コネクタ – 基礎

著者 Nathan Raatz

DigiKeyの提供

コネクタは、ほとんどすべての電子プロジェクトの重要な部分です。使用可能なコネクタおよび留意する必要のある仕様に関する考慮事項を理解することは、設計プロセス全体を通じて重要なことです。プロジェクトの終わり近くで、コネクタを追加する必要があることがわかり、時間と費用が増えるためプロジェクトの調整が必要であることが判明するのでは困ります。

プロジェクト用のコネクタを選択するときは、コネクタの要件を指定するために考慮する必要があることがいくつかあります。一般的な質問事項を次に示します。

  • コネクタには何個の端子が必要ですか?
  • 各コネクタをどのように実装することが望ましい、または必要ですか?
  • どのような方法で何を実装する必要がありますか?
  • アプリケーションではどのような終端方法が望ましい、または必要ですか?
  • 使用するコネクタは侵入保護を提供する必要がありますか?
  • 接続で想定される電圧と電流はどれくらいですか?

端子数

多くの場合、コネクタで必要な端子数はわかっています。しかし、場合によっては、アプリケーション全体に関するニーズとアイテムの可用性のため、最終的に選択されるアイテムの仕様に影響することがあります。

さらに、コネクタが処理する必要のある電力は選択されるオプションに影響するので、やはり考慮する必要があります。コネクタの電力処理容量は増加し続けているので、パッケージ/シェルサイズに対する合計端子数は減る可能性があります。そのためには、大きいワイヤゲージのための広いスペースや高い電圧が必要です。一部のメーカーは、端子間の絶縁を高め、電気アークが端子間を移動するために必要な総「距離」を大きくすることで、より高い電圧に対応しています。また、残りの端子に接地端子が組み込まれているコネクタもあります。そのような端子はコネクタの他の端子より長くなっており、2つの嵌合/非嵌合コネクタ間のアークを削減/除去するために使用されます。

選択プロセスの間に留意および考慮する必要のあるいくつかの点を以下に示します。

  • エンクロージャを出入りする電力のために、いくつのコネクタおよび端子が必要/望ましいですか。
  • コネクタの端子の種類の一般的な組み合わせ
    • 電源端子のみ
    • 信号端子のみ
    • 電源端子と信号端子
    • 信号+接地端子
  • 使用できるコネクタが1つだけのプロジェクトの場合、すべての端子を収めるために大きめのコネクタを使用することが必要な場合があります。
  • 信号と電力が分かれている場合、それらが占めるスペースは大きくなります。しかし、アプリケーションの一般的なレイアウトのため、またはアプリケーションの機能のために分かれる場合、それが必要になることがあります。

実装タイプ

プロジェクトでのもう1つの考慮事項は、望ましいまたは必要な各コネクタの実装方法です。実装のタイプの例とリンクの例を次に示します。

実装方法

実装と終端という用語は同じ意味であることが知られていますが、常にそうなのではなく、異なる場合があることに注意する必要があります。実装とは、プロジェクトとコネクタ全体としてのインターフェース/固定/接続の方法を示します。終端は、電気的な接続が行われる方法を示します。ほとんどの場合、スルーホール実装と面実装は、特定の方法で実装および終端されるアイテムを示します(詳細については後の「終端方法」を参照)。次に示すのは実装、嵌合、終端の組み合わせの例です。

  • コネクタ1
    • パネル実装
    • 右に角度のついた面実装コンタクトを使用してボードに終端
  • コネクタ1に嵌合しているコネクタ2
    • フリーハンギングコネクタ
    • ネジ終端

終端方法

いずれかの端または接続ではどのような終端方法が必要でしょうか。特定のタイプが必要であることが事前に定義されていない場合、これは好みである場合があります。ただし、一部のアプリケーションでは特定のタイプの終端が必要になることがあります。

  • はんだ付け/はんだ終端 - コネクタの場合、この終端方法は広範囲のアプリケーションで問題なく機能します。ただし、アプリケーションが高温の場所で使用される場合、より機械的な終端手段を考慮することが必要な場合があります。はんだ付けは、ワイヤ終端およびボード終端接続に使用できます。そのため、このタイプの終端にはアイテムをはんだ付けできるさまざまな方法が含まれます。前述のように、スルーホールはんだ付けと面実装は、実装と終端のタイプを示します。

