保護機能を備えた高電流IGBTドライバを使用して、信頼性の高い産業用モータ制御を実現
DigiKeyの北米担当編集者の提供
2019-09-11
産業用制御アプリケーションのコスト削減およびエネルギー消費低減の取り組みを進める中で、設計者は高周波数、高電流のブラシレス直流(BLDC)モータに注目しています。これらのモータでは、電力密度を高めてスイッチングを高速化するため、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)よりも高速なIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を使う場合がますます増えています。しかし、高効率で安全に動作させるためには、BLDCモータコントローラの出力とIGBTパワートランジスタの間にバッファ回路を設ける必要があります。
バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)による「トーテムポール」回路で構成されるディスクリート回路は、このバッファの役目を果たすことができますが、そうしたソリューションでは通常、高電圧、高電流の過渡現象に対する保護が不十分です。また、デジタルコントローラの低電圧出力を、IGBTを適切に駆動するために必要な高い電圧、電流にレベルシフトすることもできません。この回路を追加すると、設計過程の複雑化および遅延、スペースの消費につながり、さらに部品点数も増加します。
このような問題に対処するため、BLDCモータアプリケーション向けの新世代の統合型高周波数ゲートドライバは、IGBTの駆動に必要なバッファと昇圧回路を組み合わせたもので、かつ保護回路も内蔵しています。このようなデバイスでは、効率を大幅に向上させる機能とともに、必要な周辺デバイスを少なくし、動作温度を下げることも必要です。フットプリントが小さいことにより、さらに高周波数モータの電力密度を増し、スペースを節約できます。
この記事では、さらにドライバの基本事項を簡潔に紹介し、最近の産業用電気モータアプリケーションにおける高電流IGBTドライバの役割について説明します。続いて、産業グレードのデバイスにおいて、保護と効率を最大化しつつ、コストと複雑さを最小化するには何に注意すべきかを説明します。その過程で、ROHM Semiconductor、Texas Instruments、ON Semiconductorのサンプルドライバを紹介し、それらを効果的にモータ設計に組み込む方法について検討します。
BLDCモータドライバの基本事項
電気モータの一般的なタイプは、巻線を制御シーケンス(転流)で励磁して発生した回転磁界によってローターを動かす3相DCタイプです。ローターの速度はモータの動作周波数に比例します。パルス幅変調(PWM)は、起動電流、トルク、出力を制御する基本動作周波数に重ね合わされます。
高周波動作には、固有の利点がいくつかあります。たとえば、電流リップル(交流(AC)入力の整流後に残る交流成分)が低減し、それによってフィルタリングに必要な受動部品のサイズおよびコストが低減します。また、高周波数動作では、モータコイルへの完全ではない正弦波入力によって生じる起電力(EMF)のむらも低減するため、モータの振動および摩耗が減少します。一般に、高周波スイッチングでは電力密度が増すため、所定の出力を得るのに使うモータを物理的に小さいもので済ませられます。
高周波数動作用閉ループ制御システムには、バリエーションがありますが、通常は以下のもので構成されます。
- 速度制御入力。適切なPWMをドライバに発生させてモータ転流を制御するコントローラ
- ローサイドとハイサイドのパワートランジスタを切り換えるドライバ
- モータコイルを励磁するハーフHブリッジ構成のパワートランジスタ
センサ制御BLDCモータの場合、制御ループはモータの回転軸を監視するホール効果センサからのフィードバックによって閉じます(図1)。センサレスモデルでは、モータ位置を逆起電力(BEMF)から計算します。(センサ付きおよびセンサレス3相BLDCモータ用閉ループ制御システム全体の設計詳細については、DigiKeyの記事「How to Power and Control Brushless DC Motors(ブラシレスDCモータの電力供給および制御の方法)」、「Why and How to Sinusoidally Control Three-Phase Brushless DC Motors(3相ブラシレスDCモータを正弦波制御する理由および方法)」、「Controlling Sensorless BLDC Moters via Back EMF(逆起電力によるセンサレスBLDCモータの制御)」を参照してください。)
