Schneider Electric Pro-face™ HMIによる可視化およびエッジコネクティビティ

著者 Aharon Etengoff

DigiKeyの北米担当編集者の提供

産業用オペレーター端末は、過酷な条件に耐えつつ、自動化されたインフラやロボット設備の可視化と制御を確実に提供しなければなりません。技術者は、複数のディスプレイサイズが選択可能で、エネルギー効率の高い動作をサポートし、長期運用を想定して設計されたIIoT対応のHMIを必要としています。

本記事では、Schneider ElectricPro-face HMI製品ラインアップが、包装、マテリアルハンドリング、アセンブリ、およびプロセスアプリケーションの自動化要件をどのようにサポートしているかについて説明します。ST6000モデル(例:PFXST6500WADE)は、高解像度TFTディスプレイ、低消費電力、LEDバックライト、IP65F等級のフロントパネルを備えています。ウェブベースのSTW6000ターミナル(例:PFXSTW6200WAD)では、PCがなくても標準的なウェブブラウザによる遠隔可視化が可能です。オンボードロジックを必要とするアプリケーション向けに、STC6000ユニット(例:PFXSTC6300TADDKE)は、HMIと制御機能を単一のハードウェアで統合します。

製品ラインナップ全体において、Pro-faceのHMIは、HTML5による可視化、複数のEthernetおよびシリアルインターフェース、ならびにOPC UA、MQTT、Modbusなどの一般的な産業用プロトコルをサポートしています。幅広い画面サイズ、取り付け形式、アクセサリにより、OEM機器への組み込み、アップグレード、後付けパネルへの取り付けが容易に行えます。IP規格対応構造、広い温度範囲、オプションの絶縁保護コーティングは、食品、飲料、マテリアルハンドリング、プロセス制御環境での使用が可能であり、後継モデルにおいても一貫したオペレーターインターフェースを維持します。

産業用オートメーションにおけるHMIの要件

自動化された産業機器は、生産ハードウェアと監視システム間の橋渡しとして、オペレーター端末に依存しています。HMIは、信頼性の高い可視化、予測可能な入力応答時間、PLC、ドライブ、分散I/Oとの確定的な通信を提供しなければならなりません。工場全体で、期待される要件は一貫しています。それは、迅速な画面更新、直感的なインターフェース、堅牢な構造、そしてメンテナンス計画を簡素化する長期的な製品のライフサイクルです。

工場がIIoTアーキテクチャを採用し、データ駆動型の最適化を実施するにつれて、ネットワークコネクティビティがHMIの選択をますます決定づけるようになっています。従来は単独の資産として稼動していた機械も、現在では診断、リモートアクセス、分析のためにITおよびOTシステムと連携するようになっています。これには、ブラウザベースのアクセスにはHTML5による可視化が、また、ヒストリアン、SCADAシステム、クラウドプラットフォームとのデータ交換にはOPC UA、MQTT、Modbusなどの産業用プロトコルが必要です。システムが進化するにつれて、下位互換とファームウェアのコネクティビティが確保されることで、再検証や統合作業の必要性が軽減されます。

環境およびハードウェアに関する考慮事項

環境耐久性もHMIの重要な要件です。食品、飲料ライン、包装システム、屋外キオスクでは、洗浄用化学薬品、幅広い温度範囲、粉塵、振動に端末が日常的にさらされます。IP規格準拠のシーリング、LEDバックライト、広い動作温度範囲、オプションの絶縁保護コーティングにより、予想外のダウンタイムを防止します。

パネルスペース、パワーバジェット、部品表(BOM)コストも、さらにHMI選択の指針となります。端末は、不必要なハードウェアを使わず、十分な処理リソースと通信ポートを提供しなければなりません。多くのOEMメーカーは、ディスプレイサイズや性能レベルを問わず共通の開発環境を共有するモジュラー製品ファミリを標準化しており、導入と長期サポートを簡素化しています。Schneider ElectricのPro-face製品ラインアップは、これらの要件に対応するため、3つのコアHMIファミリを提供しており、それぞれが特定の導入シナリオに最適化されています。

