電圧リファレンスを使用して高精度で安定したデータ変換を実現する方法

著者 Bill Schweber氏

DigiKeyの北米担当編集者の提供

モノのインターネット(IoT)を活用するためにアナログとデジタルの世界をより迅速かつ効率的に接続することが急がれる中で、ともすると電圧リファレンスの重要な役割を見逃しがちですが、それは得策ではありません。電圧リファレンスは、A/DコンバータとD/Aコンバータでアナログ入力値と出力値を「判断」するための主な基準として使用されており、信号とデータの正確な変換を行うために役立ちます。ただしそれは、適切に選んだ電圧リファレンスを正しく適用した場合に限られます。

この記事では、電圧リファレンスの構造と特性について概説し、どのように選択すればよいかを説明します。例として、Analog DevicesのADR43xシリーズの電圧リファレンスを紹介し、設計者が最新の電圧リファレンスの能力を最大限に引き出すために活用できるさまざまな特性、改良、および機能について説明します。この記事の説明では、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、およびシステムが全体として最大限の能力を発揮できるように、ADR43xデバイスの許容可能な限度内でこのデバイスを応用する方法を示します。

電圧リファレンスの重要な役割

電圧リファレンスは、電源レール、グランド(コモン)、高精度出力電圧の各接続から成る3端子デバイスが基本的な形態です(図1)。タスクに対して不適当であったり不適切に適用される電圧リファレンスは不正確になり、コンバータの出力の有効性と信頼性が損なわれます。

Analog DevicesのLT6656ファミリ、LT6656AIS6-2.5デバイスの図図1:電圧リファレンスの基本的な形は、入力電圧、出力リファレンス、グランド(コモン)の各接続を備えた3端子デバイスで、図にはAnalog DevicesのLT6656ファミリ、LT6656AIS6-2.5デバイスが示されています。(画像提供:Analog Devices)

設計者が、公称出力電圧、精度、許容誤差、その他のパラメータに関して適切な電圧リファレンスを選択したあとは、規定された性能がアプリケーション要件を完全に満たしデバイスの性能が損なわれないような方法で、電圧リファレンスを使用することが課題となります。その重要性はいくら強調しても足りないぐらいです。前述のように、電圧リファレンスは、A/Dコンバータがアナログ入力電圧をデジタル化するときにその電圧を判断するための主な基準になります。D/Aコンバータの場合、安定した信頼性の高い電圧リファレンスによって、コンバータは入力デジタルコードに対応する正確なアナログ出力電圧を生成できます。

電圧リファレンスの選択

ソリッドステートの電圧リファレンスには、埋め込みツェナーダイオード、トランジスタのVbeを使用したバンドギャップのアプローチ、2つの接合型FETが協調的に機能するAnalog DevicesのXFET®構成(米国特許第5,838,192号)の、3つの技術が最もよく使用されます。

電圧リファレンスの設計者は、それぞれのアプローチの繊細さや特性を話題にするかもしれませんが(正当な理由で)、大半の電圧リファレンスユーザーにとっては、性能、トレードオフ、アプリケーション、そしてコストの問題が論点になります。この記事でもその観点で論じています。

電圧リファレンスの内部コアリファレンスは、使用する技術の土台となるデバイスの物理的性質により「扱いにくい」値になる場合もありますが、電圧リファレンスは、その出力がコンバータの分解能やシステムのニーズに適した電圧になるような内部回路によって設計されています。

たとえば、多くの電圧リファレンスが、2.048V、2.5V、3.0V、4.096V、5.0Vなどの出力値の選択肢を持ちつつ、出力値以外は同一のデバイスのファミリとして提供されています。2.048Vと4.096Vの電圧リファレンスは、コンバータの解像度に「均等に」マッピングされるので便利です。たとえば、4.096Vの電圧リファレンスを使用する12ビットコンバータの公称スケーリングは、1mV/コンバージョンカウントです。

初期リファレンス精度はパーセントまたはミリボルトで指定され、アプリケーションによっては他のアプリケーションよりも高い精度が必要になるため、その精度は大きく異なります。一般的に、精度が高いほどその達成と維持が難しくなります。標準的なリファレンス仕様は、すべての条件下で最大±0.1%の誤差です。しかし、基礎となるトポロジやプロセス技術の進歩によって、その仕様も向上してきています。たとえば、4.096VのADR434電圧リファレンスはXFETのアプローチを使用しており、初期精度±5mV(Aサフィックス)または±1.5mV(Bサフィックス)という仕様になっています。

