ProAnt PIFA - 板状逆F型アンテナ

現在の電子機器市場では、無線接続がますます重要な機能になっています。その結果、アンテナを含む無線通信関連コンポーネントの需要が増加しています。

このブログでは、さまざまな無線アプリケーションで使用できるアンテナタイプ、板状逆F型アンテナ(PIFA)に焦点を当てます。PIFAは、逆F型アンテナ(図1)から発展した特殊なモノポールアンテナ(短絡アーム付き)です。PIFA(図2)は、逆F型アンテナの一種であり、単線の代わりに上板を備えています。

典型的な逆F型アンテナ(左)と典型的なPIFAアンテナ(右)(画像提供:ProAnt

パッチアンテナとPIFAは、本質的に狭帯域化されている点で似ています。しかし、寄生グランド素子や切断スロットなど、プレートにさまざまな技術を組み込むことで、PIFAは帯域幅を広げることができます。さらに、これらの技術を用いることで、上板のサイズを変更することができ、アンテナの小型化や必須基板スペースの縮小が可能になります。

図3:PIFAを使用すると、RFモジュールなどのコンポーネントをアンテナ下に取り付けることが可能(画像提供:ProAnt)

トップロードを使用してPIFAのサイズを変更することもできますが、これには代償が伴います。より低い周波数をカバーするには、アンテナの遠端に少量の静電容量を追加すればよいでしょうが、これは放射能力を低下させます。この方法を使用すると、特定のアプリケーションではサイズとパフォーマンスの最適なバランスを実現できます。

アンテナが回路基板の上に平行に配置されている場合、取り付けピンの配置場所が基板上の必須スペースになります。PIFAを使用する大きな利点は、この点にあります。また、グランドやその他の金属部に対するクリアランスも必要ありません。つまりこれは、PCBの両層のアンテナ下に他の部品を取り付けることができることを意味します(図3)。

前述の短絡アームは、アンテナを回路の残りの部分にインピーダンス整合させるように作用します。当然ながらモノポールは容量性なので、アンテナを最適インピーダンス(通常50Ω)に整合させるためにインダクタンスを追加する必要があります。短絡アームは、このインピーダンス整合のインダクタンスを提供します。その結果、インピーダンスを整合させるために必要な受動部品を減らすことができます。部品数が少なくても寄生損失が少なく、これによって放射効率が高くなります。

図4:PIFA放射パターンと偏波の例(画像提供:ProAnt)

アプリケーションにもよりますが、PIFAは、中帯域から高帯域まで偏波が混在する全方向性の放射パターン(図4)を示す傾向があります。またPIFAは、短絡アームを介してPCB GNDプレーンに強固に接続されているため、環境の変化に対して本質的に堅牢です。この結果、他のタイプのアンテナは、最適環境の変化や低下(たとえば、金属の近くで動作する場合)に遭遇すると周波数がドリフトし、放射能力を失う傾向があるのに対して、PIFAは効率的な放射パターンを維持する傾向があります。

まとめ

アンテナは、固定式であれ移動式であれ、さまざまな通信プロトコルと周波数を使用する無数のアプリケーションに必要なデバイスです。安定した無線接続には、アンテナ技術の正しい選択が欠かせません。

特定のアンテナタイプは、通常、放射方向が一定で常に方向がわかっているアプリケーション(たとえば、セラミックパッチアンテナ)に対してのみ良好ですが、PIFAはより大きな柔軟性を提供します。PIFA技術は、混合偏波が非常に多く、全方向の放射パターンを提供します。これは固定アプリケーションにも非常に有用ですが、PIFAは周囲環境に関係なく非常に安定しているので、ウェアラブルデバイスなど、常に変化する環境で使用されるモバイルデバイスに特に有用であることがわかります。

 

リファレンス:

1 - ProAntテクニカルノート2016-08-23 - 板状逆F型アンテナ(PIFA)

著者について

Image of Rich Miron, Digi-Key Electronics

Digi-Key Electronicsのシニアテクニカルコンテンツ開発者であるRich Miron氏は、記事、ブログ、製品トレーニングモジュールの作成と編集に主に責任を持つ技術コンテンツグループに2007年から参加しています。Digi-Keyに加わる前は、原子力潜水艦の計装制御システムをテストし、認定していました。Richはノースダコタ州立大学ファーゴ校の電気電子工学の学位を取得しています。

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