エンクロージャの衝撃定格の重要性について理解する

著者 Ashok Bindra

DigiKeyの北米担当編集者の提供

エンクロージャは、電気および電子機器を物理的な損傷や、埃、湿気、極端な温度といった環境上の危険から保護する上で、重要な役割を果たします。特に外部からの物理的または機械的損傷が大きな懸念とされる産業用途や屋外空間において、衝撃定格は、エンクロージャ選定における重要な考慮事項となっています。これらの評価は憶測を排除するだけでなく、工場環境において外部からの物理的な力に耐え、汚染物質、湿度、水に耐えることを保証します。したがって、エンクロージャは機器の故障を防ぎ、企業のメンテナンス、修理、交換コストを削減する上で重要な役割を果たしています。

この目的のため、エンクロージャは国際電気標準会議(IEC)が管理する国際規格IEC 62262に基づき試験されます。同規格は、電気機器を外部からの機械的衝撃から保護するエンクロージャの保護等級を定義しています。この保護等級はさらにIKコードを用いて分類されIK00~IK10までのスケールでエンクロージャを評価します。IK00は保護機能なし、IK10が最高の保護を提供します。その結果、これらの等級により、ユーザーは、屋外環境や過酷な産業現場など、特定の稼働条件に必要な耐久性、信頼性、安全性を提供する適切なエンクロージャを選択することができます。

エンクロージャ材料としてのアルミダイカストとポリカーボネートの比較

エンクロージャにはさまざまな材料が用いられ、各材料は物理的損傷に対する保護レベルとエンクロージャ全体の性能を決定します。基本的に、エンクロージャの材料は金属系と非金属系の2つの主要なカテゴリに大別できます。金属系においては、アルミのような非鉄金属がエンクロージャ材料として魅力的な材料となります。用途にもよりますが、アルミはその優れた強度、耐腐食性、軽量性、電磁妨害(EMI)の遮蔽能力から、屋外用途として人気の高い材料です。

同様に、非金属系ではプラスチックがよく使われる材料で、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)とポリカーボネートの2種類が利用可能です。ABSは低コストの熱可塑性プラスチックで、加工や成形が容易なため、多くの屋内用途における標準的な選択肢となっています。

一方、ポリカーボネートはプラスチック分野において優れた特性を発揮します。非常に強度の高い材料で、圧力や衝撃による破損に対する耐性が高く、そのIK等級はアルミダイカスト製エンクロージャに匹敵します。ポリカーボネートには他にも多くの優れた特性があります。紫外線保護、広い温度範囲での耐性、腐食性化学物質への耐性、圧力下での曲げ伸ばしに対する柔軟性などが挙げられます。紫外線安定性により、ポリカーボネート製エンクロージャは長期間の太陽光曝露に劣化することなく耐え、経時的な脆化やひび割れを防ぎます。これらの特性により、ポリカーボネートは過酷な屋外環境向けのエンクロージャ材料として適しています。

IK耐衝撃保護等級など

Hammond Manufacturingは、幅広い用途向けに金属製および非金属製のエンクロージャを提供しています。電気および電子機器を強い衝撃から保護するために、1550ZF1550Z1590Zなどのアルミダイカストシリーズ エンクロージャを製造しており、これはIK08という高い等級を実現しています(図1)。この等級では、筐体は5ジュールの衝撃に耐えることができ、これは300mmの高さから1.7kgの質量を落下させた衝撃に相当します。これにより、内部部品に対して高いレベルで保護します。アルミダイカスト製エンクロージャは、強度と堅牢性に加え、軽量、導電性、耐腐食性にも優れています。高レベルのEMIシールド効果を発揮し、極端な温度、埃、水にも耐えることができます。

Hammond アルミダイカスト製エンクロージャの画像図1:Hammondのアルミダイカスト製エンクロージャは、KI08という高い耐衝撃保護等級を実現しています。(画像提供:Hammond Manufacturing)

