モジュールを使用したプロトタイピング
昨今、新しいアプリケーションを開発するにあたって、最初のステップとしてモジュラーを使用することがよくあります。
そしてこれには、少なくとも2つの方法があります。
最初の概念実証に、無はんだブレッドボードとジャンパ線だけを使用するのはかなり一般的です。これによって、アイデアを非常に速くテストすることができます。変更は数秒で済み、はんだごてなどの追加ツールは不要です。スルーホール技術デバイスは、単一コンポーネントとして、または抵抗器、コンデンサ、その他多数の電子部品などの部品キットとして広く利用できます。
図1:無はんだブレッドボードとジャンパ線(922327-ND)(画像提供:Digi-Key Electronics)。
さらに、加速度センサ、ジャイロスコープ、ワイヤレス接続など、さまざまな機能モジュールが幅広く利用できるようになったため、より複雑なプロジェクトに手軽にブレッドボードを使用できるようになりました。
利用できるモジュールがないときにSMDコンポーネントを使用するのは、ブレッドボードではやっかいですが、これらのアダプタを使用すると可能になります。アダプタは、SMDコンポーネントをスルーホールデバイスに変換し、ブレッドボードで使用できるようにします。このようなアダプタは、各種のSOTパッケージからさまざまなSOPおよびQFPパッケージやBGAパッケージまで、幅広い種類のSMDパッケージに対応しています。各種のSMD抵抗やコンデンサ、またマイクロUSBやmicroSDカード用などのさまざまなコネクタで使用できるアダプタもあります。
ブレッドボード設計よりもプロトタイプを堅牢にしたい場合は、穴あき基板(ユニバーサル基板)を適用します。これには、さまざまな形状とサイズがあります。何本かのフックアップワイヤでデバイスを繋ぎ、デバイスとワイヤを基板にはんだ付けするだけで、プロトタイプを実証できます。
他のアプローチとしては、Arduinoシールド、Raspberry Pi HAT、BeagleBone Capeなどの拡張ボードが利用できるので、それを使用することです。これらのプラットフォームの大きな利点は、利用情報があふれているのと、拡張ボード用のさまざまなプロジェクトがリリースされていることです。それでも、これらの標準化された拡張ボードの使用には、いくつか注意すべき事があります。
図2:TQFP/LQFP80~DIPアダプタ(PA0110-ND)
たとえば、Arduinoとクローン機には、明確に定義されたヘッダピン配列と、簡単に区別できる電源用とグランド用のピンがあります。
ただし、I2Cのピンを2次的に使用すると、問題が発生する可能性があります。一部のプロセッサではI2Cがアナログピンの2次機能として、他のプロセッサではデジタルピンの2次機能として使用されます。さらに、一部のArduino機では、5Vではなく3.3Vの異なるロジック電圧レベルが使用されます。また、Arduinoでは、使用されるロジックレベル電圧を識別するためのヘッダピンがあります。
すべてのRaspberry Pi SBC(引退したモデルAとB、計算モジュールを除く)は、互換性のある40ピンヘッダを備えていますが、これは一部のクローン機で問題になる場合があります。通常、一般的な互換性は確保されますが、2次機能が異なる場合があります。
しかし、これは大きな問題ではありません。これが意味することは、シールド、HAT、そして他の拡張ボードが、関連するMCUボードやシングルボードコンピュータと常に100%互換とは限らないということに過ぎません。ですから、使用するモジュール間のピン配置を確認することが重要です。
マッチするセットが選択されている場合は、このようなプロビルド拡張を使用してプロトタイプを構築すると、開発時間を大幅に節約できます。通常は、サンプルソフトウェア、チュートリアル、ビデオが提供され、テクニカルサポートが利用できることも珍しくありません。少なくとも、各種コミュニティからサポートを受けることはできます。
これらのアプローチはすべて、概念実証とプロトタイプ段階を早く済ませ、開発プロセスの他の側面に集中する時間を増やすことで、市場投入までの時間短縮の助けになるでしょう。
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