一般的なコネクタはんだ終端の図

図1:一般的なコネクタはんだ終端。

  • スルーホールはんだ付け - コネクタの終端側には、ボードの穴を貫通するように設計されたリードがあり、準備されていて、通常はスルーホールコネクタからのボードの他の表面には銅製パッドが付いています。配置された後、所定の位置にはんだ付けされます。

ボード対ボード/ボード対ケーブルのスルーホールコネクタの図

図2:このボード対ボード/ボード対ケーブルコネクタは、PCBにはんだ付けされるスルーホール用です。

  • 面実装終端 - アイテムのリードと実装パッドは、PCBの同じ側にあります。アイテムは手で所定の位置に配置されてはんだ付けされるか、リフローまたはウェーブはんだ付け方法を使用してはんだ付けされます。一部のボード/カードエッジコネクタタイプも面実装タイプであることに注意してください。

ボード対ボード/ボード対ケーブルの表面実装コネクタの図

図3:このボード対ボード/ボード対ケーブルコネクタは、PCBにはんだ付けされる面実装用です。

  • 圧着 - このタイプの終端は非常に堅牢で信頼性が高いことが知られており、ワイヤの終端に使用されます。ただし、圧着自体の品質と、コンタクトハウジングへの正しい取り付けが前提となります。高品質の圧着と全体的な接続を実現するには、ハウジングに対して正しいコンタクトが使用されていること、および正しい圧着ツールであることを確認する必要があります。これらのコンタクトの場合、ツールの使用が重要なステップです。最終的な品質が問題ではない場合は、すでに持っているツールや低コストのオプションを利用できる可能性があります。ただし、そうであるかその可能性がある場合でも、メーカーによって推奨されているツールと、ワイヤの適切な準備手順および圧着後検査用にメーカーが提供している圧着データの品質を使用する必要があります(注 - すべてをチェックする必要はなく、検証用のサンプルだけです)。ツールと正しい手順を使用せず、接続で障害が発生した場合、そのようなコネクタのメーカーの全部ではないとしてもほとんどは、サポートまたは保証を提供しません。

被覆がむかれたワイヤリードに圧着されたコンタクトの図

図4:被覆がむかれたワイヤリードに圧着されたコンタクトの例

  • プッシュイン/ポークイン -
    • このタイプは、永続的な終端またはリリース可能な終端です。また、このタイプは、非常に優れた信頼性と堅牢性を持つことでも知られています。ただし、振動が多い環境で使用する場合は、アイテムの振動定格を確認することをお勧めします。
    • これらのタイプへの終端では、通常、ワイヤの被覆をむいた後、コネクタに単に押し込むか、またはレバーをロック解除状態にして、ワイヤを挿入してから、レバーをロック状態にします。
    • ワイヤを解放するバリエーションについては、メカニズムが組み込まれているか、またはマイナスドライバなどをハウジングのスロットに押し込む必要があります。

被覆がむかれたワイヤが終端されているボード実装コネクタの図

図5:このボード実装コネクタでは、被覆がむかれたワイヤを下部の開口部に押し込むことで終端されています。この場合、ワイヤを解放する必要がある場合はツールを使用します。

被覆がむかれたワイヤが終端されているフリーハンギングアイテムの図

図6:このフリーハンギングアイテムでは、被覆がむかれたワイヤを端の1つに押し込む/差し込むことで終端されています。この特定のアイテムの場合、ワイヤはねじって引っ張るアクションによって解放できます。

ネジを使用してワイヤを終端するコネクタの例の図

図7:これらは、ネジを使用してワイヤを終端するコネクタの例です。

  • ワイヤラップ
    • 例としてはCWN-370-50-0000があります。このタイプのコネクタは、ワイヤラップアプリケーションで使用できます。
    • CWN-370-50-0000は、最初にPCBに取り付けられ、所定の位置にはんだ付けされた後、ワイヤラップされるように設計されています。
    • これらのコネクタは、大規模に製造される製品では必ずしも使用されません。これらは、高周波数の最終製品および生産数の少ないプロトタイプで使用されます。
    • 次のリンクでは、ワイヤラッピング方法に関する情報を示します。

