サイリスタ

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サイリスタの種類


サイリスタは、4層のp-n-p-n構造からなるソリッドステート半導体素子で、双安定スイッチとして動作します。いったんトリガされると(通常は小さなゲート電流によって)、陽極と陰極の間に電流が流れ、順方向にバイアスされている限り導通し続けます。サイリスタは、高電圧と高電流を効率的に処理できるため、パワーエレクトロニクスで特に重宝されます。ACおよびDCモータドライブ、電源、調光器、電圧調整システムなどの用途に広く使用されています。最もよく知られているタイプはシリコン制御整流器(SCR)で、特に一方向および高電力環境で、正確な電力制御を必要とする回路に最適です。

サイリスタには主に4つのタイプがあり、それぞれが特定の用途に適しています:
  • SCR(シリコン制御整流器):ゲートパルスが印加されるとオンになり、電流が保持レベルを超えている限りオンのままになる単方向サイリスタ。DCモータドライブ、制御整流器、高電力スイッチングに最適。
  • TRIAC(交流用三極管):双方向に導通できるサイリスタで、調光器、ファンスピードコントローラ、家庭用電化製品などのAC電力制御アプリケーションによく使用されます。
  • DIAC(交流用ダイオード):ゲートを持たない双方向トリガデバイスで、特定の電圧閾値でブレークダウンすることにより、TRIACをトリガするために使用されます。タイミング回路や位相制御回路でよく使用されます。
  • SIDAC(交流用シリコンダイオード):機能はDIACに似ていますが、より高い電圧と電流をを扱うことができます。通常、過電圧保護や高エネルギーパルス回路に使用されます。
サイリスタを選択する際には、用途がACかDCか、双方向伝導か単方向伝導か、必要な電圧と電流の定格、トリガ方式などの要素を考慮することが重要です。これにより、電力制御設計において最適なパフォーマンス、寿命、安全性が保証されます。