周波数の壁を突き破るMaswellの平板アンテナ
5Gやメタバース技術の登場は、無線通信市場を大きく牽引しています。5Gプロトコルにより、既存の4G技術に対し、最先端のリモートセンシング、通信、計算技術を必要とするメタバースのコンセプトと、新しい周波数帯域が導入されるので、仮想現実のアプリケーションを介して実生活が影響を受けます。このような通信シナリオに対応するため、無線通信業界では今後、研究開発が必要不可欠になっています。
また、どの機器も、メタバースアプリケーションの大量データ伝送を管理するには、広い動作帯域幅、CPU/GPUの高い演算能力、通信プロトコルへの対応、再構成可能な機能などを備える必要があります。信号範囲に制限があるため、今後開発されるメタバース機器は、ローカルで利用可能な無線通信リソースを評価し、再構成できる必要があります。このため、メタバースに適した将来の無線機器は、すべての無線通信プロトコルに対応する通信機能を持つ必要があります。ローカルの信号範囲レベルの下でどのプロトコルを選択するかは、AIによって決定されることになるでしょう。
これらの目標を実現し、将来のメタバースと5G通信技術を融合させるため、Maswellでは優れた技術開発プロセスを駆使しています。Maswellの最近の「Metaverse One」プロジェクトでは、将来のMetaverseアプリケーションに適合するよう、すべての無線通信プロトコルをサポートする、超広帯域平板アンテナを発表しました。
実物のAN.UWB.INT4.433.10000.SMA 平板アンテナ(画像提供:Suzhou Maswell Communication Technology)
AN.UWB.INT4.10000.SMA SMAは、433MHz~10.6GHzの周波数帯で高ゲインの動作能力を持つように設計されています。この動作能力は、FM、DAB、CB無線帯域との互換性によって補完されるので、メタバース機器が以下のどの無線モードを必要とする場合でも、任意の無線プロトコルに適応することができます。
- セルラー通信の帯域:全世界の5G、4G、3G、GSMバンドのいずれにも対応
- WiFi/Bluetooth/Zigbeeのアプリケーション:WiFi Harlow、WiFi 2.4GHz、WiFi 5GHz、WiFi 6、WiFi 6Eのいずれにも対応
- UWB通信:3.1~10.6GHzのいずれにも対応
- 477MHz帯CB無線:いずれにも対応
- M2M通信、IoT、Helium通信:いずれにも対応
- LORA通信:いずれにも対応
AN.UWB.INT4.433.10000.SMAの仕様(画像提供:Suzhou Maswell Communication Technology)
高周波テスト:AN.UWB.INT4.10000.SMAの性能は、まず無響室環境において433MHz~10.6GHzの高ゲイン動作スペクトルで評価されました。今述べた433MHz~10.6GHzの帯域で、アンテナのVSWRが2.0を下回っていることが、下記の画像でわかります。また、同じスペクトルでS11の応答は-10dBを下回っています。低周波帯(470~900MHz)、中周波帯(1700~2700MHz)、高周波帯(3500~7100MHz)において、AN.UWB.INT4.10000.SMAの照準対象放射特性はそれぞれ下記のように示され、高ゲインによる照準対象放射性能が確認できました。また、最大ゲイン対周波数の詳細な表が、このアンテナモデルのデータシートに記載されていますので、ご覧ください。
AN.UWB.INT4.433.10000.SMAのS11およびVSWR性能の測定結果(画像提供:Suzhou Maswell Communication Technology)
低周波帯の放射パターンの測定結果(画像提供:Suzhou Maswell Communication Technology)
中周波帯の放射パターンの測定結果(画像提供:Suzhou Maswell Communication Technology)
高周波帯域の放射パターンの測定結果(画像提供:Suzhou Maswell Communication Technology)
AN.UWB.INT4.10000.SMAの低周波動作能力を十分に確認するために、CB無線/FM/DAB帯の現場テスト作業も実施しました。
CBラジオテスト:CBラジオの周波数帯470 MHzのオンサイトテストにおいて、このアンテナは非常にスムーズなCBラジオインターカム通信信号を実現することができます。カー無線とハンディインカムの間の有効距離は、20軒超の家屋と森林を通過して1.5kmにもなります。このため、インカムの到達距離が大幅に改善されます。
CB無線の現場テストの使用機材(画像提供:Suzhou Maswell Communication Technology)
FMテスト:FM受信テストは、本アンテナを屋内に設置した後、ウォーキートーキーで実施しました。機器のFM 102MHz無線チャンネルは、ノイズが多い状態からクリアな状態に変化し、品質が大幅に向上しました。
DABテスト:本アンテナを差し込んだSDR(ソフトウェア定義の無線)ドングルをラップトップに接続し、性能検証を行いました。当該のソフトウェアは、202MHzのDAB無線チャンネルのいずれをも非常にクリアな音声で受信することができました。これは、AN.UWB.INT4.10000.SMAのDAB帯での能力を十分に証明するものです。
以上のテスト結果から、AN.UWB.INT4.433.10000.SMAは433MHz~10.6GHz帯で優れた高ゲイン動作能力を持つことだけでなく、信号受信に関する必須要件を持つDAB/FM/CBアプリケーションなどの低周波動作環境にも導入可能であることが実証されました。このため、AN.UWB.INT4.433.10000.SMAの応用範囲では、市販されているすべての無線通信プロトコルをカバーしていることも立証されました。この特長は、実際に動作する際に様々な通信容量が必要となるメタバースのハードウェア機器を製造するのに大いに役立ちます。末筆ながら、AN.UWB.INT4.10000.SMAの動作帯域幅が10GHzを超えたために、アンテナ業界におけるMaswellのR&Dブランドイメージが確立されたこともお伝えしておきます。
適用可能なアプリケーション
- IoT
- レーダ
- CPE機器
- マイクロ波測定・調査
- CB無線
- Helium無線通信
- Lora通信

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