演色評価数およびそれが重要な理由
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2013-10-22
前世紀の中頃、科学者たちは、異なる種類の照光が、その光が当たる物体の知覚色にいかによく影響を及ぼすかを分類することが役立つと推論しました。 このような分類は、特定のアプリケーションに適合する照明の種類を照明技術者が指定するのに役立つと考えられました。 そこで、演色評価数(CRI)が誕生しました。
この指数により、照明メーカーは、異なる市場で製品をターゲットにすることができます。 写真家の作業場では高いCRIの照光が重要である一方で、街路照明の場合は効率のためにCRIが犠牲にされます。
LEDメーカーは、従来の照明との彼らの製品の直接比較を可能にするために、CRIを受け入れてきました。 この方法で光源を比較する能力は、ソリッドステート照明が、主流の照明の実行可能な代替であることを消費者に説得するのに役立つため、有用です。 しかし、赤色、緑色、および青色チップをグループ化することで形成される白色光LEDのCRIテストの有効性を疑問視する人々がいました。これは、このような照光下での色の知覚が、低いCRIが示すであろう数値よりもはるかに正確であると消費者が報告しているためです。
この記事では、CRIを定義し、製品がどのようにテストされ分類されるかを説明し、複数の現代的な白色LEDが従来の競合品とどのように比較されるかを考察します。
テストカラー方法
CRIは、理想的または自然な光源と比較してさまざまな物体の色を忠実に再現するための、光源の能力の定量的測度です。 この指数は、Commission Internationale de l'éclairage(国際照明委員会、略称:CIE、英語:International Commission on Illumination)によって 「演色:基準光源下での物体の見た目の色と意識的にまたは潜在意識的に比較することによる、光源が物体の見た目の色に与える影響」として形式化されました。
CRIは、テスト下の光源によって照光され、次に同じ相関色温度(CCT)の基準光源によって照光された時の、8つのCIE標準色見本の色度(または「見た目の色」)の差から計算されます。 (TechZoneの記事「白色LEDの色特性の定義」を参照してください。)
5,000K未満のCCTの場合、CRIの計算に使用される基準光源は、黒体ラジエータのスペクトルパワー分布(SPD)に適合します。 5,000Kを超えるCCTの場合、昼光の数学的モデルから計算された虚のSPDが使用されます。 これらの2つのリファレンス源は、本来、白熱ランプおよび昼光を近似するために選択されました。1 図1は、白色LEDを含むいくつかの一般的な光源と比較した、昼光向けのSPDを示しています。

基準光源とテスト下の光の間の8つの見本用色度の平均差が小さいほど、CRIは高くなります。 (CRIの計算を行うのに使用される実際の方法は複雑であり、この記事の範囲を超えていますが、興味がある読者はリファレンス2でテクニックに関する詳細情報をご覧ください。 また、独自のソフトウェアは、このプロセスを簡易化するために利用できます。) この色見本は色相環をカバーし、中等度の彩度で、明るさにおいてほぼ同じです。 また、強い赤色、黄色、緑色、および青色や、肌色および葉の色を表す6つの付加的なテスト色見本用データが利用可能です。
CIEは、この「テストカラー方法」を実行する方法を記載した技術レポートを1995年に発表しました。3
自然光は、可能な限り最善の値である100のCRIを有するものとして分類されています。 より低いCRI値は、テスト下の光により照光される時に、いくつかの色が不自然に見える可能性があることを示します。 白熱ランプは、95を上回るCRIを有しています。 この高い値は、従来の電球下での演色性が(より暗い青色を除いて)優れていることを意味し、消費者がこれらのエネルギー非効率なデバイスを、より環境に優しい技術と交換するのをためらう理由の1つとして挙げられています(図2)。

