統合型パワーモジュールを活用してDC/DCのノイズ・効率・レイアウト問題を解決する方法

著者 Bill Schweber氏

DigiKeyの北米担当編集者の提供

10ボルト(標準)以下の低電圧と2~15アンペア(A)程度の控えめな電流レベルであれば、基本的な降圧型DC/DCレギュレータを設計することは難しくないと思われます。設計者は、適切なスイッチングレギュレータICを選定し、データシートやアプリケーションノートに記載されている回路例を参考に、いくつかの受動素子(部品)を追加するだけでよいからです。しかし、設計は本当に完成して、試作や生産にすぐに出せるでしょうか?おそらく出せないでしょう。

レギュレータには必要なDCレールが付いていますが、まだいくつかの問題や課題を抱えている場合があります。第一に、効率がプロジェクト目標や規制要件を満たしていない可能性があり、その場合は、熱インパクトが大きくなるほか、電池寿命も短くなります。第二に、適切な起動、過渡性能、低リップルを実現するために追加部品が必要になる可能性があり、サイズ、製品化までの時間、部品表(BOM)全体に影響します。最後に、これがおそらく最も困難な課題ですが、さまざまな規制で規定される電磁干渉(EMI)や無線周波数干渉(RFI)に関する制限がますます厳しくなっているので、設計がそういった制限を満たすことができないため、再設計や、さらなる追加の部品とテストが必要になる可能性があります。

本稿では、基本的なDC/DCレギュレータの設計と、効率、低エミッションノイズ、リップルノイズ、総合的な集積度の要件を満たす、または上回る優れた設計を、それぞれの設計における期待と性能のギャップによって比較します。その後で、Analog DevicesのSilent Switcher µModuleを紹介し、それを使って複数の降圧型DC/DCレギュレータの問題を解決する方法を示します。

ICを使えばDC/DCレギュレータの設計がややもすれば簡単そうに見えますが

降圧型DC/DCレギュレータが広く使われているので、それに付いているDCレールも広く使われています。一般的なDC/DCレギュレータには、異なるレール電圧を供給するDCレールが数十個付いていたり、同じ電圧を持つ物理的に分離したDCレールが付いています。これらの降圧型レギュレータは一般に、DC 5~36ボルトの高い電圧を、1桁~2桁前半のアンペアで1ボルトの値まで安定化します(図1)。

画像:DC/DCレギュレータ(コンバータ)の役割図1:DC/DCレギュレータ(コンバータ)の役割は単純です。バッテリや、整流・フィルタリングされたACラインなど、安定化されていないDC電源を入力とし、厳密に安定化されたDCレールを出力します。(画像提供:Electronic Clinic)

基本的な降圧型レギュレータを設計する場合、良いニュースと悪いニュースがあります。良いニュースは、名目上「十分な」性能を持つ降圧型レギュレータを作ることが一般に困難ではないということです。レギュレータ作成作業の大部分を実行するために、電界効果トランジスタ(FET)を1つしか必要としないか、またはまったく必要とせずに、いくつかの受動素子しか必要としないスイッチングICが、多数販売されています。レギュレータのスイッチングICのデータシートには、ほとんどの場合、代表的なアプリケーション回路と、回路図、基板レイアウト、部品メーカー名と部品番号が記載されたBOMが掲載されているので、スイッチングICを使用しない場合よりもレギュレータ作成作業がはるかに容易になります。

設計上のジレンマは、「十分な」レベルの性能が、明らかでないレギュレータ性能パラメータに対しては十分でない場合があることです。出力DCレールは十分な電流と十分なライン/負荷安定化および過渡応答を提供するかもしれませんが、これらの要素は電源レールにとって物語のスタート地点にすぎません。

現実には、レギュレータはこうした基本的な性能基準以外の要素によっても評価されるのですが、そのような要素の一部は外部の必須条件から来ています。多くのレギュレータが対応すべき3つの重要課題は、「安定化されていないDC入力を受け入れて安定化されたDC出力を提供する機能ブロック」という単純な視点だけでは、必ずしも明らかにはなりません。重要課題とは以下のものです(図2)。

  • 冷却性能(Cool):効率が高く、熱インパクトが最小限
  • 静音性(Quiet):低リップルによるエラーのないシステム性能に加え、エミッション(非音響)ノイズ基準を満たす低EMI(電磁干渉)
  • 統合性(Complete):サイズ、リスク、BOM、製品化までの時間、およびその他ソフト面の懸念を最小化する統合ソリューション