可視化に特化した端末(ST6000シリーズ)

Schneider ElectricのPro-face ST6000シリーズは、オンボードの制御ロジックを使用せずにローカルの可視化を必要とする機械向けに、パネル取り付け型のHMIアーキテクチャを提供します。高解像度TFTディスプレイとLEDバックライトにより、さまざまな環境光条件下や洗浄時の視認性を確保すると同時に、密閉エンクロージャ内の熱負荷と消費電力を低減します。IP65F等級のフロントパネルは、粉塵、水噴霧、洗浄薬品に耐性があり、食品、飲料、マテリアルハンドリング機器への導入を容易にします。

Schneider ElectricのPro-face ST6000ベーシックHMIの画像図1. Schneider Electric Pro-face ST6000 Basic HMIは、高輝度TFTディスプレイ、IP65規格対応のフロントシーリング、および低消費電力のLEDバックライトにより、密閉エンクロージャ内での効率的な動作を保証し、ローカル可視化を実現します。(画像提供:Schneider Electric)

ST6000プラットフォームは、複数の画面サイズとアスペクト比に対応し、小型OEM機からフルサイズのオペレーターステーションまで、一貫したインターフェースレイアウトが可能です。標準的な取り付けオプションにより、アップグレードやレトロフィットプロジェクトでのドロップイン置き換えが可能で、共通のソフトウェアツールにより、異なる地域や顧客向けにバリエーションを出荷する際の設計労力を軽減します。インターフェースが後継モデルでも一貫しているため、オペレーターや技術者は、機器の更新時にナビゲーションやアラーム処理を再学習する必要がありません。

コネクティビティは、複数のEthernetポート、RS-232/485インターフェース、SDカードを介したロギング、データ転送、PLCやドライブとの直接統合により、最新デバイスと従来デバイスの両方をサポートします。HTML5ベースの可視化機能により、診断やリモート支援用のブラウザベースアクセスが可能となり、専用のクライアントソフトウェアが不要になります。

小型のハードウェア設計によりパネル奥行きの削減に貢献し、SchneiderのPro-face BLUEソフトウェア環境では、画面オブジェクト、アラームバナー、トレンドチャートの再利用ができるため、試運転時間を短縮することができます。耐久性と低消費電力性を兼ね備え、ローカル可視化と長期可動性を求めるメーカー向けに、ST6000シリーズは不要な制御ハードウェアをなくした標準化されたプラットフォームを提供します。

ブラウザベースの可視化(STW6000シリーズ)

Schneider ElectricのPro-face STW6000シリーズは、リモートアクセスと簡素化されたメンテナンスを必要とする装置向けに、ウェブベースのHMIアーキテクチャを提供します。端末は標準的なブラウザでHTML5の画面を表示するため、オペレーターや技術者はクライアントソフトウェアを必要とせず、タブレットやノートパソコンから同一インターフェースにアクセスできます。これにより、故障診断や分散した資産のサポートに費やす時間を削減します。

Schneider ElectricのPro-face™ STW6000 Web HMIの画像図2. Schneider Electric Pro-face STW6000 Web HMIは、HTML5ベースのブラウザによる可視化と集中管理による更新を実現し、分散した資産全体でIIoTアーキテクチャとリモート診断を可能にします。(画像提供:Schneider Electric)

STW6000ハードウェアは、IP規格対応フロントパネル、LEDバックライト、広い動作温度範囲など、ST6000プラットフォームと同様の産業用特性を維持しています。この一貫性により、OEMメーカーは、衛生洗浄ゾーン、高湿度エンクロージャ、汎用包装やマテリアルハンドリング機械など、さまざまな設備にわたる可視化を標準化することができます。設計は、埋め込み取り付けと浅型エンクロージャに対応しており、スペースが限られた機械におけるパネルの奥行き削減に役立ちます。

