充放電可能なTDKのCeraCharge™全固体電池 – IoTアプリケーションのための新技術

次のような課題や問題に直面したことがある方なら、このブログ記事の内容に関心を持つに違いありません、

  • IATA規制によるリチウムイオンバッテリ搭載製品の空輸制約
  • リチウムイオバッテリに関する安全性の問題
  • コイン電池の自動アセンブリプロセスにおける製造上の課題
  • コイン電池または電池ホルダを装着した製品の堅牢性
  • 最終製品が宇宙空間で使用される
  • 幅広い動作温度範囲の必要性
  • コイン電池またはスーパーキャパシタの廃止の必要性

これらすべての課題に通じる答えは、TDKCeraCharge™(セラチャージ)です。これは、現時点で世界最小、充放電可能、しかもアセンブリが容易なソリッドステートの積層セラミック固体電池で、次のような特長があります。

  • オールセラミック構造
    • 液漏れがない
    • 燃えない
    • 爆発しない
  • SMT技術
    • リフローはんだ可能
    • 電池交換が不要
    • PCBに実装、電池ホルダ不要
    • 大量生産
  • 製品の堅牢性
    • 幅広い温度範囲
    • 真空アプリケーションに最適

TDKのCeraChargeは、リチウムイオンバッテリの長所とセラミック積層部品の安全性および製造上の利点を兼ね備えています(図1)。

図1:CeraChargeの構造(画像提供:TDK)

TDKのCeraChargeは、高速のパルス放電を特長としています(図2)。

図2:CeraChargeの典型的な放電特性とパルス電力(画像提供:TDK)

表1に、CeraCharge電池の基本特性をまとめました。

表1:CeraChargeの基本特性

TDKのCeraChargeは、直列と並列両タイプの接続に対応し、最大限に柔軟な設計を可能にします(図3)。並列接続の場合、放電容量は接続されているCeraCharge電池の数を掛けた数値になります。直列接続の場合、出力電圧は接続されているCeraCharge電池の数を掛けた数値になります。

図3:直列および並列接続のCeraCharge電池(画像提供:TDK)

CeraChargeの主な応用分野には、次のものがあります(これら以外にもあります)。

1.)ウェアラブルIoTデバイス(図4)

図4:CeraChargeを使ったウェアラブルIoTデバイスのブロック図(画像提供:TDK)

2.)リアルタイムクロック(RTC) (図5)

図5:CeraChargeを使ったRTCバックアップ電池アプリケーションのブロック図(画像提供:TDK)

3.)環境発電(図6)

図6:CeraChargeを使った環境発電アプリケーションのブロック図(画像提供:TDK)

4.)Bluetooth Low Energy(BLE)ビーコン(図7)

図7:CeraChargeをBLEビーコンに応用したブロック図(画像提供:TDK)

TDKのCeraCharge技術、使用分野、応用事例、充電シーケンス、実装プロセスなどの詳しい技術情報については、CeraChargeのデータシートCeraChargeアプリケーションノートv1を参照してください。

編集部注:この部品はエンジニアリングサンプルで、フルテストは行われていません。この部品は、機能評価および概念実証での使用にのみ適しており、生産現場での使用や最終用途には適していません。

著者について

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DigiKeyの地域アプリケーションエンジニア兼テクニカルサポートマネージャであるDany Haikin氏は、2012年以来、イスラエルおよび中東のDigiKeyのお客様のアプリケーションサポートおよびテクニカルサポートを主な担当としてきました。彼はエレクトロニクス業界で33年以上の経験を持ち、Technion - Israel Institute of Technologyから電気工学の学位を取得しています。

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