画像:DC/DCレギュレータには、高い冷却性能 & 効率、低EMI、多機能の統合が要求されます。図2:DC/DCレギュレータは、単に安定した電源レールを備えているだけでなく、高い冷却性能 & 効率、低EMI、多機能の統合が要求されます。(画像提供:Math.stackexchange.com。筆者修正)

このような課題を解決するには、さまざまな困難があり、もどかしい思いをすることもあります。これは、「80/20の法則」、つまり、最後の20%の仕事を成し遂げるために労力の80%を費やすということとも符合します。3つの要素を詳しく見ていきましょう。

冷却性能:設計者は誰もが高効率を望みますが、具体的にどの程度の効率を、どの程度のコストで望んでいるのでしょうか?その答えは、「プロジェクトとそのトレードオフによる」という普通のものでしょう。高効率が重要な3大理由は、以下の通りです。

  1. 高効率とは、冷却性能がより高い製品になるということです。信頼性の向上、より高い温度での動作、強制空冷(ファン)の不要化(および可能な場合は効果的な対流冷却設定の簡素化)が伴います。ハイエンドでは、特に高温で動作する特定の部品を最大許容温度以下に抑え、安全な動作領域内に収める必要がある場合もあります。
  2. こういった熱的要素が懸念事項ではない場合でも、効率が高ければ、バッテリ駆動システムの稼働時間が長くなったり、上流のAC/DCコンバータへの負担が軽減されたりすることにつながります。
  3. 現在では、最終製品のクラスごとに特定の効率レベルを義務付ける多くの規制規格が策定されています。これらの規格では、製品内の各レールの効率までは設計者に問われませんが、全体の総合的な効率が規定を確実に満たしていることが要求されます。各レールのDC/DCレギュレータの効率が高ければ、これは容易なことです。他のレールやその他の損失源との合計でヘッドルームを確保できるためです。

静音性:設計者にとって懸念となるノイズは、大きく分けて2種類あります。1種類目は、DC/DCレギュレータの出力に発生するノイズやリップルです。これらは、システムの性能に悪影響を与えない程度に小さくする必要があります。この懸念はますます大きくなっています。デジタル回路ではレール電圧が1桁台まで下がり、高精度アナログ回路でも数ミリボルトのリップルでも性能が低下するためです。

2種類目のノイズである、もうひとつの大きな懸念は、EMIに関するものです。伝導EMIエミッションとエミッションEMIエミッションの2種類があります。伝導エミッションは、製品に接続されるワイヤやトレースで発生します。ノイズは設計内の特定の端子やコネクタに局在するため、レイアウトやフィルタ設計を工夫すれば、伝導エミッション要件への準拠は通常、開発プロセスの比較的早い段階で実現することができます。

これに対し、放射エミッションはもっと複雑です。回路基板上の電流を流すすべての導線では電磁場が発生しており、基板上のトレースはアンテナのようなもの、銅プレーンは鏡のようなものとなります。純粋な正弦波やDC電圧ではないものはすべて、広い信号スペクトルを発生させます。

難しいのは、慎重に設計しても、システムがテストされるまで設計者は放射エミッションがどの程度悪くなるかを知ることができず、また、放射エミッションテストは設計が完全に完了するまで正式に行うことができないことです。EMIを低減させるため、さまざまな技術を使って特定の周波数または周波数範囲におけるレベルを減衰させるフィルタが使用されます。

宇宙から放射されるエネルギーの一部は、シートメタルを磁気シールドとして使用することで減衰します。基板のトレースで発生する低周波(伝導エミッション)部分は、フェライトビーズなどのフィルタで制御します。シールドは有効な手法ですが、新たな問題が発生します。電磁波の影響を受けにくいシールドを設計しなければならないのですが、これが意外と難しいのです。コストと面積が増え、熱管理やテストが難しくなり、さらにアセンブリコストも増えます。

シールド以外の手法は、レギュレータのスイッチングエッジを遅くすることです。しかし、この場合、効率の低下、最小オン/オフ時間や必要なデッドタイムの増大、電流制御ループ速度の低下という好ましくない影響があります。

さらにもう1つの手法は、主要な設計パラメータを慎重に選択することによって、EMIの放射を低減するようにレギュレータ設計を調整することです。レギュレータのこれらトレードオフ間でバランスを取るには、スイッチング周波数、フットプリント、効率、発生するEMIなどのパラメータ間の相互作用を評価する必要があります。

