過酷な産業用および輸送用アプリケーション向けの堅牢なコネクタ

産業、IoT、輸送システムの信頼性と効率は、最も過酷な環境においても、安定した電源供給、信頼性の高い信号伝送、機械的安定性を確保する適切なコネクタの選択にかかっています。

コネクタは、受動部品としてではなく、システム設計の要として捉える必要があります。適切な選択には、サイズ、耐久性、データ伝送能力、環境耐性など、多くの要素が関係します。

重機械のある工場、スマートファームの屋外センサ、振動や温度変化の激しい輸送ハブなどの過酷な環境では、コネクタは堅牢な環境密閉性を備え、機械的ストレスに耐え、故障なく長寿命を実現する必要があります。

自動化された工場ライン、鉄道網、自律配送などの産業および輸送アプリケーションは、過酷な条件下で24時間365日連続稼働しなければならない場合が少なくありません。選択したコネクタが過酷な条件や繰り返しの嵌合サイクルに耐えられるものでなければ、結果的にコストのかかる手直しや早期故障、顧客の不満など、深刻な問題が発生する可能性があります。低品質のコネクタや不適切なコネクタは、断続的な故障、信号の劣化、またはシステム全体の故障を引き起こす可能性があります。

IoTアプリケーションでは、デバイスの小型化と分散化によってさらに複雑さを増し、性能を犠牲にしない小型のコネクタが必要となります。シールドと正確なインピーダンス制御は、特に高速アプリケーションにおいて信号の完全性を確保する上で不可欠です。

進化する製品ラインに対応する柔軟性

さまざまなピン数とフォームファクタをサポートするコネクタファミリは、工場制御システムへのモジュールの追加や、センサを追加したIoTデバイスのアップグレードなど、製品ラインの進化に柔軟に対応します。

Harwinは、ケーブルから基板への柔軟性を備えた堅牢な基板対基板コネクタの幅広い製品ラインアップを提供し、設計者に幅広いアプリケーションに対応する堅牢なオプションを提供します。

1.27mmピッチコネクタのKontrol M55ラインは、混雑したプリント回路基板に省スペースオプションを提供します。これらのコネクタは完全なシュラウド構造で、ブラインド嵌合を可能にし、振動によって引き起こされる横方向やねじれの力から保護します。このコネクタは重力（20G）の20倍の振動力に耐えるように設計されており、最低500回の嵌合動作に対応し、動作温度範囲は-55°C～+125°Cです。

最大3Gb/秒のデータ転送速度をサポートするM55シリーズは、自律走行車両、産業用ロボット、スマートインフラなどの組込みシステムなど、データを即座に処理する必要がある最新の高速アプリケーションに適しています。

M55面実装コネクタは、さまざまな設計レイアウトに対応するため、縦型および横型のPCB実装オプションが用意されています。設計者は、さまざまな信号と電源ニーズに対応するスケーラビリティを提供するさまざまなピン数から選択することができます。

• M55-6002042R縦型ソケットは、10 + 10構成で20コンタクトを備え、メザニンボードのスタッキングに効率的なオプションを提供します（図1）。PCBからの高さが6.25mmと低く、縦方向のスペースが限られている場合に最適です。

図1：Harwin Kontrol M55-6002042Rはメザニンボードのスタッキングに最適です。（画像提供：Harwin）

• M55-7108042R（図2）は、80コンタクト（40＋40）レイアウトの直角面実装ヘッダで、モジュール式またはコプレーナアプリケーションの基板接続に使用できます。

図2：80コンタクトレイアウトの直角面実装M55-7108042R。（画像提供：Harwin）

• M55-8201242の12コンタクト (6 + 6) 2列メス IDC ケーブルコネクタ（図3）は、30 AWGリボンケーブルに対応し、ケーブルアセンブリを事前に作製できます。内蔵ラッチにより、ダイナミックな産業用およびIoT環境で確実な嵌合と信頼性の高い性能を実現します。

図3: M55-8201242 IDCケーブルコネクタは、30AWGリボンケーブルを接続し、ボードコネクタと嵌合するプリメイドケーブルアセンブリを作製します。（画像提供：Harwin）

まとめ

コネクタの選択は、産業用および組込みシステムの機械的弾力性と電気的信頼性を確保する上で基本的な役割を果たします。Harwin Kontrol M55シリーズは、設計の柔軟性と拡張性を提供し、堅牢で将来対応可能な産業用システムおよび組込みシステムを実現します。