可視化には標準的なウェブ技術を使用しているため、画面および診断情報の更新は中央で一元的に配信されます。エンジニアリングチームは、各機械に直接触れることなくインターフェース変更ができるため、複数ラインの導入時の試運転時間を短縮し、レトロフィット効率を向上させます。オペレーターやメンテナンススタッフは、適切なアクセス権限を持つネットワークデバイスから、アラーム、I/Oステータス、設定データにアクセスすることで、より効率的にトラブルシューティングを行うことができます。

STW6000の通信機能は最新のIIoTアーキテクチャをサポートしています。本端末はOPC UA、MQTT、Modbusを実行し、PLC、SCADAサーバ、クラウド分析システムとの直接データ交換を行います。Ethernetポートにより、制御ネットワークとサービスネットワークのセグメンテーションやアイソレーションが可能で、シリアルインターフェースは旧来機器との接続に活用できます。

STW6000シリーズは、コンベヤシステム、ピックアンドプレース装置、小型包装モジュール、またはリモートOEM装置などにおいて、 PCのオーバーヘッドなしで可視化機能を提供します。ブラウザベースのアクセスによりサポートツールが削減され、デバイス間のインターフェースが標準化され、分散した資産の集中管理が可能となります。

統合ロジックと制御(STC6000シリーズ)

一部の自動化装置では、別途PLCやHMIを別々に導入するコストや設置面積を必要とせずに、可視化とローカル制御が求められます。Schneider ElectricのPro-face STC6000シリーズは、HMI機能とオンボードロジックを単一プラットフォームに統合し、部品点数を削減するとともに、パネルレイアウトを簡素化します。このアプローチは、スペースや配線の複雑さが制約となる小型機械、単独のコンベヤ、スタンドアローンの自動化セルにおいて特に効果的です。

Schneider ElectricのPro-face STC6000の画像図3. Schneider ElectricのPro-face STC6000は、ロジックと可視化を単一の小型端末に統合し、モジュラーまたはスタンドアロンの自動化システムにおける配線と制御ハードウェアを最小限に抑えます。(画像提供:Schneider Electric)

STC6000ユニットは、ST6000プラットフォームと同様の高解像度TFTディスプレイ、LEDバックライト、IP規格対応のフロントパネルを備えています。使い慣れた開発環境により、技術者は同一ツールチェーン内で画面設定、アラーム設定、トレンドオブジェクト設定、データロギング設定を行いながら、制御動作のプログラミングが可能となります。個別のコントローラを配線する代わりに、I/Oをローカルまたはネットワーク化されたモジュールに直接マッピングされるため、組み立て時間の短縮とメンテナンスが必要なフィールドデバイスの削減を実現します。

統合ロジックは、完全なPLCを必要としない基本的なシーケンス制御、インターロック、および機械安全機能に対して、確定的な性能を提供します。Ethernetおよびシリアルインターフェースと組み合わせることで、本端末はドライブ、センサ、および上流コントローラと連携しながら、起動/停止コマンド、設定値、アラーム処理に対するローカル制御権限を維持します。モジューラー機器を供給するOEMメーカーにとって、このアーキテクチャは、独立したステーションとして機能するか、より大規模な自動化ネットワークに接続する標準化された設計を可能にします。

ネットワークプロトコルは、より幅広いPro-face製品ラインナップに準じています。STC6000端末は、SCADA、MES、クラウド分析システムとのデータ交換のためにOPC UA、MQTT、Modbusをサポートし、外部ゲートウェイなしで機械の診断や生産指標の取得を可能にします。ブラウザベースのアクセスにより、リモートサービスと監視の可視化が可能となり、さまざまなディスプレイサイズに対応した一貫したインターフェースを提供します。