一方で、絶対的な精度よりも電圧リファレンスの安定性と長期的な一貫性の方が優先されるアプリケーションが数多くあります。その理由としては、デジタル化されたデータは後から修正できる、または絶対的な精度が比較結果やそれらの変化ほど重要ではなく、そのどちらもリファレンスの安定性によって左右される、ということが考えられます。このため、リファレンスの選択では、絶対的精度の必要性と安定性の必要性を比較検討し、安定性をいかに維持するかについて評価する必要があります。

この安定性には、重要な考慮事項があります。短い実験中にデータを取得する場合のような、短期間での使用に限られるのか。または1年以上の長期にわたるデータ収集のためなのか。これらは各プロジェクトで設計者が事前に留意すべき事項です。

外部電圧リファレンスと内部電圧リファレンス

さらに基本的な点として、独立した外部の電圧リファレンスが必要かを考慮する必要があります。Analog DevicesのAD7605-4BSTZ A/Dコンバータなどのコンバータには内部の電圧リファレンスがあり、基板スペースや部品表(BOM)を節約できます(図2)。また、電圧リファレンスの性能がコンバータIC全体の性能に含まれるため、データシートには完全に特性評価されたA/Dコンバータ読み取り精度の仕様を記載できます。

Analog Devicesの16ビットAD7605-4BSTZの図(クリックして拡大)図2:16ビットAD7605-4BSTZなど多くのA/Dコンバータには内部電圧リファレンスがあります。これにより、スペースの節約とBOMの削減に加えて、リファレンス性能がコンバータ全体の仕様に織り込まれるので誤差バジェット解析が簡単になります。(画像提供:Analog Devices)

ただし、コンバータコアが適していても内部電圧リファレンスでは必要な性能が得られない場合もあるので、大半のコンバータには外部電圧リファレンス用の接続があります。なお、特定アプリケーション専用でコスト重視のコンバータ(ローエンドの音声チャンネル用コンバータなど)では、対象の基準を満たす内部コンバータを備えるものもあり、その場合は外部電圧リファレンスの必要性もなくなります。それでも、外部電圧リファレンスであれば常に内部電圧リファレンスよりも優れた結果が得られると考えるのは短絡的です。内部電圧リファレンスの性能が、関連するコンバータの仕様に見合う場合もあるからです。

内部電圧リファレンスが適切であっても、外部電圧リファレンスの使用を検討する理由がもう1つあります。複数のコンバータICがある設計では、個々の内部電圧リファレンスが異なるか、または互いに同じようにトラッキングしない場合があります。電圧リファレンスの違いという理由だけで、結果として得られるデータは一貫しないものになり、これによりデータを相関させることが難しくなり、補正不能な解決できない誤差の原因になります。

このため、複数のコンバータを含んでいる高性能システムでは、一般的に、1つの共有式の外部電圧リファレンスを使用することが推奨されます。ただしその場合、電圧リファレンスがその基本性能を損なわずに複数のコンバータを「ドライブ」する能力についての懸念が生じることにもなりますが、その論点については以下で取り上げます。

電圧リファレンスの性能の維持

初期精度と許容誤差の仕様に加えて、電圧リファレンスには、性能を許容可能な範囲に留めるために解決すべき問題があります。それは次のようなものです。

  1. 電圧降下やノイズなど、レイアウトの問題
  2. 出力ドライブ(ソース/シンク)、負荷バッファリング、および過渡性能
  3. 短期的な安定性と温度関連のドリフト
  4. 経時変化、物理的なストレス、パッケージングによる長期的なドリフト

1.電圧降下やノイズなど、レイアウトの問題:高感度なアナログ信号の場合と同様に、静電圧をもたらすアナログ信号でも、電圧リファレンス出力とコンバータの間に過度の電流抵抗(IR)電圧降下が生じる可能性があります。大半の電圧リファレンス負荷は低いですが(数十mA程度)、10mAの控えめな負荷が100mΩを通過すると1mVの電圧降下をもたらし、バジェットに著しい誤差が生じる原因になります。