図1:コントローラ、ドライバ、パワートランジスタハーフHブリッジで構成された典型的な3相BLDCモータ用閉ループ制御システム。この制御システムでは帰還回路にホール効果センサを使用していますが、センサレスシステムも普及しています。(画像提供:Texas Instruments)
ドライバは、BLDCモータコントローラ設計の重要部品です。これは基本的には、BLDCモータコントローラから低電力の入力を受けて、ハーフHブリッジのハイサイドおよびローサイドのパワーIGBTのゲート用に高電流駆動入力を発生させるパワーアンプです。とはいえ、高周波数動作用ドライバの最新版は高度に統合されており、できることは格段に増えています。
統合型IGBTドライバの利点
ディスクリート部品でIGBTドライバを構成することは可能です。パワートランジスタの駆動用に設計された、バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)による「トーテムポール」回路を示します(図2)。この例では従来のMOSFETが使われていますが、この構成はIGBTにも応用できます。
図2:ディスクリート型BJTトーテムポールMOSFETドライバは十分に機能しますが、電圧を反転し、シュートスルーの問題があるほか、保護機能がありません。(画像提供:Texas Instruments)
この回路の大きな2つの短所は、出力の電圧反転とゲート電圧過渡現象中のシュートスルーです。また、電源のオンオフ時(BJT駆動電圧がフル動作電圧に達する前に)、IGBTが高電圧および高電流の両方に曝される恐れもあります。それによって消費電力が増し、過熱や永久的な損傷を引き起こす場合があります。産業用BLDCモータに求められる安全規格を満たすために必要な保護回路を付加することは可能ですが、設計が難しくなり、追加部品によりコスト、複雑さ、サイズが増します。
ディスクリート型BJTトーテムポール回路に伴うもうひとつの問題は、レベルシフトがないことです。現在、BLDCモータ制御の主流はデジタル電源制御ですが、これは低電流/電圧の出力しかできません。たとえば、デジタルコントローラからのPWM信号は3.3Vの論理信号であることが多いのですが、これではIGBTを効率よくオンにできません。レベルシフトは、コントローラからの低電流/電圧のPWM信号を、IGBTを作動させるのに必要な高電流/電圧のPWM信号(通常9~12V)に上げるために必要です。
設計の複雑さの低減、開発期間の短縮、サイズの縮小のような明らかな利点とは別に、統合型高電流IGBTドライバは、ディスクリート型ソリューションのあらゆる問題に対応できます。また、このデバイスでは、高電流ドライバを物理的に電源スイッチの近くに配置することで高周波数スイッチングノイズの影響を最小化しつつ、消費電力とコントローラ内の熱応力も低減します。
たとえば、ROHM SemiconductorのBM60212FV-CE2統合型ゲートドライバなどのソリューションは、ハイサイドおよびローサイドのIGBTペアの駆動に理想的です。このデバイスは、3.3Vまたは5Vのコントローラ論理信号に適合し、最大1200Vのハイサイドフローティング電源電圧および最大24Vのゲート駆動電圧を供給します。最大ターンオン/オフ時間は75nsです。最大出力電流は4.5A(1µsのピーク電流は5A)です。
内蔵保護回路
BM60212FV-CE2のような新世代のIGBTドライバは、不足電圧ロックアウト(UVLO)および不飽和保護(DESAT)を主とする保護回路を内蔵しています。
UVLOは、スイッチオン中の過熱および損傷の防止に役立ちます。スイッチオン時にゲート電圧(MOSFETの場合、VGS、IGBTの場合、VGE)が低すぎると、トランジスタがすぐに飽和領域に入り、伝導損失と消費電力が増大する危険性があります。図は、VGSの値がパワートランジスタに与える影響を示したものです(図3)。この図でも説明にMOSFETを使用していますが、同様の特性がIGBTに当てはまります。赤い曲線の右側が、ドレインからソースへの一定電流(IGBTの場合はコレクタからエミッタへの電流)によって定義され、VGSに依存し、ドレイン-ソース電圧(VDS)には非依存の飽和領域です。
