産業用アプリケーションに適した条件ベース監視用のMEMS振動センサシステムの構築

著者 Stephen Evanczuk

DigiKeyの北米担当編集者の提供

製造に不完全さがあれば早期に、埃や破片の蓄積、内部部品の劣化、または単なる老朽化が原因ならもっと時間が経ってから、という違いはありますが、どんな産業機械もいずれは故障を来たします。自動生産ラインが増加したことで、工場のオペレータは、際限のなさそうなメンテナンスと修理のサイクルに直面しています。それはライン停止の原因にもなりかねません。特に機械の隠れた不具合が壊滅的な故障に発展するとその影響は甚大です。

予期しない機器の故障に対処したり、保証外のメンテナンスでの不必要なダウンタイムに甘んじたりするのではなく、条件ベース監視(CBM)インジケータを使用することで、工場のオペレータは、機器の機能が致命的な状態になる前に余裕をもってメンテナンスと修理のスケジュールを効率的に作成できます。機械の動作状態を監視する機能は、産業環境に費用の大幅な節約効果をもたらすことにもなります。機器の故障前にありがちな状況を検出することで、工業エンジニアは機械を故障前に修理できます。

しかしCBMの実装では、監視が必要な状況の性質はさまざまなため、開発者は固有の要件に適した正確なセンサ信号チェーンを構築する必要があります。

この記事では、産業用機器へのCBM実装の要件について取りあげ、Analog Devicesのデバイスの組み合わせを使用して、それらの要件を満たすことのできる信号チェーンの構築方法を説明します。

振動解析

CBM応用手法の土台となる振動の解析は、機械とその可動部品の動作状態を評価するために広く採用されている手法となっています。この方法では、産業エンジニアは振動測定を分析し、ローター、ギア、ベアリングなど機械部品同士を機械的につなぐ要素に対する不均衡やミスアライメント、または損傷を示すパターンを特定します。たとえば、振幅の大きい振動が繰り返し起きるパターンは、クラッチ、ギア、ベアリング、ベアリングレースなどの接触する機械表面が損傷または磨耗したことで機械的衝撃が生じていることの表れかもしれません。

一方、この時間領域の振動測定の他に、高速フーリエ変換(FFT)解析を利用した周波数領域の測定によって、機械の状態に関するより詳しい情報を得ることができます。この周波数領域の解析を生成するために使用するFFT計算にはかなり大きなコンピューティング能力が必要ですが、得られる成果はその労力に値します。この手法を活用して、経験豊富なエンジニアは、不均衡、ミスアライメント、ゆるみ、ベアリング欠陥などの不具合を示すいくつかの信頼性の高い周波数関連のインジケータを見出しました(図1)。

周波数領域でのピークの絶対的および相対的な大きさのグラフ図1:周波数領域でピークの絶対的および相対的な大きさを測定することで、産業エンジニアは、機械部品の不均衡からベアリングの故障に至るまで、機械に今ある問題または潜在的な問題を幅広く推測できます。(画像提供:Analog Devices)

これらのインジケータの中で、基本周波数(1倍成分とも呼ばれる)と、その高調波やより早期のベースライン1倍の測定値を比べた場合の変化の中に、機械の不均衡が表れている場合があり、振幅が回転速度の2乗に比例し周波数が機械の回転周波数または共振周波数と一致する信号に表れます。対照的に、機械の部品同士のミスアライメントや緩みは、第1高調波(2倍成分とも呼ばれる)の特徴的な増加をもたらし、周波数成分においても10倍の高さまで増加します。同様に、不均衡やミスアライメント、損傷があるギアなどの内部部品により、それら独自の回転速度と歯数に関連した周波数においてピークが高くなります。

フォールトインジケータは非常に複雑になる場合もあります。特に機械内のレースに埋められたベアリングの場合はそうです。ベアリングがレースを移動するとき、ベアリングはボールスピン周波数(BSF)と呼ばれる周波数で特徴的な信号を生成します。この周波数は、ベアリングレースの基本列周波数(保持器周波数)(FTF)(ベアリングケージがベアリング周囲を移動する速度)に関連するエンベロープ内に含まれます。欠陥のあるベアリングまたはレースによって、BSFで比較的大きな振幅イベントが生じ、FTFによって変調された一連の低振幅振動が発生します(図2)。

