SMD電源製品を水分による損傷から保護
部品を回路基板に実装することに関して言うと、面実装技術は基板スペースと組み立て時間の節約に貢献します。その利点には部品密度の高さが含まれ、回路が小型化および高速化し、さらには衝撃と振動に対する耐性が向上してノイズも低減します。これらや他の利点から、面実装(SMD)パッケージ部品は、自動組み立ての場合に合理的な選択肢となります。ただし、リフローはんだ付けの際に、水分が「ポップコーン現象」を引き起こす場合があります。
OEMが感湿性デバイスの取り扱いと保管を適切に行えるように、米国電子回路協会はIPC-M-109(感湿性部品の規格および指針マニュアル)を作成しました。IPC-M-109では、その7つのドキュメントにおいて湿度感度レベル(MSL)を定義し、部品がポップコーン現象を起こすリスクに各数値レベルを対応させています。レベル1はリスクが最も低く、レベル6はリスクが最も高いことを示します。各レベルによって、感湿性デバイスを室内の周囲条件(レベル1は30°C以下および相対湿度85%以下、他のレベルはすべて30°C以下および相対湿度60%以下)に曝しておける期間が決まります。
MTWA4シリーズの低電力DC/DCコンバータは、小型サイズで4.5~12V DCの入力電圧範囲を特長とし、ポータブル医療機器に好適です。(画像提供:Daburn ElectronicsのPolytron Devices事業部)
製品のフロアライフを確認
多くのベンダーは、データシートの「Environmental(環境)」セクションにMSL情報を記載しています。たとえば、Daburn ElectronicsのPolytron Devices事業部が医療アプリケーション向けに提供しているMTWA4シリーズ 3.5W DC/DC コンバータのデータシートには、0.95 x 0.57 x 0.40インチのミニチュアSMDパッケージがあり、MSLがレベル2であると記載されています。これは、防湿袋から出して30°C以下および相対湿度60%以下の条件下で、「フロアライフ」の1年以内であれば、保管、実装、リフローができることを意味します。部品がフロアライフを超過してしまった場合は、組み立て前に水分を徐々にベークアウトする必要があります。MTWA4シリーズのコンバータは、ミニチュアサイズであることに加え、入出力間で5,000VACの2 MOPP絶縁を実現し、リモートON/OFFの機能を備えています。その電圧入力範囲(4.5~12V DC)により、ポータブルデバイスに好適です。MTWA4シリーズのSMDパッケージDC/DCコンバータは自動組み立て用途に好適で、さまざまな入出力要件を満たすことができます。
面実装部品を設計に使用する場合、製造可能性と信頼性は適切な保管がなされているかどうかによって左右されます。必ずメーカーのデータシートでその部品の湿度感度レベル(MSL)の数値をチェックしてフロアライフを確認し、MSLに基づいた保管および取り扱い方法など他の情報については、IPC J-STD-020とJ-STD-033を参照してください。JEDEC/IPC規格による湿度感度レベルについてよく知れば知るほど、部品に意図したとおりの性能を発揮させることができます。
詳細については、メーカーの技術担当者までお問い合わせください。

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