図3:完全にスイッチオンする前にMOSFETまたはIGBTが(赤線の右側の)飽和領域に入ると、損失が増大します。(画像提供:Texas Instruments)
その解決法は、MOSFETまたはIGBTを高速にオンにでき、消費電力が過度にならないようにするため、電力供給が十分な電圧レベルに達するまでゲートに電圧を印加しないようにするUVLOを組み込むことです。たとえば、Texas InstrumentsのUCC27512MDRSTEP IGBT(およびMOSFET)ゲートドライバは、電源電圧が設計者の決めた閾値に達しない場合にドライバ出力をグランドにするUVLOの仕組みを備えています(図4)。 UCC27512MDRSTEPは、8Aのピークシンク電流を提供するローサイドゲートドライバです。
図4:TIが提供するUCC27512MDRSTEPなどのIGBTドライバは、電源電圧が閾値に達するまでドライバがIGBTのスイッチングを開始しないようにするUVLOを備えています。(画像提供:Texas Instruments)
ON SemiconductorのNCV5702DR2Gは、DESAT機能を備えた典型的なIGBTドライバです。この保護回路は、IGBTのコレクタ-エミッタ電圧(VCE)を基準電圧と比較します。基準電圧よりも高い場合、IGBTドライバは出力を停止して、パワートランジスタを保護します。
NCV5702DR2Gは、モータ駆動アプリケーションでIGBTのハイサイドとローサイドのペアを駆動するように設計された高電流IGBTドライバです。このデバイスは、-0.3~5.5Vの入力から最大22Vの出力を供給できます。ピークシンク電流は6.8A(13V出力)で、ピークソース電流は7.8A(-5V出力電圧)です。
NCV5702DR2Gは、完全にオンになると、IGBTのVCEを監視します。通常動作では、最近のIGBTの場合、VCEは約3Vであるはずです。VCEが明らかにその数値を超えると、過電流や同様のストレス状態を引き起こしやすく、IGBTを損傷する恐れがあります。
始動時の短時間、VCEは通常高くなります(約1µs後に初めて低いレベルに落ちつく)。そのため、DESAT保護の作動が早くなりすぎるのを防ぐため、基準電圧との比較は「ブランキングタイム」分だけ遅延されます。この値はコンデンサCBLANKで設定します(図5)。
図5:ON Semiconductorが提供するNCV5702DR2G IGBTドライバのDESAT保護回路は、VCEが基準電圧VDESAT-THRよりも高くなるとIGBTへの出力をスイッチオフします。CBLANKは、IGBTが完全にターンオンする前にDESAT保護が作動しないように時間遅延を設定します。注:ON Semiconductorは、参照目的のためデータシートでNCD570xを使用しています。(画像提供:ON Semiconductor)
保護回路に加えて、統合型IGBTドライバは効率を向上させる機能を標準的に備えているため、ディスクリート部品で構成されたドライバより優れた性能を発揮します。
効率の最大化
BLDCモータの電力密度は、部分的には効率によって決まります。消費電力の大きなBLDCモータは、より大きなヒートシンクなど優れた熱管理が必要になり、ソリューションのサイズが大きくなります。
トランジスタのスイッチング中に発生する損失は、静的なものと動的なものに分かれます。静的損失がデバイスの寄生抵抗などのパラメータによって発生するのに対し、動的スイッチング損失は寄生容量が一因となって発生します。
スイッチング中のトランジスタの消費電力は、電源電圧、ゲート電荷(QG)、スイッチング周波数に比例します。所定の電源電圧に対して、スイッチング周波数を上げて電力密度を増すには、効率を損なわないようにするならば、QGを減らして対応する必要があります。
IGBTのQGに大きく寄与するのは、寄生容量であり、その主な部分はミラー容量です。ミラー効果は最初、三極真空管で確認されましたが、現代のトランジスタにも影響を与えており、スイッチングサイクルの段階中に入力端子と出力端子間の増幅容量によって全入力容量が増加する形で表れます。これは、QGの増加に加えて、高周波数におけるトランジスタのゲインを制限する主要因となります。
