パワー変換 – ワイヤレス充電
イノベーションは、テクノロジー業界でよく使われる流行りの言葉です。ムーアの法則はそれほど話題にならなくなり、技術的な進化の度合いは新たな次元に達しています。しかし、イノベーションを設計に取り入れようとすると、それを真に実現するために欠かせない研究やテストに時間を割くのが難しい場合もあるでしょう。幸いにも、設計プロセスをより簡単にする革新的な製品を多くのパートナーが生産しており、DigiKeyのスタッフは、ソリューションをより早く見つけるために必要な情報をお届けしています。
パワー変換の分野では、製品の小型化、効率性の改善、ストレージ容量の向上にともなってイノベーションが実現されています。冗長性、電圧安定化、電流切替、または創意工夫が求められる他の要件など、どのようなソリューションが必要な場合でも、DigiKeyとAnalog Devices, Inc.(ADI)は製品をご提案します。ADIが提供するパイオニア的製品をいくつかご紹介しましょう。
小型で低消費電力のソリューションを見つけようとすると、それなりに難しい場合があります。ADIは、それらのニーズに応える製品も提供しています。こちらのビデオでは、補聴器やハンドヘルドアプリケーション用のワイヤレスバッテリチャージャとして、ADIのニッケル水素電池用LTC4123と、Liイオン電池用LTC4126のワイヤレス充電器を取り上げています。どちらのデバイスも、補聴器の充電に最適です。またビデオでは、ワイヤレス充電器レシーバとして、LTC4124とLTC4120および、ワイヤレスパワートランスミッタLTC4125も紹介しています。
LTC4123は低消費電力のワイヤレスレシーバで、最大25mAの充電電流によるニッケル水素電池用の充電器でもあります。充電するデバイスを筐体内に完全に収めたまま充電できるため、コネクタの必要性がなくなります。このデバイス自体がその温度を感知し、温度が上昇または低下しすぎると充電を一時停止します。LTC4123は2mm x 2mmのDFNパッケージで提供され、わずか4つの外付け部品で完全なソリューションを構成できます。デモボードとしてDC2302Aが用意されているため、設計者はLTC4123を動作テストして用途に適するかどうかを確認できます。
LTC4123用のデモボードDC2302A。(画像提供:Analog Devices)
LTC4126は、低消費電力のLiイオン電池ワイヤレス充電器です。この充電器に内蔵される降圧DC/DCレギュレータは、電池を電源とする低ノイズのマルチモードチャージポンプを搭載し、1.2Vの安定化電圧を出力します。充電時間は6時間の終了タイマで制御され、充電電流は7.5mAに固定されています。LTC4126は不足電圧保護機能を備えており、2mm x 2mmのLQFNパッケージで提供され、少数の外付け部品で完全なソリューションを構成できます。このデバイスにも、お使いのアプリケーションでの評価用として、デモボードDC2663A-KITが用意されています。
LTC4126用のデモボードDC2663A-KIT。(画像提供:Analog Devices)
LTC4124ワイヤレス充電器はLTC4123と似ていますが、Liイオン電池を充電し、充電電流は最大100mAのピン選択式です。NTC入力、過放電防止用の電池遮断機能を備えており、2mm x 2mmのLQFNパッケージで提供されます。LTC4124には、50mAと100mA充電用を含むいくつかのデモボードが用意されています。
LTC4124用のDC2770A-A-KITデモボードは、50mA出力用に設定されています。もう1つのデモキットDC2270A-Bは、100mA出力用として提供されています。(画像提供:Analog Devices)
LTC4120ワイヤレスレシーバ/バッテリチャージャは、Liイオン電池とポリマー電池に使用可能で(LTC4120-4.2)、プログラム可能なフロート電圧機能を備えることにより、LTC4120は複数の電池組成に対応できます。充電電流は、外付け抵抗を用いて50mA~400mAの範囲で設定できます。このデバイスは、DHC(Dynamic Harmonization Control)と呼ばれる技術を利用し、エアギャップを介しながら高効率での非接触充電が可能です。LTC4120は、過酷な環境や医療機器向けに使用できます。LTC4120-4.2には評価ボード(DC2181A-A)が用意されており、LTC2140デモボードとLTC4125はこれら独自のデモボードパッケージ(DC2386A-B)でペアになります。
DC2386A-Bデモキットには、LTC4120レシーバとLTC44125トランスミッタが含まれます。(画像提供:Analog Devices)
LTC4125モノリシックワイヤレスパワートランスミッタは、適切に調整されたレシーバに5Wを供給できます。このデバイスはAutoResonantスイッチングを使用し、LCネットワークの共振周波数と一致するように駆動周波数を自動調整します。LTC4125は、4mm x 5mmのQFNパッケージで提供されます。
ADIが手がけるもう1つの電源関連製品は、パワーコントローラです。コントローラは、あらゆる電源関連製品と同様またはそれ以上に進化して現代化されています。同期のために数学計算や手動での安定化を行っていた頃から長い時を経て、現在ADIは降圧同期コントローラを提供しており、LTC7821はその最新製品です。LTC7821を使用することで、標準的な48V入力12V出力のアプリケーションでは、スイッチング周波数500kHzで97%の効率を達成できます。このハイブリッド降圧同期コンバータは従来のデバイスより優れた電磁干渉(EMI)性能を発揮し、また同じ効率性を従来のデバイスで得るにはスイッチング周波数が3分の1でないと達成できません。LTC7821は、5mm x 5mmのQFNパッケージで提供されます。お使いのアプリケーションに使用した場合のLTC7821を評価できるように、デモボードDC2787Aが用意されています。
LTC7821評価用のDC2787Aデモボード。(画像提供:Analog Devices)
Analog DevicesとDigiKeyは、信頼性、電源要件への対応、最先端の設計を念頭に置き、ワンタッチで操作できる各種ソリューションをお届けできるように努力を続けています。Analog Devicesの電源管理ソリューションは、多様な電源ニーズにすばやく効率的に対応し、より短期間で設計を製品化して市場投入するために役立ちます。革新的な将来に向けて、今日の製品設計に力を与えます。
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