最終学年の締めくくり
卒業研究プロジェクトは非常に重要です。このプロジェクトは受けた教育の集大成であり、将来の雇い主に対して自分の知識と経験を提示するものです。自分の力を発揮する機会として、真剣に受け止める必要があります。よく考えられて実施された卒業研究プロジェクトは、何年にもわたってキャリア上の利点を生み出します。そのようなプロジェクトは、知識や技術的経験だけでなく、チーム内での働き方も示します。卒業研究プロジェクトに取り組む間に習得および向上させるソフトスキルは、プロジェクトのトピック自体と同様に重要です。
最初に留意すべき点は、プロジェクトの適切な設計と実装フローです。これはプロジェクトの成功を左右し、複雑なタスクを簡単に管理できる小さな段階に分けることができます。DigiKeyはhttps://www.digikey.jp/ja/maker/roadmapにおいて、このためのプロジェクトロードマップフローを提供しています。このフローを正しく活用すれば、プロジェクトを実装するための段階的なプロセスが提供され、チームワークと協力を簡素化することができます。
チーム内で働くことが、中等教育後の経験において重要な部分となります。最初の化学実験から共同のプログラミング課題にいたるまで、調整する能力や製品を成功裏に提供する能力は、この業界で働くうえで大切です。多くの場合、見知らぬ人とペアを組み、自分と相手のスキルに頼って、技術的な課題に対処する必要があります。たとえパートナーが長年の友人であったとしても、プロジェクトに対応するための相手の能力や熱意についてはよく分からないかもしれません。しかし、実験作業の範囲はその本質によって制限されています。実行すべき作業の境界線は指導者によってすでに明確に引かれているため、行う必要があるのはその空白を埋めることだけです。
卒業研究プロジェクトは、協力によるこのアプローチを次のレベルへと引き上げます。複数のパートナー、またはチームと一緒に問題に対処する場合もあります。チームには最初にプロジェクトのフローチャートが提示され、予算を検討します。また、問題があいまいに定義されていたり、スポンサーがメモ帳にスケッチした製品アイデアにすぎなかったりするため、コードの最初の行を入力する前にチームが仕様を定義しなければならない場合もあります。プロジェクト用の部品を特定し、実行可能な高レベルの試作(例:加速度計を使用してスタンドアロン部品としての大まかなモーション検出を実行)を行う必要があります。またその過程で、チームメンバーに対処し、彼らを管理し、その意欲を高める必要があります。何よりも、プロジェクトスポンサーおよび指導教授(同一人物である場合もそうでない場合もある)と確実に連携する必要があります。いろいろな意味で、これは生徒が非常に多くの並列要素にさらされる最初の機会であり、プロジェクトの成否や最終成績を左右する可能性があります。また、これは卒業計画、雇用タイムライン、および卒業後の人生計画の成否も左右します。
プロジェクトを完成させるための主なソフトスキルは、(1)計画すること、(2)委任すること、および(3)背伸びをしないことです。プロジェクトのパラメータを定義し、目標を達成するための仕様を明確に記述することにより、プロジェクトがパラメータ内に収まるようにする必要があります。時間と共に、プロジェクト目標の変更に伴う微調整を行う必要があるかもしれません。機能不全のチーム力学に支配されることを望まないならば、細かく管理するのではなく、他者を信頼することを学び、不干渉主義的なアプローチを採用する必要があります。技術的な才能を持つ人が、必ずしも最善のチームリーダーになれるわけではありません。主な利害関係者(指導教授およびプロジェクトスポンサー)と一緒に期待値を設定する必要があります。これにより、製品が定義通りに提供されます。特にチームのメンバーが初めて多くの問題に対処している場合、大げさな約束をすると結果が期待外れとなる可能性が高くなります。
これは、チームが最も簡単に達成できる目標を選んで、技術的スキルが発揮されない「安全な」プロジェクトを提供するという意味ではありません。トピックの技術的複雑さは、チーム内のスキルセットを踏まえて慎重に検討する必要があります。プロジェクトは、チームの各メンバーが望んでいるキャリアパスへの足がかりにできるものでなければなりません。プロジェクトによって最初のキャリアが決まってしまう生徒を何人も見てきました。多くの場合、プロジェクトは履歴書に記載できる唯一の成果です。しかし、履歴書に記載するためには、プロジェクトが申し分のない完成度に達する必要があり、それはチーム力学と関係しています。
卒業研究プロジェクトは、中等教育後の教育期間中に学んだすべてのことを発揮する最高のチャンスです。このプロジェクトでは、自分とチームのメンバーが新しい立場で、有形製品を実現するために協力する必要があります。問題に対処するためにチームが必要とするソフトスキルや考え方は、プロジェクトの技術的側面と同様に重要です。これは、プロジェクトチームがしばしば見落としてしまう点です。DigiKeyは、一連のブログ記事において、卒業後のキャリアの成功にある程度役立つ逸話や経験を提供したいと考えています。今後もご期待ください!

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