機械の故障と関連する振動シグネチャのグラフ図2:機械の故障と結びついた振動シグネチャは、基本周波数で容易に認識されるピークやいくつかの高調波からベアリング故障の複雑なシグネチャまで幅広くあり、ベアリング故障はベアリングレースの基本列周波数(FTF)に関連するエンベロープ信号によってボールスピン周波数(BSF)でパルスを変調します。(画像提供:Analog Devices)

結果として生じるベアリング故障の周波数領域のシグネチャは非常に複雑になる場合があり、広い高周波数帯域に及ぶ低振幅成分の大幅な増加として現れます(図1の右端を参照)。

周波数領域のシグネチャは明らかに複雑にもかかわらず、産業エンジニアは、不均衡やミスアライメントに始まりより検出が困難なベアリング関連の問題に至るまでさまざまな故障を診断するための、多岐にわたる解析手法と詳細なインジケータを集めました。

分析と振動測定の方法は高度化し続けていますが、その背景には、より効果的なソリューションに対する需要が高まり、実際に利用できるソリューションが増えていることがあります。これまでエンジニアは一般的に、携帯型振動モニタをポータブル型データロガーとともに利用してパターンを記録し、以降のオフライン解析に活用していました。

インダストリ4.0オートメーションへの移行と自動機械への依存度が高まるにつれて、手動による方法は実用的でなくなっています。より高度な半導体デバイスの登場によって、CBMアプリケーションにはますます振動測定デバイスに基づく傾向が見られ、それらのデバイスは重要な機械に直接取り付られて継続的な監視を行います。

振動測定の要件

あらゆるセンサ信号収集アプリケーションと同様に、CBMに必要な振動測定デバイスは身近な信号チェーントポロジに依存しており、そこにはセンサ、信号調整段、A/Dコンバータ(ADC)、プロセッサが含まれています(図3)。

身近なトポロジを使用する振動検知システムの図図3:振動検知システムには身近なトポロジが使われており、そこではセンサ、ローパスフィルタ(LPF)、オペアンプ、ADCで構成される信号チェーンと、プロセッサおよびサポートデバイスとが組み合わさっています。(画像提供:Analog Devices)

前述のようなタイプの周波数領域の解析をサポートするために、この振動信号チェーンの仕様は民生用デバイスのモーション検出に使用される信号チェーンの仕様とは大きく異なるのが一般的です。

産業用アプリケーションと民生用アプリケーションの最も重要な違いの1つは、振動センサの帯域幅要件にあります。上述のように、機械のフォールトインジケータは、基本周波数の5倍、さらには10倍の高調波に見られるか、またはより高い周波数帯域に広く見られる場合があります。産業用機械は通常、数百または数千回転/分(rpm)で動作するため、1,000rpmで動作する機械には、5kHz以上の帯域幅の振動センサを使い、ベアリング故障または複雑なミスアライメントに関連した周波数でスパイクを捕捉できるようにすることが必要な場合もあります。同様に、より高いBSF範囲で動作するベアリングと関連した信号を捕捉するには広い帯域幅が必要です。

ベアリングレースまたはベアリング自体の些細な不均衡、ミスアライメント、または問題に関連するより微妙な不具合のシグネチャを捕捉するには、広帯域幅の性能だけでは不十分な場合があります。振幅は小さくとも、これらの信号発生源は、ベアリングの問題の場合に新たな問題や差し迫った不具合を反映している可能性もあります。このためCBMの振動測定デバイスは、低ノイズフロアで動作し、これらの故障に関連する低振幅信号を分離するのに十分な分解能で動作する必要もあります。

マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)センサ

以前は産業用アプリケーションで圧電加速度計が頻繁に使用されていましたが、最近になりマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)センサが効果的なソリューションとして出現しました。シリコン基板上に製造されたこれらのポリシリコン構造は、2つの固定プレート間の可動プレートで構成されるセルを基にしています(図4)。

固定/可動プレートのセルを組み込んだMEMSセンサの図図4:従来の半導体プロセス技術で製造されたマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)センサには固定/可動プレートのセルが組み込まれており、プレートが加速度に応じてずれるとセルの静電容量が変化します。(画像提供:Analog Devices)