たとえば、スイッチング周波数を低くすると通常、スイッチの損失やEMIが減少し、効率が向上しますが、部品が大きくなり、それに伴いフットプリントも増加します。また、より高い効率を追求すると、最小オン/オフ時間が短くなって、スイッチ遷移が速くなるため、高調波成分がさらに高くなります。一般に、スイッチング周波数が2倍になるごとに、EMIは6デシベル(dB)悪化します(ただし、スイッチ容量や遷移時間など、他のすべてのパラメータが一定であると仮定した場合)。広帯域EMIは1次ハイパスフィルタのように振る舞い、スイッチング周波数が10倍になるとエミッションが20dB高くなります。

この問題を解決するため、経験豊富な基板設計者は、レギュレータの電流ループ(ホットループ)を小さくし、できるだけ活性層に近いシールドグランド層を使用します。ただし、特定の最小ホットループサイズが、デカップリング部品への十分なエネルギー貯蔵に必要なパッケージサイズ、パッケージ構造、ピン配列、熱設計要件から決定されます。

レイアウトの問題をさらに深刻にしているのは、一般的なプレーナ基板では、30メガヘルツ(MHz)を超えると、トレース間に磁気結合やトランス結合が発生することです。高調波周波数が高いほど不要な磁気結合が有効になるため、これらの結合によりフィルタリングの効果が弱まります。

関連する規格とは

EMIの世界では、指針となる単一の規格は存在しません。アプリケーションおよび関連する規制の規定によって大きく左右されます。最も引用されている規格としては、EN55022、CISPR 22、CISPR 25があります。EN 55022はCISPR 22を改良したもので、情報技術機器に適用されます。この規格は、欧州電気標準化委員会(CENELEC)が作成した規格で、電気工学分野の標準化を扱っています。

これらの規格は複雑で、テスト手順、プローブ、計測器、データ解析などを規定しています。この規格に規定されている多くの制限の中で、通常、設計者が最も関心を持つのは、クラスBの放射エミッション(妨害波)制限でしょう。

統合性:設計の状況がある程度わかっていても、必要な構成コンポーネントを適切に選定し、採用することは難しいものです。コンポーネントの配置や仕様、基板のグランドやトレースなどの要素におけるわずかな違いが、性能に悪影響を与えることがあります。

モデリングとシミュレーションは必要であり、助けになりますが、コンポーネントの寄生素子の特性を評価することは非常に難しく、特に寄生素子の値が変化する場合はなおさらです。さらに、ベンダー側の変更や、優先ベンダーによる予告なしの変更により、第2ティアまたは第3ティアのパラメータ値(例:インダクタの直流抵抗(DCR)など)が微妙に変化し、予期しない重大な結果をもたらす場合があります。

さらに、受動素子をわずかに位置変更したり「もう一つ」追加したりするだけでも、EMIをめぐるシナリオが変化し、許容される制限を超えるエミッションが発生する可能性があります。

以上の課題を解決するSilent Switcher µModule

リスクを予測し管理することは、設計者として当然行うべき仕事です。前述のリスクの数と強度を減らすことは、最終製品の戦略として標準的です。そのための解決策は、優れた設計と実装により、高い冷却性能、優れた静音性、多機能の統合を実現したDC/DCレギュレータを使用することです。既知のデバイスを使用することで、不確実性を低減するとともにサイズ、コスト、EMI、BOM、アセンブリのリスクを解消します。また、それにより、市場投入までの時間を短縮し、規制遵守の悩みを軽減することができます。

Analog DevicesのSilent Switcher µModuleのような統合型レギュレータファミリのDC/DCレギュレータは、必要な電圧・電流定格に適合するとともにEMIの規定を満たし、サイズとコストをあらかじめ知ることができるとともに、予期しないことが起こらないようにすることができます。

これらのレギュレータは、通常のレギュレータよりもはるかに多くの革新的な回路やトポロジを組み込んでいます。これらのレギュレータで使用される技術は、以下の通りです。

  • 技術その1:レギュレータのスイッチングがRF発振器またはRF源として機能し、ボンドワイヤと一体となってアンテナとして機能します。ところが、これによってアセンブリは、許容される制限を超える望ましくないエネルギーを持ったRF送信機となってしまいます(図3、図4、図5)。

