EDIとAPIの比較:両者の長所を生かして最適なサプライチェーンを実現

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「EDIは死んだ!」何十年も申し上げてきたことですが、電子データ交換(EDI)技術は消滅していませんし、近い将来においても消滅することはないでしょう。一方、この10〜20年、データ交換の万能薬として注目されてきたのが、API(Application Programming Interface)です。業界はどちらかの標準が勝利するという二者択一の解決策に固執しています。しかし、現実はどちらも使用できる状況が続いています。どちらを使うかは、通信内容と通信の相手によって決まります。

私はサプライチェーンの通信という観点からは、APIとEDIが今後も共存すると予測しています。

EDIとAPIの定義

今日、EDIは多くのグローバルなサプライチェーンの取引を推進し続けています。簡単に言うと、EDIとは、取引相手とコンピュータ間でビジネス文書をやり取りするための標準です。やり取りは数分で完了しますが、一般的に企業はあらかじめ決められたスケジュールでバッチ処理を行います。EDIは、さまざまなサプライチェーンシステムやパートナーが透明性を持って簡単に通信を行うことを可能にする伝達手段です。通信の効率化により、明白な利点が数多く得られます。

  • コスト削減:パフォーマンスのギャップを小さくすることで、企業はサービスレベル合意書(SLA)の違反による罰金だけでなく、遅延やパフォーマンス上の課題に関連するコストを回避することができます。
  • スピード:ペーパーレス化とプロセスの自動化により、処理時間を短縮し、業務を迅速に終えることができます。たとえば、多くの組織で受注から出荷までのサイクルが半分に短縮されたと報告されています。
  • 精度:ミスが発生しやすいのは手動プロセスです。つまり、人間の介入を減らせばミスは減少するということです。
  • 効率:統合と自動化によりスピードと精度が向上することで、効率も向上します。
  • セキュリティ:EDIは、データへのアクセスを制限し、監査証跡とアーカイブを作成することで、手動プロセスに特有のセキュリティ問題を回避することができます。システムを利用できるのは、あらかじめ定義された認定ユーザーのみです。

一方、APIは、アプリケーションとデジタル環境の間のデジタルインタープリタとして機能するコードで構成されています。コードはリアルタイムに機能します。APIは、2つのEDIシステム間の接続を行うのではなく、異なるシステムが人間の介入なしに通信できるようにするウェブベースのプロトコルです。APIによって次の3つの重要な特性が統合されます。

  • プロシージャ:APIの実装は、さまざまなユーザーコマンドによって開始される特定のタスクや機能を実行するようにプログラムされています。
  • プロトコル:APIの種類に応じて、システム間のデータフォーマットを制御するために異なるプロトコルが使用されます。
  • ツール:ソフトウェアやプログラムを開発するために必要なコンポーネントを備えた機能です。

一般的に、サプライチェーンで使用されるAPIは、EDIと同じような利点が多くありますが、より高速でシンプルです。新しい標準であるAPIは、より幅広いシステムに接続できます。また、将来の技術との通信に対応し、最新のセキュリティプロトコルを採用できる可能性としてはEDIよりも高くなります。

図1:大量のデータやセキュリティの対応においては、APIよりEDIの方が有利です。一方、APIはより低価格になる場合が多く、迅速にリクエストを処理できます。(画像提供:EDI Basics)

選択の必要性の有無

EDIにもAPIにもそれぞれ利点があります。どちらの利点も消滅することはありません。The Insight Partnersによると、EDIは246億ドルの市場価値を持ち、ほぼユビキタスな存在となっています。1 今後5年間で、この数字はほぼ倍増して492億ドルに達する見込みです(年平均成長率9.5%)。これに対し、Verified Market Researchによると、2020年のAPI管理の市場規模は18億ドルで、2028年には136億ドルに達し、年平均成長率は約29%になると予測されています。2

次第に、APIはEDIに完全に取って代わるものではなく、従来の電子データ交換戦略を補完するものと見なされるようになっています。多くのサプライヤが、APIとEDIを同じプラットフォーム上で一緒に実行できるだけでなく、最も重要なこととして、両者を相互作用させることもできる製品やサービスを提供しています。

EDIには、グローバルな電子サプライチェーンのデータ交換をサポートしてきた長年の確かな実績があります。EDIが、大量の取引を扱う企業にとって最有力候補であることは明らかです。APIは、加速化する市場に対応し、業界の新しい要求を満たすために迅速に進化・拡張することで、その役割を切り開いてきました。サプライチェーンの専門家にとって、特に両方を使用することに明確な利点がある場合、どちらか一方を選択する理由はほとんどありません。

参照資料:

1:Insight Partners:https://www.theinsightpartners.com/pr/electronic-data-interchange-edi-market

2:https://www.verifiedmarketresearch.com/product/api-management-market/

著者について

Image of Hailey Lynne McKeefry

ヘイリー・リン・マッキーフリーは、特に電子部品業界のサプライチェーンを中心に執筆活動を行っているフリーランスライターです。「サプライチェーン専門家が集う第一級のオンラインコミュニティ」である「EBN」の元編集長であるヘイリーは、キャリアを通じて様々な編集上の貢献を行うとともにリーダーとしての役割を担ってきました。彼女は、教会の助祭という聖職への取り組みと死別カウンセリングへの取り組み、それに仕事への取り組みとの間でバランスをとる生活を送っています。

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