ADR43xシリーズの電圧リファレンスは、外部オペアンプの強制ループ内にケルビン接続構成で配線抵抗を含めることにより、この問題を解決しています(図3)。アンプは負荷において電圧をセンスするので、オペアンプのループ制御は出力が配線エラーを補償するように強制し、負荷において正しい電圧が生成されるようにします。

Analog DevicesのADR43xの図図3:ADR43xシリーズのデバイスは、電圧リファレンス出力とコンバータの電圧リファレンス入力接続間のIR降下がフィードバックループの一部になるように、外付けオペアンプを介してケルビン接続に構成することで、損失を補正します。(画像提供:Analog Devices)

負荷ノイズ、グランド(コモン)ノイズ、および不適切に分離された電源レールからのノイズピックアップなどによる外部のノイズも、コンバータで見られるように基準電圧に影響を与える可能性があります。さらに電圧リファレンスには、低周波数(0.1Hz~10.0Hz)と高周波数(10Hz~25kHz)の内部ノイズがあり、それらを評価する必要があります。ADR43xファミリに含まれるような高性能電圧リファレンスは、ピーク-ピーク(p-p)で3.5μV以下の低周波ノイズと、10Hz~10kHzで約200μV(ピーク)の高周波ノイズを特徴とします。

ADR431BRZ-REEL7のノイズ密度スペクトルを示します(図4)。各種の容量性負荷では、約1kHzまで比較的フラットで、以降に上昇し始めます。容量性負荷ゼロではフラットのままです。

ADR431BRZ-REEL7のノイズ密度と周波数のグラフ図4:ADR431BRZ-REEL7のノイズ密度と各種の容量性負荷の周波数のグラフは、約1kHzまで比較的フラットで、以降に上昇し始めます。ゼロ容量性負荷ではフラットのままで、負荷が上昇するにつれて急上昇します。(画像提供:Analog Devices)

ノイズを減らすための最も一般的な方法は、簡単な抵抗器-コンデンサ(RC回路)フィルタを追加することです。ただし、多くの電圧リファレンスの出力アンプは、大きな容量性負荷によって不安定になるとともに発振する場合があり、出力に数μF(マイクロファラッド)の大きな容量を接続することは、電圧リファレンスがそのために設計されていない限りできません。ADR43xデバイスの場合、この高周波ノイズが要件を超える状態が続く場合は、電圧リファレンスの基本接続を簡単なRCフィルタで補完することができます(図5)。

ADR43x電圧リファレンスの基本接続の図図5:ADR43x電圧リファレンスの基本接続には、入力側に2つのコンデンサと出力側に基本的な0.1μFのコンデンサ1つの、少数の外付け受動部品のみが必要です。(画像提供:Analog Devices)

ADR43x電圧リファレンス各種は、内部補償ノードへのアクセスを可能にする外部ピンを各タイプとも備えており、重要な回路の箇所に外部直列RCネットワークを追加できます(図6)。

ユーザーアクセス可能なパッケージピンを備えるAnalog DevicesのADR43xデバイスの図図6:ADR43xデバイスは、ユーザーアクセス可能なパッケージピン(ピン7)を備えており、このピンを使用して内部オペアンプに必要な補償を追加できます。(画像提供:Analog Devices)

RC回路の追加により、ユーザーは内部オペアンプの「過大な補償」を行い、不安定性を回避できます。また、周波数に対して許容可能な低ノイズレベルを得るようにコンデンサの値を選択できます(図7)。

ADR43xノイズ低減のグラフ図7:ADR43x電圧リファレンスを使用する設計者は、出力の不安定性を気にせず、目的のレベルのノイズ低減を得られるようにRCコンポーネントの値を選択できます。この図では、各種のRCの組み合わせでの周波数に対するノイズ密度のプロットが示されています。(画像提供:Analog Devices)

2.出力ドライブ(ソース/シンク)、負荷バッファリング、および過渡性能:大半の電圧リファレンスは内部でバッファされ、5mAないし10mAまでのソースおよびシンクが可能です。必要な負荷電流が電圧リファレンスのソース/シンク定格よりも大きい場合、外部バッファ(通常はユニティゲインにある)が必要になります。ただしバッファは、その不完全性(不正確さ、ドリフト)による影響から電圧リファレンスがシステム仕様から外れる原因にもなり得るので、望ましくない場合もあります。