画像:ICダイとパッケージを結ぶボンドワイヤ図3:ICダイとパッケージを結ぶボンドワイヤは、小型アンテナとして機能し、望ましくないRFエネルギーを放射します。(画像提供:Analog Devices)

画像:ワイヤボンドをフリップチップ技術に置き換えることから始まるSilent Switcherの組み立て図4:Silent Switcherの組み立てでは、まずワイヤボンドをフリップチップ技術に置き換えることで、エネルギーを放射するワイヤをなくします。(画像提供:Analog Devices)

画像:アンテナを事実上なくすフリップチップ方式図5:フリップチップ方式は、アンテナを事実上なくし、放射エネルギーを最小化します。(画像提供:Analog Devices)

  • 技術その2:左右対称の2つの入力コンデンサを使って、互いに逆方向の電流を作り出して相殺することで、EMIを抑制します(図6)。

画像:ミラーリングされるデュアル入力コンデンサ図6:EMIを抑制するために、ミラーリングした2つのデュアル入力コンデンサも追加します。(画像提供:Analog Devices)

  • 技術その3:最後は、磁界を打ち消すために逆向きの電流ループを利用することです(図7)。

画像:逆向きの電流ループを含む内部レイアウト図7:電流ループを逆向きに配置した内部レイアウトによっても、望ましくない磁界が打ち消されます。(画像提供:Analog Devices)

このSilent Switcher µModuleは、構成素子を搭載したICから、コンデンサ内蔵のLQFN IC、さらには必要なコンデンサやインダクタを搭載したµModuleへと、降圧型レギュレータの設計とパッケージングを進化させたものです(図8)。

画像:パッケージへのコンデンサとインダクタの組み込み図8:コンデンサとインダクタをパッケージに組み込んだSilent Switcher µModuleは、IC用スイッチングレギュレータの進化において第3ステージにあります。(画像提供:Analog Devices)

ニーズとトレードオフに対応した幅広い製品

Silent Switcher µModuleは、入力電圧範囲、出力電圧レール、出力電流の定格が異なるさまざまな各種ユニットで構成されています。たとえば、LTM8003は、入力3.4~40V、出力3.3V、連続電流3.5A(ピーク6A)のμModuleです。これは、CISPR 25 Class 5の制限を満たしていますが、サイズはわずか9 × 6.25mm、高さ3.32mmです(図9)。

画像:小さな統合型パッケージであるAnalog DevicesのLTM8003 Silent Switcher(クリックして拡大)。図9:LTM8003 Silent Switcherは、放射エネルギーに関するCISPR 25 Class 5のピーク上限(DCから1000 MHzまで)を簡単に満たすことができる小さな統合型パッケージです。(画像提供:Analog Devices)

また、故障モード影響解析(FMEA)に準拠したピン配置(LTM8003-3.3)で提供されています。つまり、隣接ピンの短絡時やピンが浮いた状態でも、出力が安定化電圧以下となるように設計されています。静止電流の標準値はわずか25μAで、Hグレードのバージョンは150℃の動作定格を備えています。

設計者がレギュレータを試用し、アプリケーションに対する性能を評価できるように、デモンストレーション(デモ)ボードDC2416Aが用意されています(図10)。

画像:Analog DevicesのDC2416Aデモボード図10:DC2416Aデモボードは、Silent SwitcherデバイスLTM8003を簡単に接続し、評価できるようにするものです。(画像提供:Analog Devices)

このデバイスが持つトレードオフの性質を示しているのは、同種のSilent Switcher µModuleファミリメンバである、LTM4657(3.1~20V入力。8Aで0.5~5.5V出力)とLTM4626(3.1~20V入力。12Aで0.6~5.5V出力)です。LTM4657は、LTM4626よりも高い値のインダクタを使用しているので、低い周波数で動作させることが可能であり、スイッチング損失を低減することができます。

LTM4657は、負荷電流が少ないアプリケーションや入力電圧が高いアプリケーションなど、スイッチング損失が大きくても伝導損失を小さくしたい場合に適したソリューションです。LTM4626とLTM4657を同じスイッチング周波数、同じ12V入力、5V出力で動作させた場合は、LTM4657の方がスイッチング損失を低くできます(図11)。また、LTM4657のインダクタの方がインダクタンス値が高いため、出力電圧のリップルを低減します。これに対し、LTM4626はLTM4657よりも多くの負荷電流を供給することができます。