ワイヤラッピング方法を使用するアイテムの例の図

図8:これらは、ワイヤラッピング方法を使用してワイヤを終端するアイテムの例です。

  • 圧入 - はんだ付けなし終端タイプにできます。その結果、プロジェクトの全体コストを下げることができます。通常ははんだ付けを使用しないように設計されていることに注意してください。ただし、何らかの理由でそのようなアイテムをはんだ付けする必要がある場合は、はんだ付けすると部品に影響する可能性があり、メーカーは発生する問題をサポートできない場合があることに注意してください。これらのアイテムをはんだ付けするときは、慎重に行い、テストすることをお勧めします。また、この終端タイプの場合は、アイテムを確実に均一に挿入して完全に取り付けるのに役立つツールがあります。メーカーのツールリストを使用することをお勧めします。メーカーのツールリストがない場合は、メーカーに直接問い合わせて、アプリケーションのニーズをメーカーと話し合うことが必要な場合があります。DigiKeyの圧入テクノロジに関する概要は、このテクノロジタイプに関する優れた参考資料です。

取り付けられるボードに配置されている穴に終端されるアイテムの例の図

図9:これらは、取り付けられるボードに配置されている穴に終端されるアイテムの例です(スルーホールスタイルと圧入スタイルの両方)。

環境に関する考慮事項

アプリケーションの環境が十分に安定していて、極端にならないと予想される場合は、定義されている特定のニーズに対してほとんどすべてのコネクタが機能します。一方、プロジェクトが厳しい環境(当該コネクタが曝される可能性のある振動、動的ショック、シールド、環境的侵入、オイル、溶剤、さまざまな化学物質や腐食など)に対するものである場合は、選択プロセスの間に次のことに留意する必要があります。

  • 振動と動的ショック
    • エンクロージャ内の接続の場合、取り付けボスや追加の大きいはんだ付けパッド/ピンなどの追加機能を備えたアイテムを選択できます。OmronXH5製品概要では、両方のタイプを含むオプションが示されています。3ページ以降に、アイテムと、取り付け機能を利用するために各アイテムで使用する取り付けパターンの図があります。
    • エンクロージャを出入りする接続の場合は、特定のコネクタタイプに対して選択できる、かなりの数の選択肢がある可能性があります。
    • 考慮されるコネクタの仕様を見て、プロジェクトで発生することが予想されるショックと振動のレベルに対してテストおよび評価されているかどうかを確認してください。
  • シールド
    • 環境磁気ノイズの懸念がある場合または周期的に問題になる可能性がある場合は、シールドを使用します。
    • シールドが採用されているコネクタの場合、特定の部分だけシールドするのか、それとも(ケーブルの場合)パス全体に一体型のシールドが必要かを、検討する必要があります。Ethernetケーブルを例にします。環境が十分に穏やかな場合、基本的なEthernetケーブルと8極のモジュラコネクタを使用できます。一方、環境磁気ノイズが高いときは、シールドされたモジュラコネクタとEthernetケーブルの使用を検討/実装する必要があります。
    • Wurth Electronikの効果的なEMIシールドの概念のアプリケーションノートは、シールドの問題に関する情報について読むべき優れた参考資料です。
  • オイル、溶剤、さまざまな化学物質や腐食については、他の仕様に適合し、それらを含む環境に対する定格があるオプションが見つからない可能性があります。場合によっては、まだ評価されていない場合はメーカーと話し合ってそのような環境に対応できるアイテムのバリエーションを入手することが必要な場合があります。
  • コネクタには侵入保護が必要ですか。
    • 侵入保護等級は、保護されている領域に個体/埃および湿気/水分が侵入するのを防ぐアイテムの能力を示します。これが重要な場合は、コネクタ選択プロセス全体を通じて考慮する必要があります。侵入要件と一致しない他のすべてのオプションを除外するために使用されます。
    • 侵入保護フォーマットIPX1X2YZ
      • IP = 侵入保護
      • X1
        • 0 - 特別な保護なし
        • 1 - 50mmを超える固形物に対して保護されている(例:人の手の不注意による接触)
        • 2 - 12mmを超える固形物に対して保護されている(例:人の指)
        • 3 - 2.5mmを超える固形物に対して保護されている(例:ツールやワイヤ)
        • 4 - 1mmを超える固形物に対して保護されている(例:ツール、ワイヤ、細いワイヤ)
        • 5 - 埃に対して保護されている、限定的な侵入(有害な蓄積なし)
        • 6 - 埃に対して完全に保護されている
      • X2
        • 0 - 保護なし
        • 1 - 垂直に落下する水滴に対する保護(例:結露)
        • 2 - 垂直から最大15°までの範囲での水の直接噴霧に対する保護
        • 3 - 垂直から最大60°までの範囲での水の直接噴霧に対する保護
        • 4 - すべての方向からの水の噴霧に対する保護、限定的な侵入の許容
        • 5 - すべての方向からの水の低圧噴流に対する保護、限定的な侵入
        • 6 - 一時的な浸水に対する保護(例:船のデッキでの使用) - 限定的な侵入の許容
        • 7 - 15cm~1mの範囲の浸水の影響に対する保護
        • 8 - 加圧下での長時間の浸水に対する保護
      • YおよびZ
        • 常時使用ではない
        • 複数の仕様の適用に使用可能。以下の情報はYおよびZの定義に役立ちました
      • Switchcraftのエンジニアリングチームから受け取りました。「IPコードはIEC 60529で定義されています。基本情報のスナップショットを以下に含めました。」(図10)

