UCC25800-Q1超低EMIトランスドライバ

Texas InstrumentsのUCC25800-Q1超低EMIトランスドライバは、スイッチング電力段、制御回路、保護回路を統合し、絶縁バイアス電源設計を簡素化します。この設計では、リークインダクタンスの大きいトランスを使っても、1次側から2次側への寄生容量をかなり小さくできます。この低容量トランスの設計では、バイアストランスを通過するコモンモード電流注入が大幅に低下します。このため、このトランスドライバは、高速スイッチングデバイスにより発生するEMIノイズを最小限に抑えることができ、多様な車載用アプリケーションの絶縁バイアス電源に最適なソリューションとなります。ソフトスイッチング機能は、EMIノイズをさらに低減します。

このトランスドライバの周波数範囲は、100kHz～1.2MHzでプログラム可能です。この高いスイッチング周波数により、トランスのサイズとフットプリント、そしてバイアス電源の総コストが削減されます。また、搭載されているSYNC機能を使ってシステムバイアス電源を外部クロック信号と同期させると、システムレベルのノイズをさらに低減できます。デッドタイムは、導通損失を最小化するように自動的に調整されるため、設計を簡素化できます。プログラム可能な最大デッドタイムにより、出力段の設計の柔軟性が確保されています。UCC25800-Q1トランスドライバは、低抵抗のスイッチング電力段を内蔵しているので、24V入力で6W、34V入力で最大9Wの設計を実現できます。固定入力電圧の場合、開ループ制御は、負荷が10%を上回ったときでも出力レギュレーションを±5%に保つことができます。プログラム可能な過電流保護（OCP）により、電源段の設計の柔軟性を高め、トランスのサイズを最小限に抑えられます。

保護機能として、OCP調整機能、入力過電圧保護（OVP）、過温度保護（TSD）、ピン故障からの保護などを備え、堅牢な動作が保証されています。1.5msの固定ソフトスタート期間により、起動時や障害回復時の突入電流を低減します。また、このトランスドライバには、外部ディスエーブル、および障害コード通知のための専用マルチファンクションピンが付いています。バイアス電源が保護モードになると、障害コード通知機能により障害コードが送信されます。UCC25800-Q1トランスドライバは、温度に対応能力が強化されており、サーマルパッド付き8ピンDGNパッケージで提供されます。