クールホワイトの蛍光ランプは、62のCRIを有していますが、希土類蛍光体を含む蛍光ランプは、80以上のCRI値で利用可能です。 水銀蒸気ランプは、CRIが45と低く、ハロゲンランプは、90以上の優れたCRIを備えている一方で、 コンパクト蛍光灯(CFL)は約80のCRIを有しています。 LEDはどうでしょうか。
LEDのCRI測定
一般的に、光源のSPDが昼光の「全スペクトル」から逸脱するほど、CRIは低くなります。 極端な例として、スペクトルの黄色の部分(約589.3nm)で約90%の光を発するナトリウム蒸気街灯からの光があります。 その結果として、ナトリウム蒸気ランプのCRIは0です。
LEDは、2つの方法を使用して白色光を生成します。 1つ目は、光が混合されて、人の目が「白色」を見ている錯覚を起こすように、密接にグループ化された赤色、緑色、および青色(RGB)LEDを使用する方法です。 (主流の照明向けにより一般的と判明した)2つ目のテクニックは、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)蛍光体と組み合わされた、藤紫色LEDの使用です。 この蛍光体は、LEDから青色光の一部を吸収した後、一部の緑色および赤色、そして多くの黄色から構成される広範な波長にわたってそれを再び発します。 (TechZoneの記事「より白くかつ明るいLED」を参照してください。)
図3は、個々のRGBデバイスから構成される白色光LED向けのSPDを示しています。 このスペクトルが、赤色、緑色、および青色源に対応するピークを示すことはほとんど驚くべきことではありません。 このスペクトルは、昼光の全スペクトルと非常に異なるため、この種類の白色光LEDは、CRIが27と低くなります。 しかし、これは事の全体像を捉えていません。というのも、消費者は、商用RGB LEDクラスタによって生成された白色光は、視覚的に魅力的であり、色が自然に見えると報告しているためです。 この反応についての1つの可能性のある理由として、この種類のLEDは一般的に、好ましくない色相シフトを生成せずに、ほとんどの色の知覚彩度を上げる傾向があることが挙げられます。4

より一般的な藤紫色LED/YAG蛍光体白色LEDは、昼光の全スペクトルにより近づきます。 図4は、CCTの範囲にわたるPhilips LumiledsのLUXEON 3535シリーズ LED向けのSPDを示しています。 このデバイスは、(100mA/3.1Vで)103ルーメン/Wの効率を備えています。 Philips Lumiledsを含む、蛍光体タイプ白色LEDのメーカーは、光の質およびそれに続くCRIを向上させるために、より広い波長を発する蛍光体の「調整」に多額を費やしています。 Philips Lumiledsのデバイスは、82のCRIを有しています。

他の主要メーカーは、高いCRIを備えた白色LEDを提供しています。Creeは、(700mA/2.9Vで)153ルーメン/Wの効率を特長とするXLamp XM-L2チップを供給します。 XM-L2のウォームホワイト(2600~3700K CCT)バージョン向けの一般的なCRIは80ですが、最大90のCRIを備えたデバイスが入手可能です。
OSRAMは、OSLON SSLファミリを含む高いCRIの白色LED製品群を供給します。 同社のSSL 150白色LEDデバイスは、83のCRIを備え、(350mA/2.95Vで)106ルーメン/Wを生成することができます。 全ファミリ向けのCRIは、65~95の範囲です。
照明基準
CRIは特に、工場やオフィスなどの、人工光が正確な演色性を実現することが重要な状況において、照明の基準としてうまく機能しています。 消費者は、高いCRI照明の利点を享受するようになりました。これは、1世紀以上の間家庭照明の中心である白熱電球がこの点においてうまく機能しているためです。
LEDは、高効率および長寿命を含む、従来の照明を凌ぐ多くの利点を提供しますが、消費者は、発せられた光が、より古い技術の光と少なくとも同様に視覚的に好ましい場合のみに、ソリッドステート照光への移行を考慮する可能性があります。
LEDメーカーが白色LED向けの蛍光体に大幅に投資している結果、彼らの製品向けのCRIは80以上に到達しています。 RGB白色LEDは遅れをとっていますが、技術者は現在、白色LEDが照明の実行可能な代替となる前に開発された、CRI計算のための現在のテストカラー方法が、これらの現代的なデバイスの演色特性を真に反映しているかどうかを評価しています。 (TechZoneの記事「光源の演色」を参照してください。)
リファレンス:
- 「演色評価数」、Lighting Research Center、Rensselaer Polytechnic Institute
- http://en.wikipedia.org/wiki/Color_rendering_index#Test_method
- 「光源の演色特性の測定および指定方法」、CIE、1995
- 「演色評価数およびLED」、米国エネルギー省、2008年1月
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