加速度によって可動プレートが固定プレートに対してずれると、差動静電容量が変化し、加速度に比例するセンサ出力が生成されます。

わずかなずれであっても、高度なMEMS振動センサは、産業機械に関連した加速度の追跡に必要な高性能のレンジをサポートします。

単弦運動の方程式によると、加速度には次のように周波数との関連性があります。

a = -(2pf)2x     (式1)

式の要素の意味は次のとおりです。

a = 加速度

f = 周波数

x = 中心位置からの変位振幅(MEMS振動センサでは標準で1μm程度)

これにより、産業機械用のMEMSセンサで検出される加速度は数百gに達することがあり、民生用製品で一般的に使用されるMEMS振動センサで検出される加速度の範囲よりもはるかに大きくなります(図5)。

非常に高い加速度も検出されるMEMSセンサのグラフ図5:MEMSセンサでは、産業機械で一般的な回転数(rpm)範囲で非常に高い加速度が検出されます。(画像提供:Digi-Key、Analog Devicesのデータによる)

MEMSの製造技術が進歩し続けているおかげで、開発者は、Analog DevicesのADXL100x MEMS加速度計ファミリにも搭載されているようなMEMS振動センサを利用できるようになりました。このMEMS振動センサは、振動ベースのCBMアプリケーションに求められる厳しい要件を満たすだけでなく、基盤となる振動検知システムの設計を簡素化するためにも役立っています。

統合型MEMSセンサ

Analog DevicesのADXL100xファミリ MEMS単軸振動センサには、ADXL1001ADXL1002ADXL1003ADXL1004ADXL1005があり、加速度範囲、帯域幅、分解能、ノイズなど産業分野での要件を満たす幅広いデバイスを開発者に提供します(表1)。

デバイス 測定範囲(g) 帯域幅(kHz) ノイズ密度(μ/√Hz) 感度(mV/g)
ADXL1001 100 11 30 20
ADXL1002 50 11 25 40
ADXL1003 200 15 45 10
ADXL1004 500 24 125 4
ADXL1005 100 23 75 20

表1:Analog Devices ADXL100x振動センサの性能仕様(表提供:Analog Devices)

MEMSセンサは、従来の半導体プロセス技術で製造されているので、他の回路と簡単に統合して幅広いアナログおよびデジタル機能を実現できます。ADXL100xファミリの各製品は同じ機能アーキテクチャを使用しており、MEMSセンサをセンサアンプ、復調器、出力アンプ、その他の機能と組み合わせています(図6)。

Analog DevicesのADXL100xファミリ 振動センサの図図6:Analog DevicesのADXL100xファミリ 振動センサの全製品では、MEMSセンサと包括的なセンサ信号調整段およびその他の機能性が組み合わされています。(画像提供:Analog Devices)

これらの機能のうち、オーバーレンジ(OR)検出機能により、加速度がデバイスの仕様g範囲の約2倍を超えた場合、センサ素子を保護できます。このような事象は通常動作している機械では珍しくなく、特に機械の初期起動時や以降の速度変化時には起こり得ます。基本周波数で安定するまでは、部品が想定速度に達したとき生成される共振周波数の組み合わせによって、最も頑丈な振動センサであっても過飽和になる場合があります。

オーバーレンジの状態が生じると、ADXL100x ORサブシステムがOR出力信号を設定し、ホストプロセッサに警告します。さらに、内部クロックを200μs(マイクロ秒)間無効にしてMEMS構造の損傷を防ぎます。オーバーレンジがこの200μsの期間を超えて継続すると、ORサブシステムは出力信号と停止期間を500μsごとに再トリガします。

信号チェーンの構築

ADXL100xの統合された出力アンプは、ソース電流の最大2mAの抵抗性負荷を100pF(ピコファラッド)の最大負荷静電容量で駆動できます。これにより、開発者は原理的にADXL100xをAnalog DevicesのAD4000 16ビット高精度逐次比較レジスタ(SAR)ADCに直接接続できます。