グラフ:Analog DevicesのLTM4626とLTM4657の効率比較図11:DC2989Aデモボードに搭載した同一構成のLTM4626とLTM4657の1.25MHzにおける効率比較。わずかではあるが目に見える違いがあります。(画像提供:Analog Devices)

LTM4657の性能を評価するにはデモボードDC2989Aを使用でき(図12)、LTM4626を評価するにはDC2665A-Aボードを使用できます(図13)。

画像:Analog DevicesのDC2989Aデモボード図12:Silent Switcher LTM4657を迅速に評価できるように設計されているDC2989Aデモボード(画像提供:Analog Devices)

画像:Analog DevicesのLTM4626 Silent Switcherモジュール用デモボードDC2665A-A図13:LTM4626 Silent Switcherモジュールを簡単に試用・評価できるように用意されているデモボードDC2665A-A(画像提供:Analog Devices)

Silent Switcher µModuleは、シングル出力モジュールだけではありません。たとえば、LTM4628は統合型のデュアル8A出力のスイッチングDC/DCレギュレータであり、シングル2相16A出力に簡単に構成することができます(図14)。このモジュールは、15mm × 15mm × 4.32mmのLGAパッケージと、15mm × 15mm × 4.92mmのBGAパッケージで提供されます。スイッチングコントローラ、パワーFET、インダクタなど、すべての構成コンポーネントが含まれています。

図:デュアル出力、8A/チャンネルのスイッチングDC/DCレギュレータ、Analog Devices製LTM4628(クリックして拡大)図14:LTM4628は、デュアル出力、チャンネルあたり8AのスイッチングDC/DCレギュレータとして構成することも、あるいはシングル出力、16A出力として構成することもできます。(画像提供:Analog Devices)

このモジュールは、4.5~26.5ボルトの入力電圧範囲で動作し、出力電圧範囲0.6~5.5ボルトをサポートしています。出力電圧は外付け抵抗器1本で設定できます。このモジュールのシングルまたはデュアル出力のデバイスとしての性能は、デモボードDC1663A(図15)を用いて調べることができます。

画像:Analog DevicesのデモボードDC1663A図15:シングル/デュアル出力LTM4628の評価は、専用のデモボードDC1663Aを使用することで加速されます。(画像提供:Analog Devices)

まとめ

DC/DCレギュレータの設計は、市販のICを使えばかなり簡単にできます。しかし、高い効率、多機能の統合、およびしばしば多岐にわたるだけでなく紛らわしく厳格な規制当局の規定をすべて満たすレギュレータを設計することは、それほど簡単ではありません。Analog DevicesのSilent Switcher µModuleは、設計プロセスを簡素化します。µModuleは、優れた冷却動作と高効率の動作、許容された制限以下のEMIエミッション、ドロップインで実装できる統合ソリューションといった目標を達成することで、それらに関するリスクをなくします。

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著者について

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Bill Schweber氏

エレクトロニクスエンジニアであるBill Schweber氏はこれまで電子通信システムに関する3冊の書籍を執筆しており、また、発表した技術記事、コラム、製品機能説明の数は数百におよびます。これまで、EE Timesでは複数のトピック固有のサイトを統括するテクニカルウェブサイトマネージャとして、またEDNではエグゼクティブエディターおよびアナログエディターの業務を経験してきました。

Analog Devices, Inc.(アナログおよびミックスドシグナルICの大手ベンダー)ではマーケティングコミュニケーション(広報)を担当し、その職務を通じて、企業の製品、ストーリー、メッセージをメディアに発信する役割と、自らもそれらを受け取るという技術PR業務の両面を経験することになりました。

広報の業務に携わる以前は、高い評価を得ている同社の技術ジャーナルの編集委員を務め、また、製品マーケティングおよびアプリケーションエンジニアチームの一員でした。それ以前は、Instron Corp.において材料試験装置の制御に関するハンズオンのアナログおよび電源回路設計およびシステム統合に従事していました。

同氏はMSEE(マサチューセッツ大学)およびBSEE(コロンビア大学)を取得した登録高級技術者であり、アマチュア無線の上級クラスライセンスを持っています。同氏はまた、MOSFETの基礎、ADC選定およびLED駆動などのさまざまな技術トピックのオンラインコースを主宰しており、またそれらについての書籍を計画および執筆しています。

出版者について

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