ADR43xシリーズでは、外付けの電流ブーストバッファが不要になりますが、その理由は多くの場合、比較的高い+30mAソースおよび-20mAシンクの電流定格にあります。

また、電圧リファレンスの負荷は必ずしも一定でなく、A/Dコンバータ(またはD/Aコンバータ)の内部切り替えにより変化する場合があります。コンバータでの外部電圧リファレンス入力がバッファされれば、これは問題になりません。そうでない場合は、電圧リファレンスの過渡性能を調べる必要があります。場合により、過渡負荷があってもドライブを可能にするため、電圧リファレンスとコンバータの間に外部バッファが必要になります。繰り返しますが、バッファの性能はシステムエラー分析に織り込む必要があります。

3.短期的な安定性と温度関連のドリフト:電圧リファレンス出力は、アクティブな回路が安定しチップ上の熱勾配が安定するまでの時間によって、ドリフトします。大半の電圧リファレンスでこのターンオンセトリング時間は、通常、負荷静電容量により左右されますが、負荷コンデンサの影響は負荷が小さいADR431の場合は最小限に留まります(図8と図9)。

ADR431のターンオンセトリング時間のグラフ図8:ADR431(無負荷)のターンオンセトリング時間は約8μs(マイクロ秒)です。(画像提供:Analog Devices)

0.01µF負荷を加えたADR431のターンオンセトリング時間のグラフ図9:0.01μFの負荷を加えた場合、ADR431のターンオンセトリング時間は約8μsに留まります。(画像提供:Analog Devices)

データシートには決まった温度でのリファレンス精度が規定されますが、通常はターンオン値とは異なります。温度変化による出力の変化はシステムの精度要件を超えやすいので、適切な低ドリフト仕様の電圧リファレンスが必要になります。ADR43xファミリでは、-40°C~+125°Cの温度範囲の動作が規定されています。ADR434A(4.096V、初期精度±5mV)の場合、この係数は10ppm/°Cですが、ファミリの他製品では3ppm/°Cという低い値です。

4.経時変化、物理的なストレス、パッケージングによる長期的なドリフト:ドリフトは、電圧リファレンスの不正確さを大きく助長する要素になりがちです。全温度範囲での総合精度が±0.1%の電圧リファレンスを必要とするアプリケーションを考えてみましょう。設計者は、初期精度が±0.05%で温度係数が±5ppm/°Cと非常に低い高性能電圧リファレンスを選ぶこともできます。

25°C~125°Cの間で、温度係数によるドリフトは5ppm/°C×100°C、つまり500ppm(0.05%)となり、全誤差(初期誤差+ドリフト誤差)は±0.1%の要件に適合します。ハイエンドのアプリケーションの中には、温度安定化周波数設定の水晶振動子やクロックに使用されるものと同様の温度制御オーブンに電圧リファレンスを配置する場合もありますが、これは多くの状況で推奨されないか、または非実用的です。

リファレンスの精度が向上するとともに、その基本的な長期ドリフト(LTD)がリファレンスの精度を維持する上でより大きな要素になります。設計技術者にとって、LTDは特別な課題となります。なぜなら、LTDは設計の完全性と関連する部品の選択によってではなく、製造手順と製品の使用パターン次第で生じるからです。LTDの主な原因は、回路基板の組み立ての中で生じるパッケージへのストレスです。プラスチックパッケージのICは、基板のはんだ付け工程で生じる高温にさらされることで、形状がわずかに変化します。このストレス誘導による寸法の変化によって、電圧リファレンスチップにストレスがかかります。

結果として、これらの機械的なアセンブリに関連したストレスが低下し、数時間、数日、または数週間で正常に戻ることで、電圧リファレンスの出力が変化します。変化量は、レイアウト、デバイスのパッケージなどの要因によって異なり、通常は数十ppm程度の変化になります。また、電圧リファレンスチップとパッケージの関係は、デバイスが1年を通じて経時変化するにつれて「落ち着く」ことさえあるので、電圧リファレンスによっては、そのような長期間的なドリフトが規定される場合もあります。

