開発中の製品の電池寿命はどのくらいですか?
新しい開発プロジェクトをスタートするとき、私たちは皆、製品のフォームファクタ、電源に使用する電池の種類、そして電池が消耗するまでの時間について、経験に基づいたトレードオフを行おうとします。通常は、Digi-Key電池寿命カリキュレータで使用されているような、簡単でシンプルな計算式を使うことからスタートします。電池の公称容量と、負荷から引き出されると想定される平均電流に基づいて、電池容量の推定値が表示されます。
これは、試作品ができあがる前に、プロジェクトのエネルギーバジェットをスタートする際に非常に役立ちます。ハードウェアを入手したら、次に推定値の精度を上げていきます。ハードウェア、ファームウェア、アプリケーションは絶え間なく変更され、最終結果に影響を与えたりプロジェクトの成否を左右したりする可能性があるため、開発プロジェクト全体を通した電池寿命の監視は非常に重要になります。
そこで私たちは、開発プロジェクトのどの段階にいるか、また電池寿命の推定にどの程度の精度が必要かに応じて、日常的に適用できるいくつかの方法を集めました。
(1)日常的に使用可能な電池寿命エスティメータ
QoitechのOtii Arcにも、電池寿命エスティメータと呼ばれる、Digi-Keyの電池寿命カリキュレータと非常によく似た便利で迅速な機能があります。ここでは、選択した電池のデータシート容量を適用しますが、デバイスのデューティサイクルにおけるアクティブモードとスリープモードの両方での消費電流と時間を考慮に入れます。これらを測定するのが望ましいのですが、このエスティメータには、デバイスのデューティサイクルにおける消費電流の実測値からこれらの値を取得するという素晴らしい機能が備わっています。そのため、選択した電池容量に対する電池寿命とデューティサイクルの反復回数を把握できます。
測定されたデバイスの電流挙動に基づいて電池寿命を推定。(画像提供:Qoitech)
(2)電池のプロファイリングによる電池寿命の推定
電池寿命エスティメータを使用する場合、自己放電や安全マージンを考慮することができます。そのため、特にスリープモードの電流が小さい場合、電池寿命を大幅に縮める可能性があります。また、デバイスのカットオフ電圧によって、使用可能な電池容量が電池メーカーの指定した値よりも低く制限される場合があります。これに対処するため、Otii Arc用のOtii Battery Toolboxを導入し、デバイスの動作を表す特定の負荷に対して電池をプロファイリングする機能を搭載しました。Otii Arcのメインコネクタに電池を接続することで、設定したプロファイル時間内にさまざまな負荷をかけて、電池の性能をテストすることができます。プロファイリングの時間が長ければ長いほど、精度は向上します。ただし、電池が完全に消耗するまで待っていられないので、妥当な時間に設定する必要があります。ツールボックスの商品概要はこちらをご覧ください。
電池をプロファイリングするためのOtii Arcのセットアップ。(画像提供:Qoitech)
(3)使用可能な電池容量による電池寿命の推定
Otii Battery Toolboxを使用して、プロファイリングされた電池放電を、電源から電力供給する代わりにデバイスに適用することで、推定値の精度をさらに高めることができます。使用済みの容量のさまざまなレベルで電池のエミュレーションを行うことで、実際の使用可能な容量を知ることができます。テスト対象のデバイスのカットオフ電圧が達成されると、デバイスがシャットダウンしたり、リブートしたりする様子を観察することができます。これは、シリアルとパラレルの両方の電池のセットアップに対して実行できます。
上記のいずれの方法でも、電池寿命の推定精度は向上します。使用する方法はさまざまだとしても、製品開発の段階で不正確な点を認識することで、正しい判断ができるようにします。
上記の方法について、もっと知りたいですか?Qoitechのエキスパートによるデモをご予約ください。
関連ビデオ:
製品:Otii Arc、Otii Battery Toolbox
製品:Otii Arc
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