実際には、この直接接続構成を使用するには、少なくとも220kHzのサンプルレートが必要です。このサンプルレートが必要になるのは、デバイスの3デシベル(dB)周波数応答帯域幅の2倍でサンプリングする必要があるためで、これはMEMSセンサの周波数応答帯域幅を大幅に上回ります(表1)。事実、統合された出力アンプは、70kHzの3dB周波数応答帯域幅で設計されていることでセンサの共振周波数に近い周波数での測定が可能になり、この周波数は仕様に規定される3dBの周波数よりも大幅に高くなります(図7)。

Analog DevicesのADXL100xでの広帯域幅の周波数応答の図図7:Analog DevicesのADXL100xファミリの振動センサは、ここに示されるADXL1002の曲線に近似する広帯域幅の周波数応答を可能にします。ADXL1002の仕様では11kHzの3dB帯域幅で、特徴的な共振周波数ピークが非常に高い周波数帯域で見られます。(画像提供:Analog Devices)

あらゆる変換信号チェーンと同様に、サンプルレートは等価雑音帯域幅(ENBW)の2倍以上である必要があり、これにより対象の周波数帯域にノイズエイリアシングが含まれるのを回避します。ENBW = π/2 x ω3dB(この場合、ω3dBは70kHz)なので、ADXL100xデバイスのENBWは110kHzになります。そのため、必要なサンプリングレートは220kHz以上でなければなりません。

開発者は、単極ローパスフィルタを追加するだけでこのサンプリング要件を容易に削減できます。実際にAnalog Devicesは、センサとADC(前述のAnalog DevicesのAD4000など)の間に2極抵抗器-コンデンサ(RC)フィルタを使用することを推奨しています(図8)。

Analog DevicesのADXL100x MEMSセンサとAnalog DevicesのAD4000 ADCの図図8:Analog DevicesのADXL100x MEMSセンサとAnalog DevicesのAD4000 ADCの間にシンプルな2極ローパスフィルタを使用することで、必要なセンササンプリングレートを削減できます。(画像提供:Analog Devices)

たとえば、16kΩのR1抵抗器、300pFのC1コンデンサ、32kΩのR2抵抗器、および300pFのC2コンデンサを使用すると、ADXL1001/ADXL1002の内部クロック周波数200kHzで約84dBの減衰を得られます。この場合、エイリアシングアーチファクトなしに0~10kHzの振動を測定するのには、32kHzのADCサンプルレートで十分です。

AD4000 ADCおよび少数の受動部品とともにADXL100xセンサを使用することで、開発者は振動測定のために完全な信号チェーンを実現できます。振動センサシステム設計のコアは、電圧レギュレータ(Analog DevicesのADP7104低ドロップアウト(LDO)レギュレータなど)、基準電圧源(Analog DevicesのADR4550など)、およびプロセッサ(Analog DevicesのADUCM4050マイクロコントローラなど)を加えることですばやく完成します。

ADXL100xファミリのさまざまな製品とともにこれら少数の部品を使用することで、固有のCBMアプリケーションと関連するより広範な加速範囲やより高い帯域幅など、特定の性能要件を満たすことができます。

3軸測定

より複雑なCBMアプリケーションの場合、ADXL100xファミリの単軸測定機能では不十分かもしれません。必要な測定軸ごとに基本設計を複製するのは開発者にとって簡単ですが、Analog DevicesのADcmXL3021 3軸振動センサモジュールを使うという、よりシンプルな方法もあります。

Analog DevicesのADcmXL3021モジュールは、取り付け用フランジを備えた23.7mm x 27.0mm x 12.4mmのアルミニウムハウジングに収納されており、相互に直交する検知軸上に配置された3つのADXL1002 MEMS加速度計を使用した3軸測定をサポートします(図9)。

Analog DevicesのADcmXL3021モジュールの図図9:Analog DevicesのADcmXL3021モジュールは23.7mm x 27.0mm x 12.4mmのアルミニウムハウジング(左)に収納されており、産業性能要件に適合できる完全な3軸振動測定システム(右)を実現します。(画像提供:Analog Devices)

各MEMSセンサの信号チェーン内で、専用A/Dコンバータは220kSPS(キロサンプル/秒)でサンプリングし、結果をモジュールの内蔵先入れ先出し(FIFO)バッファに保存します。モジュールの統合プロセッサは、次の4つの動作モードで時間領域と周波数領域の測定をサポートします。

