光ファイバケーブルの調達の簡素化

著者 Lisa Eitel(リサ・アイテル)氏

機械メーカーは従来の銅導体ケーブルの代わりに光ファイバケーブルを採用し続けています。この傾向は、光ファイバケーブルが、高速の大規模データ転送に依存する産業用アプリケーション向けに、優れた帯域幅、電磁干渉の低減、データセキュリティの強化を実現できることによって後押しされています。

従来のケーブル調達の課題

余分な廃棄物やコストがかかるにもかかわらず、機械メーカーは従来、数百から数千フィートにも及ぶケーブルを収納した大きなリールやスプール上のケーブルをバルク形式で調達していました(図1)。このアプローチでは、設置のためのケーブルの測定、切断、コネクタ接続といった時間のかかる作業も想定されています。

光ファイバケーブルの画像図1:光ファイバケーブルはバルク形式で調達されることが多い。(画像提供:Dreamstime

光ファイバケーブルは標準のカット済みの長さでも販売されています。これらの長さには利便性がありますが、アプリケーションやケーブルレイアウトにその場で適合することは稀です。対照的に、カッティングサービスを提供する専門業者から購入することで、カスタマイズが可能になります。ただし、プログラムによってはリードタイムが長く、最低注文数量が決まっているため、小規模プロジェクトやカスタムプロジェクトに取り組むメーカーにとっては課題となる場合もあります。

Panduit Opti-Core屋内外全誘電体ケーブルの画像図2:Panduit Opti-Core屋内外全誘電体ケーブルは、さまざまなデータおよびネットワーク要件に対応します。この光ファイバケーブルは、遮水技術、高密度900μmタイトバッファファイバ、簡単なコネクタ接続を特長としています。アラミド糸が強度をもたらしています。(画像提供:Panduit

場合によっては、大手OEMはメーカーから直接ケーブルを購入することもできます。特注の構造や長さも可能ですが、そのような購入手配に見合った十分な数量が必要になることが多く、注文と製造スケジュールの調和を考慮する必要性が見込まれます。

対照的に、オンラインの電子部品販売業者から購入することで、在庫の問題や最小注文数の要件を回避することができます。今では、この方法で光ファイバケーブルをカットして注文することも可能です。

光ファイバケーブル切断の課題

光ファイバケーブルは、正確な切断とコネクタ加工が必要です(図3)。各ファイバは、ファイバ長に垂直な滑らかな端面を得るために、専用のクリーバできれいに切断する必要があります。また、切断は汚染物質のない清潔な環境で行わなければなりません。そのようにしないと、ファイバを適切に接続することが難しくなり、光散乱や伝送品質と効率を低下させるその他の問題が発生します。光ファイバ素線は従来のケーブルの銅素線よりもデリケートなため、切断時に過度に曲げたり、ねじったり、押しつぶしたりしてはなりません。

高精度クリーバの画像図3:高精度のクリーバは高価です。(画像提供:Dreamstime)

光ファイバケーブルの不適切な切断は、管理された製造環境よりもフィールドで起こりやすく、特に作業者が十分なトレーニングを受けていない場合にその傾向が見られます。さらに、ケーブルの損傷による問題を特定して修正することには、最善の状態でも時間がかかり、最悪の場合は不可能となります。特に、温度や湿度によって変化する環境要因とともに変動する断続的な問題の影響をコネクタが受けるような、最適とは言えないカットの場合はなおさらです。

Panduitファイバ終端エンクロージャの画像図4:あらゆるタイプのコネクタ装着とスプライシングには、正確にカットされたファイバ端が必要です。この写真は、ケーブル、終端器、スプライストレーを損傷から保護しながら、最大360本のファイバの接続を可能にするPanduitのファイバ終端エンクロージャです。(画像提供:Panduit

光ファイバケーブルを切断する際のもうひとつの難点は、生じるガラス片が実際に危険であることです。そのため、このようなケーブルを切断する作業員は、保護メガネと保護服を着用する必要があります。さらに、このようなケーブルの切断を担当する作業員は、手元のシングルモードまたはマルチモードファイバのタイプに適した切断器具と手法を使用する必要があります。

Digi-Spoolの物流上の利点

DigiKeyのDigi-Spoolプログラムは、機械メーカーが銅線ケーブルや光ファイバケーブルを1フィート単位で指定および購入できるようにすることで、ケーブル調達の問題に対処します。DigiKeyのプロフェッショナルは、適切な設備と手法を駆使して、製品を許容差+3%以内に切断し(これより短くなることはありません)、スプールに装填して出荷します。

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Digi-Spoolプログラムで購入された北米向けケーブルの99%は、その日のうちにカットされ出荷されます。ヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)の場合、Digi-Spoolプログラムを通じて注文されたケーブルは、最短48時間、アジア太平洋(APAC)地域では最短72時間で配達されます。

注文に応じて専門的にカットされるPanduitの高品質ケーブルの画像図5:DigiKeyは光ファイバケーブルメーカーのPanduitと提携し、注文に応じてプロが切断する高品質のケーブルを提供しています。このサービスにより、機械メーカーは、他の調達方法にありがちな無駄を省き、特定の要件に合わせた業界標準のケーブルを入手できます。(画像提供:DigiKey)

現在、DigiKey Digi-Spoolのワイヤおよびケーブル切断サービスは、機械メーカーが光ファイバコネクティビティの比類のない利点を、配備のための加工という課題なしに活用するのにも役立っています。メーカーによるUL認証が維持されます。カスタマイズサービスは、無駄を省き、在庫を最適化することで、より持続可能で費用対効果の高い生産工程を実現します。

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機械メーカーの設計と生産への影響

インテリジェントでコネクテッドな機械の需要が高まるにつれ、Digi-Spoolプログラムのようなサービスは、オートメーション産業にとってますます不可欠なものになると予想されます。

Digi-Spoolサービスにより、機械メーカーは、プロトタイプ、1回限りの機械製造、および自動化向けのストック設計用の光ファイバケーブルを迅速に調達できます。ラピッドプロトタイピングと反復設計の場合、Digi-Spoolサービスの迅速な出荷により、機械メーカーはテストと設計検証のために少量の光ファイバケーブルを調達することができます。その結果、設計から生産までのサイクルが効率化されます。競争の激しい市場で機械を製造する場合、Digi-Spoolサービスのターンキーにより、OEMは在庫管理やアセンブリ作業を省くことで、コストと市場投入までの時間を削減することができます。

まとめ

DigiKeyのDigi-Spool切断長指定ワイヤおよびケーブルサービスは、産業用アプリケーションでの光ファイバコネクティビティの採用をサポートしています。Panduitの光ファイバケーブルをこのプログラムを通じて入手できるため、機械メーカーは、カスタムカットに対してUL認証を維持する認定を受けた代理店から、広く採用されているブランドを指定することが可能です。指定切断サービスは、産業用オートメーションにおける光ファイバの採用増加とともに成長する見込みです。

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著者について

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Lisa Eitel(リサ・アイテル)氏

Lisa Eitel氏は、2001年からモーション制御業界で働いています。彼女が注力する分野には、モータ、ドライブ、モーション制御、動力伝達、リニアモーション、センシングおよびフィードバックテクノロジが含まれます。彼女は機械工学の理学士号を取得しています。Tau Beta Pi工学名誉協会(全米最古の工学名誉協会)の新参会員であるほか、女性エンジニア協会会員、FIRST Robotics Buckeye Regionalsの審査員を務めています。motioncontroltips.comへの寄稿に加え、Lisaは業界誌Design Worldで四半期ごとにモーション制御問題の制作も指揮しています。