トランジスタがいわゆるミラープラトー領域で動作する場合、ミラー容量は最も重要です。この領域では、ゲート電圧が一定(通常は約10V)になるのに対し、ゲート駆動電流はIGBTがスイッチオン中かスイッチオフ中かによって、充電側か放電側に流れます。ミラープラトーで高駆動電流を供給するようにドライバを構成できると、その段階の時間を大幅に短縮でき、スイッチング損失の低減に寄与します。
ON SemiconductorのNCV5702DR2GやROHM SemiconductorのBM60212FV-CE2などのIGBTドライバは、ミラープラトー領域で高電流を供給することにより、ミラープラトーを短縮し、スイッチングをより厳密に制御できるようにします。具体的には、高電流駆動はIGBTスイッチング中のターンオンエネルギー(EON)を低減し、消費電力を抑えることができます。さらに、IGBTドライバ内部の低インピーダンスFETによって発生させたIGBTドライバの高電流により、高スイッチング周波数においても駆動回路の消費電力は外部の直列抵抗によるものが主となるため、熱の面から管理しやすくなります。
またミラー効果は、ローサイドIGBTスイッチングの損失を増す場合もあります。この問題は、ハイサイドIGBTのスイッチングがスイッチオフしたローサイドIGBTのコレクタでの電圧サージ(dv/dt)を引き起こす場合に生じます。電圧サージが、ミラー容量を通りローサイドIGBTのゲート容量へ向かうミラー電流を誘導します(図6(a))。ゲートからグランド(GND)へのパスに(ゲート抵抗RGによる)大きなインピーダンスがある場合、このミラー電流が閾値レベルを超えてゲート電圧を押し上げ、ローサイドIGBTが数十または数百ナノ秒間ターンオンする可能性があり、スイッチング損失が増大します。この状況を避ける1つの方法は、負のゲート電圧を実装することですが、2つめのDCソースが必要となる点がネックです。
もう1つの方法は、ゲートからGNDへの低インピーダンスのパスを用意することです。NCV5702DR2GやBM60212FV-CE2のようなドライバは、「アクティブミラークランプ保護」を備えています。これは、IGBTのゲートからゲートドライバのクランプピンへのトレースを追加することでこのタイプの保護を実装するものです。電圧出力(VO)がアクティブミラークランプの閾値(VMC-THR)を下回ると、クランプピンがGNDに短絡されて、IGBTのゲートの電圧が閾値電圧よりも高くならないようにし、ローサイドIGBTのスイッチングを防ぎます(図6(b))。IGBTのターンオン信号がゲートドライバ入力で受け取られるとすぐにクランプピンがGNDから切断されます。クランプピンが関わるのはゲート電圧がVMC-THR閾値を下回った後のみであるため、これによりこのピンの機能が(RGの選択により)ユーザー制御可能な通常のターンオフスイッチング性能に干渉しないようにできます。
図6:ハイサイドIGBTが、スイッチオフしたローサイドIGBTの電圧サージを引き起こすと、ミラー効果によってローサイドIGBTでの損失が増大する可能性があります。このサージが、ミラー容量を通りローサイドIGBT(a)のゲート容量へ向かう電流を誘導します。解決法(b)は、クランプピンをGNDに短絡して電圧がローサイドIGBTをターンオンするほど上がるのを防ぐことです。(画像提供:ON Semiconductor)
IGBTドライバ設計の考慮事項
高性能な統合型IGBTドライバを使用する場合でも、BLDCモータコントローラにおける望ましくない電圧スパイクやリンギング、誤ったターンオンを防止するには、克服すべき問題がいくつかあります。これらの問題は通常、不適切な電源バイパス、レイアウトの拙さ、ドライバとパワートランジスタの不整合の結果として生じます。
たとえば、IGBTをオン、オフすると大きな容量性負荷(例:10,000pF、50ns間に0Vから15V)に対する充放電が発生します。これに要する電流は3Aです(I = dV x (C/dt)より)。この例から、ドライバからの電流出力は電圧振幅および/または負荷容量に正比例し、立ち上がり時間に反比例することがわかります。実際の状況では、充電電流が一定ではなく4.7A付近がピークになることに注意する必要があり、ドライバにはこのピークに耐えるオーバヘッドを持たせることが重要です。ROHM SemiconductorのBM60212FV-CE2(出力4.5A、ピーク電流5A)のようなデバイスは、このアプリケーション用のよい選択肢になります。
