汎用性の高いXilinxのZynq Ultrascale+ MPSoCを利用して、大量の計算処理を必要とするアプリケーションを高速化
計算集約型とは、複雑な計算処理を数多く必要とするあらゆるコンピュータアプリケーションを差す言葉です。現在一般的な計算集約型アプリケーションには、AI推論、ビッグデータ分析、ネットワーキング、科学的研究のためのモデリングなどがあります。
計算集約型アプリケーションで必要とされる処理能力は、プロセッサ群のみでは創出可能な能力を超えています。FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)は、そのカスタマイズ可能性、プログラム可能性、そして性能に関連した低消費電力から、さまざまなコンピューティングアプリケーションを対象としたアクセラレータと見なされています。そのため、Xilinxのような半導体メーカーは、1つのデバイスにプロセッサとFPGAアーキテクチャの両方を統合しています。XilinxのUltraScale MPSoCアーキテクチャは、32~64ビットの高度なプロセッサを複数備えています。このプロセッサは仮想化に対応し、「適切なタスクに対する適切なエンジン」を使用した、真にヘテロジニアスなマルチプロセッシングを実現します。
Zynq Ultrascale+ MPSoC
XilinxのZynq® UltraScale+™ EG MPSoCデバイスでは、高性能なARM®ベースのマルチコアとマルチプロセッシングシステムが、ASICクラスのプログラム可能論理と組み合わされています。このプロセッシングシステム(PS)は、64ビットのクワッドコアであるARM® Cortex®-A53、32ビットのデュアルコアであるCortex-R5Fリアルタイムプロセッサ、およびMali™-400 MP2グラフィックスプロセッシングユニットを備えています。ASICクラスのプログラム可能な論理は、非常に柔軟性が高く、XilinxのUltraScaleアーキテクチャを基盤としています。このプログラム可能な論理は、6,000の相互接続を介して、プロセッシングシステムと通信します。
Zynq UltraScale+ EGアーキテクチャ。(画像提供:Xilinx)
Genesys ZU-3EG Ultrascale+ EG MPSoCプラットフォーム
National Instrumentsの関連企業であるDigilent Incは、計算集約型アプリケーション向けの汎用Zynq UltraScale+ EG MPSoC開発ボードであるGenesys ZU-3EGをリリースしました。オンボードの周辺機器、アップグレードしやすいDDR4、Mini PCIeおよびmicroSDスロット、マルチカメラ、そして高速の拡張コネクタが巧みに組み合わされているため、さまざまなユースケースに対応することができます。Pmodおよび、新しいZmods用の高速なSYZYGY対応拡張モジュールポートという、2種類の特殊なポートを備えているため、柔軟な拡張と、アドオンモジュールの広範なエコシステムに簡単にアクセスすることができ、シリコン評価と高速な試作に最適です。

Genesys ZU-3EGのコールアウト図。(画像提供:Digilent, Inc.)
作業開始に役立つ資料
Genesys ZU-3EGには、すぐに使用できるLinuxベースのアプリケーション用Petalinuxプロジェクトおよび、Genesys ZU-3EGボードファイルをXilinxのVivado Design Suiteに追加するための手順を説明したガイドが付属しています。ユーザーは、XilinxのVivado Design Suiteで使用するために用意されている知的財産(IP)コア、事前構成済みの論理関数を使用して、オンボードの周辺機器を構成することもできます。
最適化された仕様と充実した文書ライブラリが用意されているため、ユーザーはAI、クラウド、マルチメディアコンピューティング、ネットワーキングなど、さまざまな計算集約型アプリケーションに関する作業をすぐに開始することができます。
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