IEC 60529で定義されているIPコードの図

図10:IEC 60529で定義されているIPコード(画像提供:Switchcraft)

    • オプションの数字を拡張する可能性がある他の仕様があります。DIN 40 050では、道路車両の電気機器に対する「K」オプションが追加されています。例として、IP69Kは高圧/水蒸気噴流クリーニング(9K)に対して保護された防塵(6)エンクロージャを表します。
    • 仕様に関する詳細については以下のリンクを参照してください。

電流と電圧の定格

  • どのような電流定格が必要ですか。
    • コネクタを選択するときは、コネクタに流れることが予想される最大電流を処理できるオプションを選択する必要があります。
    • 可能な場合は、予想を超える電流に対する余裕を持たせるため、必要より多い電流を処理できるオプションを選択することをお勧めします。
    • 一部のコネクタではドキュメントに電流が示されていません。そのような場合:
      • ボード実装アイテムの場合、ケーブル実装された嵌合を探してみてください。そのアイテムのワイヤゲージを使用して、電流定格を特定できます。
      • 次のリンクを参照して、AWGの電流定格変換を確認してください。

http://www.powerstream.com/Wire_Size.htm

  • どのような電圧定格を処理する必要がありますか。
    • コネクタを選択するときは、コネクタにかかることが予想される最大電圧を処理できるオプションを選択する必要があります。
    • 可能な場合は、予想を超える電圧に対する余裕を持たせるため、さらに高い電圧を処理できるオプションを選択することをお勧めします。
    • 調べている特定のアイテムで電圧が示されていない場合
      • 同じか非常に近いコンタクトピッチと物理構造を持つ他のアイテムを確認できる場合があります。そこで処理できる電圧が示されていることがあります。
      • 電圧定格に関して使用できるデータがない場合は、メーカーに問い合わせて情報を提供できるかどうか確認するか、またはDigiKeyのアプリケーションエンジニアリングチームに問い合わせてその情報を探す手伝いが可能かどうか確認してください。
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著者について

Nathan Raatz

出版者について

DigiKey

ミネソタ州シーフリバーフォールズに拠点を置くDigiKeyは、試作および設計段階、量産段階のいずれにおいても、電子部品を卓越したサービスとともにグローバルに提供し、DigiKeyでは、750社以上の一流メーカーから提供される600万点以上の製品を取り扱っている。