従来のHMIとPLCを組み合わせたアーキテクチャでは追加コスト、配線、エンクロージャの奥行きが必要となるアプリケーションにおいて、STC6000シリーズは単一の設置面積内に統合ソリューションを提供します。これにより、部品表(BOM)の複雑さが軽減され、試運転が迅速化され、OEMメーカーが現場で機器の機能を拡張する際の明確な移行経路が提供されます。

最適なHMIの選択

可視化の要件、環境条件、ネットワークアーキテクチャ、および利用可能なパネルスペースが、HMI選択の指針となります。ローカルでのオペレーター操作のみを必要とする機器には、Pro-face ST6000シリーズが効率的なパネル取り付け型オプションを提供します。奥行きの限られたエンクロージャや高温環境に設置される機械には、熱負荷を軽減する低消費電力のLEDバックライトが有効です。

分散設置または遠隔で保守が必要な資産には、Pro-face STW6000が標準デバイスを介したブラウザベースのアクセスを提供し、診断と更新を簡素化します。可視化とローカル制御の両方が求められる場合、Pro-face STC6000はロジックとHMI機能を単一のプラットフォームに統合し、配線とエンクロージャサイズを削減しながら、確定的なシーケンスとアラーム処理を維持します。

環境要因やライフサイクル要因も選択の指針となります。IP65F等級のフロントパネル、広い温度耐性、オプションの絶縁保護コーティングにより、過酷な洗浄環境や粉塵の多い環境下での運用が可能です。Pro-face製品ラインアップ全体での長期供給により、OEMメーカーは次世代機械において一貫したインターフェースを維持でき、再検証や再トレーニングの負担を最小限に抑えることができます。

表1では、主要なアプリケーション環境をまとめ、各使用する目的に最適な HMIシリーズを提示しています。

対象アプリケーション 推奨シリーズ 主な利点
ローカルオペレーターパネル、汎用機械 ST6000 小型フォームファクタ、低消費電力、ディスプレイサイズを問わず一貫した可視化
分散型または遠隔システムで遠隔診断が必要な場合 STW6000 ブラウザベースのHTML5アクセス、集中管理型更新、IIoT対応プロトコル
可視化と制御の両方が必要な小型またはスタンドアロン機器 STC6000 統合ロジックと可視化、配線削減、単一取り付け面積
食品、飲料、プロセス環境 ST6000/STC6000 IP規格準拠のシーリング、LEDバックライト、広い動作温度範囲
マルチラインまたはモジュラーOEMプラットフォーム 全シリーズ 開発ツールと画面ライブラリの共有、プラットフォームレベルの継続性

表1:一部の対象アプリケーション向け推奨Pro-faceシリーズ。

まとめ

Schneider ElectricのPro-face端末は、信頼性の高い可視化、最新のコネクティビティ、長期にわたる製品供給を必要とするOEMメーカーや機械メーカー向けに、拡張性のあるHMIプラットフォームを提供します。ST6000シリーズは従来のパネル取り付け型オペレーターインターフェースを提供し、STW6000はPCなしでもブラウザベースアクセスを実現し、STC6000は小型装置向けに可視化とロジックを単一のデバイスに統合します。HTML5による可視化、産業用プロトコル、IP規格対応構造を備えた本製品ラインアップは、包装、マテリアルハンドリング、食品、飲料、プロセスアプリケーションをサポートし、後継モデルでも一貫したユーザーインターフェースを維持しています。

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著者について

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Aharon Etengoff

Aharon Etengoff is a technology writer with extensive experience in the semiconductor and telecom sectors. He develops white papers, technical articles, and high-level collateral for leading companies in both industries. His work has appeared in publications such as EE World Online, EV Engineering, and 5G Technology World. Aharon has written about HBM and GDDR memory, interface and security IP, AI-powered EDA tools, chiplets, 3DIC, and 5G wireless networks. Earlier in his career, he was the managing editor of TG Daily, where he led a team covering emerging tech trends.

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