大半の電圧リファレンスデータシートには、当初1,000時間の動作後の標準的なドリフトとしてLTDの仕様が規定されています。ADR43xシリーズのデータシートでは、1000時間のLTDが40ppm(標準)と規定されていますが、その後の1000時間のドリフトは最初の1000時間のドリフトよりも大幅に低下することにも注意が必要です。

このストレス誘導のドリフトに対する1つの解決策は、数時間かけて基板を何回か熱循環させることです。これにより、内部のストレスの緩和が促進されます。もう1つの解決策として、電圧リファレンスをセラミックパッケージに入れて使用することを検討します。その理由は、セラミックパッケージは一般にプラスチックパッケージよりも安定しており、プラスチックパッケージよりもたわみが少なくなるからです。実際には、多くのリファレンスがセラミックパッケージでは提供されていませんが、これはそれほど問題ではありません。プラスチックパッケージによる最新世代の電圧リファレンスは、セラミックパッケージのデバイスとほぼ同じくらいの優れたLTDパフォーマンスを実現します。

最後に、設計者は、電圧リファレンス自体の電源レール上の過渡による電圧リファレンスへの影響を無視することはできません。結局、リファレンスはさまざまな意味で特殊な「電源」なのです。そのため、負荷変動が出力精度への考えられる影響要因というだけでなく、安定したクリーンな直流(DC)入力ラインも、指定された性能を維持する上でもう1つの要因となります。とは言え、適切に設計された電圧リファレンスはパワー入力を厳格に調整します。ADR431の仕様では、7~18Vの入力電圧範囲で、ライン安定化ΔVOUT/ΔVINは5mV/ppm(標準)と20mV/ppm(最大)です(図10)。

500mVライン過渡でも出力に変化が見られないADR43xデバイスのグラフ図10:電圧リファレンスの電源レールにおける過渡は電圧リファレンスの性能に悪影響を与える可能性がありますが、適切な内部ライン安定化によってこれに対処できるはずです。たとえば、ADR43xデバイスでは500mVのライン過渡があっても出力に変化は見られません。(画像提供:Analog Devices)

まとめ

A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、またはディスクリート外付け部品のどの内部にある場合も、電圧リファレンスは、データコンバータを使用するシステムの重要な構成ブロックと言えます。電圧リファレンスの基本的な精度、ドリフト、その他のパラメータの向上は、システムレベルの性能向上につながります。

この記事で述べたように、設計者には、トポロジとプロセスの両方で、幅広い電圧リファレンス特性と性能向上の選択肢が用意されています。見かけはシンプルな電圧リファレンスでも、さまざまな静的および動的な動作条件における精度と一貫した性能を確保する機能が追加されているとともに、厳しい設計要件に対応するオプションを求める設計者に多くの要素を提供します。

参照資料:

  1. Analog Devices、AN-713、「The Effect of Long-Term Drift on Voltage References
  2. Analog Devices、Engineer Zone、「Trimming the ADR430
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著者について

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Bill Schweber氏

エレクトロニクスエンジニアであるBill Schweber氏はこれまで電子通信システムに関する3冊の書籍を執筆しており、また、発表した技術記事、コラム、製品機能説明の数は数百におよびます。これまで、EE Timesでは複数のトピック固有のサイトを統括するテクニカルウェブサイトマネージャとして、またEDNではエグゼクティブエディターおよびアナログエディターの業務を経験してきました。

Analog Devices, Inc.(アナログおよびミックスドシグナルICの大手ベンダー)ではマーケティングコミュニケーション(広報)を担当し、その職務を通じて、企業の製品、ストーリー、メッセージをメディアに発信する役割と、自らもそれらを受け取るという技術PR業務の両面を経験することになりました。

広報の業務に携わる以前は、高い評価を得ている同社の技術ジャーナルの編集委員を務め、また、製品マーケティングおよびアプリケーションエンジニアチームの一員でした。それ以前は、Instron Corp.において材料試験装置の制御に関するハンズオンのアナログおよび電源回路設計およびシステム統合に従事していました。

同氏はMSEE(マサチューセッツ大学)およびBSEE(コロンビア大学)を取得した登録高級技術者であり、アマチュア無線の上級クラスライセンスを持っています。同氏はまた、MOSFETの基礎、ADC選定およびLED駆動などのさまざまな技術トピックのオンラインコースを主宰しており、またそれらについての書籍を計画および執筆しています。

出版者について

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