambdaは、幅広い用途で運用コストの削減と熱性能の向上を実現する、中規模の3相DINレールAC/DC電源シリーズを提供しています。

世界のDINレール電源(1相、2相、3相ユニットを含む)は、2023年に21億ドル、2024年に21億8,000万ドルを占め、10年後までの年平均成長率は4.27%と予測されています。1

業界標準のDINレールに取り付けられるこれらのユニットは、製造、商業ビル、産業オートメーション、プロセス制御、輸送、およびその他の電気アプリケーションの機器や制御システムに不可欠な、多様な制御盤や電気キャビネットに電力を供給します。これは、電気制御システムの構成や配線の複雑さを克服するのに役立ちます。

TDK-LambdaのDRB製品ファミリには、120Wから960Wまでの4つの電力レベル、12Vから72Vまでの出力電圧があります。同じ電圧と電流の電源ユニットを並列接続することで、より大きな電力を供給したり、冗長性を持たせたりすることができ、DINレール上の貴重なスペースを節約するために小型のケースに収められています。

これらの電源は内部発熱が少ないため、電解コンデンサがより低温になり、同社によれば、寿命は通常10年以上であるということです。動作効率、熱設計、冗長過電圧保護対策により、システムの動作可能時間を最大化します。高効率で待機損失が少ないこのデバイスは、製品設計者が環境に優しいエネルギーフットプリントを達成するのに役立ちます。

従来のネジ式端子と、組み立て時間を半分に短縮できるプッシュインコネクタがあります。プッシュインコネクタは、ロボットや自動化された組み立てに適しており、工具を必要としないワイヤの挿入や簡単な取り外しは、現場でのメンテナンスやアップグレードを簡素化します。ワイヤの終端には圧着フェルールが使用されますが、米国では接触抵抗を減らすためにより線が使用されることもあります。

これらの電源ユニットを利用するその他の主な利点は以下の通りです。

  • 熱性能の改善
  • 電気ノイズの低減
  • 最大96.3%の高効率
  • 最大600秒で+50%のブースト電力能力
  • 容量性負荷および誘導性負荷のサポート
  • 回路ブレーカのやっかいなトリップを回避する低エネルギー突入電流
  • リモートオン-オフ機能使用時の2.3W未満の低スタンバイ消費電力

フロントパネルのスライドスイッチで設定することで、同じ電圧と電流のDRB-3モデルを並列接続することができます。負荷電流を電源間で共有することで、電解コンデンサへの熱ストレスが軽減され、現場における寿命が延びます。同社では、DRB-3のラインナップとして、4シリーズ20モデルを提供しています。

省エネ効率

DRB120-3シリーズは低コスト、高信頼性かつ非常に小型な寸法で、最大92%の省エネ効率を兼ね備えています。出力電圧は12Vと24Vから選択可能で、最大電力は120W、最大ピーク電力は144W(2秒間)です。DRB120-24-3-A0(図1、左)は従来のネジ式端子コネクタを備えた24Vモデルで、DRB120-24-3-A1(図1、右)も出力電圧は24Vですが、プッシュインコネクタを備えています。

図1:ネジ式コネクタ(左)とプッシュインコネクタ(右)を備えた24VのDRB120-24-3。(画像提供:TDK-Lambda)

DRB240-3シリーズは240Wモデルで、出力電圧は24Vと48Vから選択でき、最大ピーク電力は288W(300秒間)です。DRB240-24-3-A1のように、プッシュイン端子接続のバージョンもあります(図2)。DRB120-3とDRB240-3のケース寸法は同じで、長さ5.44インチ x 幅5.08インチ x 高さ2.17インチ(138.2mm x 129.0mm x 55.1mm)です。

図2:24VのDRB240-24-3電源のプッシュイン端子コネクタバージョン。(画像提供:TDK-Lambda)

DRB480-3モデルは最大電力480W、最大ピーク電力720W、出力電圧は48Vまたは72Vが選択可能です。これらのモデルのケース寸法は、長さ5.86インチ x 幅2.56インチ × 高さ5.08インチ(148.8mm × 65.1mm × 129.0mm)です。

DRB960-3シリーズ(図3の例)は最高電力モデルです。960Wの連続運転が可能で、最大7秒間1440Wのブーストができます。このシリーズは、24V、48V、72Vの出力電圧から選択でき、ケース寸法は長さ6.27インチ x 幅3.94インチ x 高さ5.08インチ(159.1mm x 100.0mm x 129.0mm)です。

図3:TDK-LambdaのDRB960-24-3-A0は、24 V、960 Wの電源で、ネジ式接続です。(画像提供:TDK-Lambda)

まとめ

中規模の3相入力DINレール電源は、産業用およびプロセス制御用アプリケーションで常に需要があります。TDK-LambdaのDRB120-3、DRB240-3、DRB480-3、DRB960-3シリーズは、4種類の電力レベル、4種類の出力電圧レベル、プッシュインまたは従来型のネジ式端子接続の選択が可能で、さまざまなアプリケーションのニーズに対応します。

1https://www.researchandmarkets.com/report/din-rail-power-supply

著者について

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Pete Bartolikはフリーライターで、20年以上にわたってITとOTの問題や製品について研究し、執筆してきました。それ以前は、IT管理専門誌『Computerworld』のニュース編集者、エンドユーザー向け月刊コンピュータ誌の編集長、日刊紙の記者を務めていました。

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