ピーク電流値に加えて、設計者はIGBTドライバが電源からこの電流をわずか50nsで供給しなければならないことを覚えておく必要があります。この高速な電流供給を実現する1つの手法は、IGBTドライバの正のバイアス電源(VCC)ピンのすぐ近くに(その負荷容量の10倍以上の値と相補的なインピーダンス曲線をもつ)並列バイパスコンデンサのペアを付加することです。これらのコンデンサは、等価直列抵抗(ESR)および等価直列インダクタンス(ESL)を可能な限り小さくし、ピン長は最小にする必要があります。
IGBTドライバには、電流をグランドに戻す極低インピーダンスのパスが必要です。標準的なトポロジの場合、電流をグランドに戻すパスは3つあります。
- IGBTドライバとコントローラ間
- ドライバとその固有の電源間
- ドライバと駆動されるIGBTのエミッタ間
これらの各パスは、インダクタンスと抵抗を少なくするために長さを可能な限り短く、幅を可能な限り広くする必要があります。さらに、これらのグランドパスは、特に負荷からのグランド電流がコントローラ-ドライバ間インターフェースに影響を及ぼすのを防ぐため、分離しておく必要があります。よい方法は、プリント基板の銅プレーン1つをグランド専用にし、回路のすべてのグランド点が同一の物理的点に戻るようにしてグランド電位に差が生じないようにすることです。
高周波数スイッチングに必要な高速な立ち上がりと立ち下がりを実現するには、電流を流す導体の長さを最小にする必要があります。長さ1cmごとに約8nHのインダクタンスが加わるため、95A/µsのdi/dtによって配線長1cm当たり1.9Vの過渡電圧L(dI/dt)が発生し、ドライバの出力からこの分が差し引かれます。実際の影響としては、IGBTドライバの出力からIGBTゲートまでの導体長が増すごとに立ち上がり時間が長くなります。たとえば、導体長が1cm長くなるごとに、立ち上がり時間が8~28ns延びます。導体長が長い場合のもうひとつの悪影響は、高速スイッチングにより電磁妨害(EMI)が増す恐れがあることです。
最後に、IGBTドライバのインダクタンス値が小さいほど、スイッチング性能はよくなります。それは、このインダクタンスは事実上IGBTエミッタと直列であり、スイッチング時間を延ばすフィードバックを発生させるためです。IGBTドライバスイッチングでのハイサイドおよびローサイドのパワートランジスタのペア用の代表的な応用回路を図7に示します。
図7:UVLOおよびミラークランプを備えた高電流の統合型IGBT/MOSFETドライバ(この例は、ROHM Semiconductor BM60212FV-CE2)用の代表的な応用回路(画像提供:ROHM Semiconductor)
まとめ
産業用BLDCモータにおける、より大きな電流密度に対する要件により、従来のMOSFETディスクリート部品ソリューションでは対応が困難な要求が制御用電子部品に課されています。IGBTドライバは、高電流密度BLDCモータのIGBTを駆動するために必要な高周波数、高電流での動作に対するソリューションを提供します。これらのデバイスは、進化するにつれて、統合が進んで使いやすくなるとともに、パワートランジスタの保護、効率向上、省スペースの機能が加わっています。
すでに示したように、これらのIGBTドライバを十分に活用するには、ドライバおよび周辺部品をIGBTに必要な周波数および電源電流に適合させることに加え、プリント基板のレイアウトにも繊細な注意を払う必要があります。
出典
- Fundamentals of MOSFET and IGBT Gate Driver Circuits、2017年3月、Texas Instruments、Laszlo Balogh
- Low-side gate drivers with UVLO vs BJT totem-pole、2018年2月、Texas Instruments、Mamadou Diallo
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