狭いスペースでも用途に制限のないフレキシブルコネクタ

超小型のフレックスコネクタは、ますます小型化するハンドヘルドモバイルデバイス向けのソリューションとして当初設計されました。しかし、これらのソリューションは、サイズと構造という2つの最も基本的な設計上の制約を取り除くことにより、さまざまなアプリケーションや市場にわたってエンジニアにほぼ無制限の柔軟性をもたらしてきました。多くの企業が機能豊富な選択肢、洗練されたプロファイル、および最新のユーザーインターフェースを持つ製品の設計に焦点を合わせる中で、よりフレキシブルなプリントアセンブリとモジュール性向上のニーズが拡大し続けています。

(画像提供:Molex)

家電製品においてプッシュボタンやターンダイヤルからタッチスクリーンへの移行がますます一般的になった結果、より狭いスペースを使ってはるかに多くのデータを送信するようになり、はんだ付けされたワイヤはもはや最善のソリューションではなくなりました。フレキシブルフラットケーブル(FFC)およびフレキシブルプリント基板(FPC)は、さまざまな回路サイズおよびケーブル形式で提供されます。これにより、曲げたり、折り畳んだり、どんな形や太さでも構成できるソリューションを提供できます。高温に耐える機能や内蔵の接触信頼性と組み合わせることにより、これら小型のフレキシブルコネクタは、電子パッケージの設計における最も一般的な制約を取り除きます。

小型部品が果たす大きな役割

FFCおよびFPCコネクタは、組み込み先のアプリケーションに応じて、さまざまな方法で使用されます。ただし、アプリケーションにかかわらず、これらのソリューションは小型のフォームファクタへの接続、より多くのフレックス保持の取得、環境への耐性向上、および高速データレートでの性能向上に焦点を合わせています。従来のコネクタソリューションでは、これらの機能がすべて相互に矛盾していました。

小型のフレックスコネクタはエンジニアリングや設計において新たな可能性を切り開きますが、独自の課題にも直面します。FPC/FFCソリューションによる複雑なモジュール設計を完全に採用した新製品には、しばしば特定数の信号回路およびPCB設計が必要です。DigiKeyは、幅広いコネクタの組み合わせを提供するMolexなどのサプライヤと連携して、設計の柔軟性に加え、アプリケーションにとって最適なソリューションを選択できる機能を提供します。

これらの特殊なコネクタは、しばしば接触信頼性が重要となる過酷な環境のアプリケーションで使用されます。これは、部品が米粒ほどの小ささである場合に挑戦となります。二重接点端子とラッチを備えたコネクタを使用することにより、これらの厳しい環境下で安全な接続を提供できます。加えて、製品密度および性能の向上により、しばしば高温アプリケーションで機能する部品が必要になります。最も細いコネクタでも極端な温度に耐えられるようにすることにより、エンジニアは高性能製品においても自信をもってそれらのコネクタを使用できます。

サプライチェーンの合理化

すべてのFFCおよびFPC相互接続要件において単一のサプライヤと連携することにより、サプライチェーンが簡素化されます。DigiKeyは、さまざまなFFCおよびFPCコネクタの構成、回路、サイズ、および仕様を提供するMolexと連携しています。

小型でフレキシブルなコネクタを製品設計に組み込むことは、サプライチェーンの合理化にも役立ち、アセンブリおよび処理コストを削減できます。たとえば、スマートフォンのカメラは通常、OEMが選択した異なる部品とFPCケーブル延長を組み合わせるカメラモジュールメーカーによって製造されます。カメラモジュールを受け取った電子機器メーカーは、フレックスコネクタをメインボードに簡単に接続できます。

このソリューションは、製品テスト中の機器メーカーにとって付加価値を生み出します。部品やモジュールがより複雑になっているため、OEMにはテスト装置にモジュールを接続してテストを実行し、それから接続解除して、アセンブリ用に再度接続する機能が必要です。このシーケンスは、アセンブリプロセス中に複数のテストがある場合、複数回発生します。これらのコネクタは、シンプルなプラグイン操作で相互接続を確立することにより、プロセスをより簡単にします。

Molexソリューションの使用メリット

DigiKeyは、米粒ほどのサイズから小指ほどのサイズまで約70シリーズを展開するMolexのEasy-On製品ラインを提供します。各シリーズにより、異なる顧客ニーズを満たします。これらの広範なシリーズは、しばしば温度耐性範囲などの機能ごとのサブシリーズに分類されます。

MolexのMicro-Solutions Business Unitのエンジニアは、マイクロミニチュア設計を専門に扱っています。このチームが持つ高品質エンジニアリングプラスチック分野の幅広い知識により、同社は変形しない小型ハウジング成形においてリーダー企業となっています。Molexのエンジニアは、金属を小型で複雑な端子に設計および形成する分野においても、豊富な経験を持っています。これにより、シームレスな接続とロック機能の両方を実現できます。DigiKeyは、高温で動作し、最も過酷な環境でも安全な接触信頼性を維持するMolexのEasy-On FFC/FPCコネクタを、幅広い回路サイズで販売しています。

著者について

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2018年からMolex Japanに勤務しているWeiZheng Lee氏は、MSBUコア製品のFFC/FPCコネクタ担当のグループプロダクトマネージャーです。氏は、経営管理と工業デザインの学士号を取得しており、半導体流通、民生用電子機器、金融技術の分野での経験があります。台湾出身のLee氏はカナダに住んでいましたが、今では日本を故郷と呼んでいます。

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