VL53L8CX ToF（飛行時間型）測距センサ

STMicroelectronicsの「VL53L8CX」は、8×8マルチゾーン対応の飛行時間（ToF）測距センサで、消費電力を抑えて周囲光下での性能を向上させています。STMicroelectronicsのFlightSense™技術をベースにしたこのセンサは、対角65°の視野（FoV）で最大400cmまでの正確な測距を実現するよう設計されています。

VL53L8CXは、強力な新世代VCSELと2つの高度なメタサーフェスレンズを統合しています。ハードウェアは革新的なオールインワンモジュールに実装されており、低電力のシステム起動、ジェスチャ認識、ロボット用SLAM、液面監視など、さまざまな高性能ユースケースを実現します。

STMicroelectronicsの特許取得アルゴリズムにより、VL53L8CXは64ゾーンの深度測定でFoV内の複数のターゲットを検出し、追跡することができます。ヒストグラムから、カバーガラスのクロストーク耐性が60cmを超えていることが確認できます。VL53L8CXは、STMicroelectronicsのFlightSenseテクノロジーに基づく他のToFセンサと同様に、ターゲットの色や反射率に関係なく絶対距離を測定します。

VL53L8CXは、SPIおよびI²Cインターフェースをサポートしており、高周波数のフレームレートと短いブート時間を実現しています。VL53L8CXのVCSELは、完全不可視の940nm赤外光を放射し、目に安全であることを示すクラス1認証を取得しています。

応用

• SLAM、壁面追跡、小物検出、崖予測、床の種類認識など、難しい環境下でのロボットアプリケーション
• スマートビルやスマート照明のための周囲光下でのシステム起動（たとえば、ユーザーを検知してデバイスを起動させるなど）
• タンク、トラックの積載物、ゴミ箱のコンテンツ管理
• 液面モニタリング
• ジェスチャ認識
• ビデオプロジェクタのキーストーン補正
• 耐周囲光性能の向上が求められるデバイス
• 拡張現実/仮想現実（AR/VR）の機能強化マルチゾーン測距によるデュアルカメラ立体視と3D深度アシスト
• ユーザーや物体を検知するIoTおよびバッテリ駆動のデバイス
• 特に難しい低照度や低コントラストの場面で、カメラのAFシステムの速度と堅牢性を向上させたレーザーアシストオートフォーカス（LAF）