オフィスでも工場現場でも足を引っ掛けることのないフラットEthernetケーブル
Wi-Fiは優れており、あらゆる場所で利用できますが、時にはEthernetケーブルを配線してルータに接続しなければならないこともあります。これにより、特に大容量のデータ転送において、最も高速で信頼性の高い接続がもたらされます。毎日使用しているラップトップからギガバイト単位のエンジニアリングデータをアップロードしなければならなかったときに、私もこれを試したことがあります。残念なことに、有線Ethernetでは、配線不要で足を引っ掛けることがないというWi-Fiの利点を生かすことができません。
有線Ethernetは多くの理由で、大規模なオフィスや産業環境に最適なネットワーキングの選択肢となります。第一に、Wi-Fiよりも高速で、信頼性が高いからです。また、以前テクニカルサポートの専門家であった私から言わせてもらえば、有線ネットワーキングのほうが無線に比べて、電話による接続問題の診断がはるかに簡単です。
Ethernetケーブルの配線は、コーヒーポットの位置など、オフィスのフロアレイアウトを計画する際に最初に決定されるほど重要なものです。しかし、時には予定外のことが起こることもあります。以前働いていたオフィスの孤立したキュービクルでは、何ギガバイトものエンジニアリング設計ファイルを転送するのに専用のEthernet接続を追加する必要がありました。しかし、運の悪いことに利用可能な接続がありませんでした。
そこで、明るい青色のCAT5eケーブルを床に配線し、粘着テープで固定しました。それでもケーブルに足を引っ掛ける人が後を絶たないため、後に明るい色のセーフティコーンをケーブルの周りに配置しました。人気のある標準的なEthernetケーブルでしたが、その形状はフロア配線に適していないことがわかりました。
有線Ethernetを実用的に進化させたのが、フラットEthernetケーブルです。理屈に合わないと思いますか?フラットケーブルアセンブリのメーカーであるCicoilは、そのようには考えていません。そのため、オフィスでも工場現場でも使用できるDC-500-CA012フラットEthernetケーブルアセンブリを製造しています(図1)。
図1:DC-500-CA012は、長さ12フィートのCAT5eフラットEthernetケーブルです。このケーブルには4本のツイストペアがあり、ペアごとに最大3AのPoEをサポートします。(画像提供:Cicoil)
幅はたった0.45インチ、高さはわずか0.14インチ(図2)のため、トイレや近くの作業場へ行く途中でつまずくことがなくなります。ケーブルの長さは12フィートで、標準的なRJ45コネクタを使用して両端が終端されています。これには30ゲージ(AWG)ワイヤの4本のツイストペアがあり、各ツイストペアで最大3AのPoE(Power over Ethernet)をサポートします。
図2:DC-500-CA012は地面からの高さが0.14インチのため、足を引っ掛けることもなくなります。このケーブルには30AWGケーブルのツイストペアが4本含まれており、-65˚C~+165˚Cの極端な温度に耐えることができます。(画像提供:Cicoil)
ケーブルジャケットは透明で、誰でもシールドと4本のツイストペアを見ることができます。これにより、フラットなCAT5eケーブルを見て、「中身はどうなっているんだろう」と疑問に思う人の疑いを軽減することができます。ただし、透明でフラットなEthernetケーブルに対する好奇心から、皆が仕事に戻るように言われるまで、示唆に富んだ議論が何分も続く可能性があります。
CicoilのDC-500-CA012は、パンケーキよりも平たい形をしていますが、あらゆる点でCAT5eに完全に準拠したシールド付きEthernetケーブルであり、最大1ギガビット/秒のデータレートをサポートしています。錫メッキ銅製ツイストペアのケーブルジャケットは、超柔軟な仕様となっています。このジャケットは過酷な環境に対応するように設計されており、-65°C~+165°Cまでの温度に耐えることができます。
日光や液体は亀裂や収縮の原因となるため、民生用ケーブルにとっては問題です。Cicoilが提供するこのDC-500-CA012フラットケーブルは、太陽光、紫外線、アルコール、塩水および、多くの腐食性化学物質の影響を受けません。データシートには明記されていませんが、コーヒーにも強いと想定されます。
産業用オートメーションの環境では、予定外のダウンタイムが発生した場合、装置を再稼働させるために、Ethernetケーブルをできるだけ早く配線して接続する必要があります。そのような緊急事態では、邪魔にならないようにケーブルを慎重に配線することが、「すぐに作業を完了させること」の二の次になることがよくあります。このような場合に、Cicoilのケーブルを床に対してフラットに設置することで、損失をもたらすダウンタイムを短縮すると同時に、全員の安全を確保することができるのです。
まとめ
興味深いことに、材料技術の進歩により、ネットワーキングケーブルは実用性の既成概念に反するような進化を遂げています。CAT5eに完全に準拠したフラットEthernetケーブルが、1ギガビット/秒のデータレートをサポートしつつ最大3AのPoEを提供できるというのは、まるでSFの世界の話のようです。しかし、これが現実となっています。とはいえ、自律走行と同じように、コーヒーを買いに行こうと散歩しているときに、進行方向を見ていないというのは、やはり言い訳になりません。

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