ユニバーサル入力対応ラックPDUによるグローバル展開の簡素化
サーバラック用の電源分配装置(PDU)の選択は、一見単純に思えるかもしれません。しかし、単一のPDUで複数の地域に対応し、多様なラック構成をサポートしたい場合はどうすればよいでしょうか。
たとえば、入力側では、グローバル展開に取り組む設計者は、幅広い電源アーキテクチャに対応する必要があります。これは、異なる電圧やプラグタイプを気にせずに世界中で展開できるユニバーサルシャーシを求める事前構築済みのラックシステムを提供する業者にとっては問題となり得ます。
出力側にも同様の問題があります。ラックには、高電力機器と標準的なIT機器が混在するケースが増えています。こうした予測不可能な組み合わせに対応することは、サプライチェーンや在庫管理を簡素化するため単一のPDUを標準化したいと考えているシステムインテグレータ、多国籍企業、その他の企業にとって課題となります。
最後に、PDUはシステム管理において重要な役割を果たします。PDUに計器および監視機能を追加することは有益な利点をもたらしますが、同時にセキュリティ上の脆弱性を生み出す可能性もあります。
ユニバーサル入力対応ラックPDU、UPDU G4の紹介
Tripp Lite by Eatonは、これらの課題を解決するために設計されたユニバーサルPDU(UPDU)ファミリであるUPDU G4を製品化しました。世界各国の電気規格への対応、汎用性の高いC39コンセント、そして安全な管理機能を組み合わせることで、多様なデータセンターのニーズに対応する単一ソリューションを提供します。
UPDU G4の最大の特長は、入力の柔軟性です。最大23キロワット(kW)を必要とするラック向けに、208ボルトおよび415/240ボルト環境での単相および3相アーキテクチャに対応しています。
この入力の柔軟性は、別売りの着脱式入力ケーブルによって実現されています。Eatonは, 15種類のプラグタイプに対応した17種類の入力ケーブルを提供しており、適切なケーブルを選択することだけで、UPDU G4を世界中のあらゆる場所で導入することが可能です。
出力側においても、柔軟性は本製品の特長です。UPDU G4は、最大42個のコンセントに対応し、以下の組み合わせが可能です。
- C13コンセント(ほとんどのIT機器で使用されているC14プラグに対応)
- C39コンセント(高出力C20プラグと従来型C14プラグの両方に対応)
さらに、UPDU G4ファミリには、コンセントごとの計測、監視、スイッチング機能をサポートするモデルもあります。これらの機能は、信頼の鎖による暗号化やセキュアなファームウェアブートといった強力なサイバーセキュリティ対策に支えられており、PDUがネットワーク上の脆弱なポイントとならないことを保証します。
ラックPDU向け高度なリモート管理
EVMAGU23X(図1)は、UPDU G4のラインアップの機能を示す一例です。このラックPDUは、72.00 × 2.00 × 2.56インチ(182.88 × 5.08 × 6.50(cm))のサイズで、標準的な42Uラックにピッタリと収まるスリムなデザインで42個のコンセントを備えています。
図1:EVMAGU23Xは、42個のコンセントを備え、高度な管理機能を提供します。(画像提供:Tripp Lite by Eaton)
42個のコンセントは、24個の従来型のC13と18個の抜け止め構造を持つC39コンセントに分かれています。コンセントは6つのロードバンクにグループ化され、各バンクに回路ブレーカが備えられています。これにより負荷分散が改善され、混雑したラック内での接続整理が可能となります。
EVMAGU23Xの主な特長は、リモート管理のサポートです。本PDUには、ホットスワップ可能なギガビットネットワークモジュール(GNM)が搭載されており、42個の各コンセントを個別に計測および制御することができます。たとえば、サーバがハングアップした場合、EVMAGU23Xは、そのデバイスの電源を再起動させることができ、ラック内の他の機器に影響を与えることはありません。このリモートアクセスが脆弱性を生じないよう、モジュールには、ゼロトラストアーキテクチャやゼロタッチプロビジョニングなど、堅牢なサイバーセキュリティ機能が組み込まれています。
これらの機能により、EVMAGU23Xはウェブブラウザ経由で管理したり、データセンターインフラ管理(DCIM)システムへの統合も可能です。ユーザーはEatonのBrightlayerデータセンタースイート管理ソフトウェアやサードパーティ製ツールを利用することもできます。これらの選択肢により、現地訪問の必要性を減らすことができ、分散データセンターやエッジネットワークにとって重要な利点となります。
小型ラック向けの計測機能付きPDU
Eatonでは、より短いラック向けの24個のコンセントモデルも提供しています。たとえば、EVMIGU23A-E(図2)のサイズは55.90 × 2.05 × 2.56インチ(141.98 × 5.08 × 6.50cm)のサイズで、36Uという小型キャビネットにも取り付け可能です。小型エンクロージャのニーズに対応するため、EVMIGU23A-Eは24個のコンセントを備え、C13タイプとC39タイプが均等に配分されています。
図2:EVMIGU23A-Eは36Uキャビネットに24個のコンセントを提供します。(画像提供:Tripp Lite by Eaton)
Tripp Lite by Eatonは、管理型および計測型UPDUの両方を製造しています。EVMIGU23A-Eは後者の例であり、各コンセント単位の管理は備えておらず、PDUレベルでの監視機能に限定され、個々のソケットの切り替えはできません。この簡素化された設計は、特にコロケーション環境に適しています。このコロケーション環境では、課金目的で消費電力を追跡する必要がありますが、リモートでのスイッチング機能は不要です。
他のUPDU G4モデルと同様に、これらの機能はGNMとその堅牢なセキュリティ機能によってサポートされています。システム設計者にとっては、統一されたソフトウェアインターフェースを維持しながら、異なるニーズを満たすPDUを組み合わせて導入できることを意味します。
まとめ
あらゆる設置場所にも対応し、さまざまなラック構成に対応できるラックPDUを選択することで、設計プロセスを簡素化し、サプライチェーン上の課題を軽減することが可能です。さらに、セキュアな計測と監視を備えたスマートPDUを採用することで、継続的なシステム管理が効率化されます。Tripp Lite by EatonのUPDU G4は、これらの利点を両立させ、複雑なデータセンターの電源ニーズに対するグローバルソリューションを設計者に提供します。
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