  • リアルタイムストリーミング(RTS)。リアルタイムデータを提供
  • 手動FFTモード(MFFT)。外部信号またはソフトウェアコマンドからのトリガに応答して周波数領域データを生成
  • 自動FFTモード(AFFT)。内部タイマを使用して周波数領域のデータ捕捉を自動的にトリガ
  • 手動タイムキャプチャ(MTC)モード。4,096の連続した時間領域サンプルを捕捉し、フィルタリングや平均化などの信号処理機能の使用をサポート

ADcmXL3021には、その統合MCUによって、4つのサンプリングモード以外にもさらに機能を備えています。その機能の1つがISO 10816などの業界標準のサポートです。たとえばISO 10816では、機械が不適切な動作状態になったとき警告を使用することが求められ、機械が致命的な動作状態に陥った場合にはアラームを使用することが求められています。

MTCモードでは、ADcmXL3021には時間領域データに対して構成可能な3つの異なるレベル(通常、警告、致命的)のアラームがあります。ISO 10816の通報をサポートするために、通常レベルを示す信号、不適切な動作を示す警告信号、危険な動作を示すアラーム信号を設定できます。

MFFTまたはAFFTモードでの周波数領域の測定では、ADcmXL3021はより高度なアラーム機能を発揮します。その場合、開発者は6つのアラーム帯域構成を設定でき、それぞれが周波数範囲の上限と下限、振幅の上限と下限を指定します。この機能を使用して、開発者は既知の警告またはアラーム条件と結び付いた特定の周波数シグネチャ/振幅シグネチャを認識するようにADcmXL3021を構成できます(図10)。

Analog DevicesのADcmXL3021振動センサモジュールのアラーム構成の図図10:開発者は、Analog DevicesのADcmXL3021振動センサモジュールを構成し、振動の大きさと振動周波数帯域に基づくインジケータの組み合わせを使用して警告またはアラームを発生させることができます。(画像提供:Analog Devices)

ADcmXL3021を用いて開発を簡素化できるように、Analog DevicesではADCMXL_BRKOUTブレイクアウトボードを提供しています。このボードはADcmXL3021のフレックステールコネクタピンに簡単にアクセスできるヘッダを備えています。

また、WindowsベースのADCMXL振動評価ソフトウェアアプリケーションも提供しています。このアプリケーションはCypress SemiconductorのCYUSB3KIT-003 USB 3.0 SuperSpeedエクスプローラーキットと連動するように設計されています。開発者はこの評価ソフトウェアインターフェースを使用して、軸ごとに時間領域と周波数領域のデータを調べ、ADcmXL3021レジスタを変更して代替キャプチャ構成を探すことができます(図11)。

Analog Devicesの評価ソフトウェアアプリケーションの画像図11:開発者は、Analog Devicesの評価ソフトウェアアプリケーションを使用して、ADcmXL3021振動センサモジュールからの出力を表示したり、レジスタを対話的に変更して各種のキャプチャ構成を探したりすることができます。(画像提供:Digi-Key/Analog Devices)

まとめ

CBMには、突然の機械故障による不必要な定期メンテナンスや想定外のダウンタイムを避けられるという大きな利点があります。しかし、CBMアプリケーションの開発者は、適切な振動測定システムに求められる厳しい性能要件に及び腰になるかもしれません。民生用アプリケーションのモーション検知センシングシステムとは異なり、産業用振動システムには、高い加速度レンジ、広帯域幅、高分解能、および超低ノイズ密度が必要になります。Analog DevicesのMEMSセンサや関連部品を使用することで、開発者は高度な産業用CBMアプリケーションの実装に必要な堅牢な振動測定システムを自信を持って作成できます。

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著者について

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Stephen Evanczuk

Stephen Evanczuk氏は、IoTを含むハードウェア、ソフトウェア、システム、アプリケーションなど幅広いトピックについて、20年以上にわたってエレクトロニクス業界および電子業界に関する記事を書いたり経験を積んできました。彼はニューロンネットワークで神経科学のPh.Dを受け、大規模に分散された安全システムとアルゴリズム加速法に関して航空宇宙産業に従事しました。現在、彼は技術や工学に関する記事を書いていないときに、認知と推薦システムへの深い学びの応用に取り組んでいます。

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