RP605バックブーストDC/DCコンバータ

Nisshinbo Micro DevicesのRP605バックブーストDC/DCコンバータは、独自の統合バッテリ電圧モニタを備えており、バッテリに残っている電力を測定することができます。ウェアラブルデバイス、モノのインターネット（IoT）アプリケーション、およびバッテリ寿命を延ばすために低レベルの電流消費を必要とするワイヤレス通信モジュールで使用するために設計されています。

追加のバッテリモニタ回路は、RP605の主な特長の1つです。バッテリ残量を測定する従来の方法では、A/Dコンバータに接続された外部抵抗分割器とMOSFETを使用しています。ただし、このソリューションの入力インピーダンスは一般的に低いため、かなりの電流がグランドに流れ、バッテリが消耗し、アプリケーションの寿命が制限されます。RP605は、内蔵の抵抗分割器とバッファとしての電圧フォロワを備えたシンプルなソリューションを提供します。利点として、この回路はグランドへの電流フローがはるかに低く、出力はA/Dコンバータの入力インピーダンスと適合します。この回路の静止電流はわずか100nAで、ディスクリートMOSFETを使用する代わりに追加のチップイネーブルピン（CE2）を備えています。この回路に必要なすべてのコンポーネントがチップに統合されているため、貴重な回路基板スペースとコストを削減できます。例えばこのようにして、一次電池用の単純な残量ゲージを作ることが可能です。

RP605は、完全に充電されたバッテリと完全に放電されたバッテリの電圧レベルの間の電源電圧が必要な場合に特に適しています。特定の瞬間に、DC/DCコンバータは自動的に降圧モードから昇圧モードに切り替わり、出力電圧設定を維持します。RP605は、主にスリープモードですが定期的にウェイクアップして測定を実行し、データを送信してからスリープモードに戻るアプリケーション向けに設計されています。このタイプのアプリケーションでは、スリープモードでの電流消費を可能な限り低く抑える必要があります。RP605の静止電流は非常に低く、消費電流はわずか300nA（DC/DCコンバータ部分）であるため、バッテリの寿命が延び、設計者はアプリケーション用により小さいサイズのバッテリを選択できるようになります。

RP605は、降圧モードでは最大300mAを提供し、昇圧モードでは出力電流が少なく、入力電圧レベルに応じます。

入力電圧が最小閾値を下回った場合にDC/DCコンバーターを無効にする不足電圧ロックアウト回路など、複数の保護回路が統合されています。ソフトスタート回路は、出力電圧を制御してスムーズに上昇させ、起動中の出力のオーバーシュートとアンダーシュートを防ぎます。Lx電流制限回路は、インダクタを流れるピーク電流が特定の最大電流閾値を超えないようにします。出力過電圧保護は、PチャンネルおよびNチャンネルMOSFETと熱保護の両方をオフにし、接合部温度が+140°Cを超えた場合にICをシャットダウンします。