iButton®および1-Wire®テクノロジ

Analog DevicesのiButtonデバイスは小型で耐久性のあるパッケージモジュールで、それぞれグローバルに一意のデジタルアドレスを持っています。iButtonは、電子通信インターフェースとしてステンレス鋼の「缶」を使用しています。各缶には、「ふた」と呼ばれるデータコンタクトと、内部のシリコンチップに接続された「ベース」と呼ばれる接地コンタクトがあります。ふたは缶の上部であり、ベースは缶の側面と底を形成します。2つのコンタクトはポリプロピレングロメットで分離されています。フランジにより、iButtonをほとんど何にでも簡単に取り付けることができます。各iButtonデバイスには、缶内のチップにレーザーエッチングされた、変更不可能な独自のアドレスがあります。このアドレスは、キーまたは識別子として使用できます。iButtonデバイスを2つのコンタクトに接触させるだけで、1-Wireプロトコルを介した通信が可能になります。

iButtonは、極めて苛酷な環境など、他の製品では不可能な場所にデータを配信または記録する機能を提供します。iButtonデバイスは、落としたり、踏んだり、引っかいたりしても簡単には壊れません。DS9107カプセルを使用することで、IP68レベルの耐溶剤性を実現できます。iButtonデバイスは、摩耗試験によって10年間の耐久性が保証されています。iButtonデバイスは、温度と湿度のデータロギング、アクセス制御、資産追跡、電子キャッシュ（eCash）トランザクション、自動識別、安全な認証、および多様なポータブルアプリケーションなど、人や物に情報を追随させる必要があるあらゆるアプリケーションに最適です。

Analog Devicesの1-Wire製品は、メモリ、混合信号、および安全な認証機能の組み合わせを、単一の接触シリアルインターフェースからの完全な操作で提供します。電力と通信の両方がシリアルプロトコルを介して提供される1-Wireデバイスは、マイクロコントローラのI/Oリソースに制約があったり、またはシステムの相互接続を最小限に抑える必要があるアプリケーションにその能力を提供するうえで、抜群の効果を発揮します。

1-Wire®テクノロジの基礎は、通信に単一のデータラインとグランド基準を使用するシリアルプロトコルです。1-Wireは、半二重双方向通信用に2つのコンタクト（データとグランド）で動作する電圧ベースのデジタルシステムです。I²CまたはSPIのような他のシリアル通信システムと比較して、1-Wireデバイスは、瞬間的なコンタクト環境で使用するように設計されています。1-Wireバスから切断するか、接続が失われると、1-Wireスレーブが定義済みのリセット状態になります。電圧が戻ると、スレーブはウェイクアップし、その存在を知らせます。保護するコンタクトが1つしかないため、1-Wireデバイスの組み込みESD保護は非常に強力になっています。1-Wireデバイスは、非電子オブジェクトに電子機能を追加して、キャリブレーションデータまたは製造情報の識別、認証、および配信を行う最も経済的な方法です。

1-Wireインターフェース