低価格のプラスチック製エンクロージャを希望されるユーザー向けに、Hammondは1554/15551555Fシリーズなどのポリカーボネート製エンクロージャ(図2)を用意しています。IEC 62262:2021規格に基づき、アルミダイカスト製と同等のIK08の耐衝撃保護等級を満たしています。また、ポリカーボネートプラスチックはアルミダイカストよりもはるかに軽量で、密度は1.20g/cm3~1.22g/cm3と約半分です。軽量でありながらポリカーボネート製エンクロージャは、強度が高く、環境密閉性があり、屋外使用向けに紫外線安定化処理が施されています。

さらに、独自の試験によりNEMAタイプ4、4X、6、6P、12、13の規格を満たすことが確認されており、IP68保護等級を上回る性能です。また、-40°C~+110°C(-40°F~+230°F)という広い動作温度範囲に耐えられることができます。これらの要素を総合的に考慮すると、ポリカーボネート製エンクロージャは、過酷な産業環境、海洋環境、屋外環境などの幅広い用途において電子機器を保護する耐久性と信頼性に優れたソリューションを提供します。

Hammondのポリカーボネート製エンクロージャの画像図2:Hammondのポリカーボネート製エンクロージャはIK08の耐衝撃保護等級を有しています。(画像提供:Hammond Manufacturing)

このような幅広い用途に対応するため、Hammondは1554/1555シリーズを32サイズで製造しています。サイズは2.6インチ x 2.6インチ x 1.6インチ(65mm × 65mm × 40mm)~11.81インチ x 9.45インチ x 4.72インチ(240mm × 160mm × 90mm)まで、32種類のサイズを製造しています。これらのサイズにより、約200種類のハウジングと蓋の組み合わせを実現しています。1555シリーズと1554シリーズの主な違いは蓋の設計にあります。1555シリーズは、ラベルやキーパッドの取り付け用に窪みのあるカバーを採用しているのに対し、1554は平らなカバーを採用しています。

壁面取り付けまたはDINレール機器向けに、Hammondは防水性のあるフランジ付き蓋を備えた1555Fシリーズ(図3)を追加しました。ポリカーボネート製エンクロージャで、高いIK等級と優れた侵入保護(IP67)等級を備え、過酷な屋外用途に最適です。業界標準のライトグレー仕上げ(RAL 7035)のこの難燃性ポリカーボネートユニットは、数多くの革新的な機能を備え、独自の機能性を提供します。たとえば、取り付け用の厚いプラスチック製フランジが付属し、トップカバー、交換可能なシリコンガスケット、4本のステンレス鋼製脱落防止機能付き組み付けネジが付属しています。水による腐食や異種金属接触による腐食を防止するため、ステンレス鋼製小ネジはステンレス鋼製ブッシングにねじ込まれます。

Hammond 1555Fシリーズ ポリカーボネート製エンクロージャの画像 図3:壁面取り付け用に設計された1555Fシリーズのポリカーボネート製エンクロージャには、厚みのあるプラスチック製フランジが付属しています。(画像提供:Hammond Manufacturing)

環境シールは、成形シリコンガスケットを備えた2ピースの相欠き構造により実現され、エンクロージャを密閉します。水の浸入を防ぐため、組み立て用ネジとインサートはガスケットの周囲外側に配置されています。要するに、ポリカーボネート製エンクロージャは数多くの利点を提供し、過酷な屋外用途において魅力的で実用的な選択肢となります。

まとめ

電気機器用エンクロージャを選択する際、特に屋外用途においては、エンクロージャの材料が考慮すべき重要な要素となります。金属製および非金属製の両方に、高いIK耐衝撃保護等級を備えた製品が用意されています。アルミダイカストは軽量でありながら、優れた強度、電気導電性、耐食性、EMIシールド性能、そして耐久性に優れています。プラスチックベースのポリカーボネートは、アルミダイカストに代わるコスト効率に優れた軽量材料であり、紫外線安定性や難燃性などの利点も備えています。

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